所有から共有の時代へ シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミーとは、ヒト・モノなど、個人や企業が所有している活用可能な資産をシェアし、サービスを提供・利用する新しいビジネスモデルです。インターネット媒体を介して成り立つ経済の仕組みです。
社会インフラの発達・SNSやスマートフォンの普及から生まれた、新しい経済のカタチ、シェアリングエコノミーについて紹介していきます。

シェアリングエコノミーのメリットってなに?

遊休資産と言われる「モノ」「場所」「移動」「スキル」「お金」などの活用可能な資産を、インターネットのプラットフォームを介し、多くの人と共有し、利用する経済の新しいカタチです。

「提供したい人」と「利用したい人」の間から生まれる、シェアリングエコノミーの効率的なサービスは、大きな経済効果が期待されています。

資産を提供する側・利用する側の双方に利益がある

シェアリングエコノミーには両者Win-Winのメリットがあります。
双方のメリットを見ていきましょう。

【提供者】
・初期費用の節約:すでに所有されている家・駐車場ならばそのまま利用するか、少しの手直しで始められる
・新たな価値:フリマに出品した不要なモノに価値が生まれる
・収入源:モノや場所、専門的なスキルなど、必要としている人にサービスを提供することが収入源になる

【利用者】
・コストパフォーマンス:シェアリングサービスを利用することで、従来の料金よりも安く抑えることができる
・スッキリ快適:必要な時にサービスを利用することで、時間も場所も費用も節約できる
・新発見:フードシェアリングを利用すると、例えば、農家の新種野菜や特徴・調理方法などを知ることができます。

新たな消費や経済の発展を促す

シェアリングエコノミーのビジネスモデルは、経済の相乗効果をのぞめます。つまり、シェアリングサービスを利用することで新たな消費が生まれる可能性も高く、経済活性化に繋がります。

シェアリングサービス利用で、従来よりもコストパフォーマンスが良い結果、余剰分を他のコト・モノに充てることができ、消費力がアップ。また、時間の制約のため、諦めていた労働環境に、自分のスキルをもって取引ができるので、自分に合った働き方・自由な働き方の実現、新しい雇用にも繋がります。

人とのつながりが生まれる

「共有」のカタチから「共創」「共助」という地域コミュニティーを創出することができます。

同じような価値観をもっていることから、自然な流れで人と人とのつながりが生まれます。これはシェアリングエコノミーのビジネスモデルでも謳っているように、必要としている人、提供したい人の、無理のない関係性です。

そしてこの関係性がビジネスのベースになり、「口コミ」により新規顧客を獲得し、「リピーター」を得ることも可能です。

シェアリングエコノミーの市場規模

2018年度の経済規模は過去最高の1兆9000億円近く、2030年度には11兆円を予想しています。(出典:シェアリングエコノミー協会)利用満足度も向上しており、さらなる経済効果が期待されています。

これは浮遊資産から価値を生み出し、シェアリングエコノミーというビジネスモデルが確立してきたことにあります。また、消費者の「モノ」や「サービス」への意識も変化し、需要と供給のバランスがマッチするケースが増えていることにもあります。

カーシェアリング

カーシェアリングとは、車を所有しなくても車を利用できるサービスです。車を気軽に利用するというコンセプトのもと、車の所有者が使っていないときに、使いたい人に貸し出すというシステム。レンタカーとの違いは定期的に短時間使用ということです。スマートフォンなどで手続きができます。

カーシェアリングの利用用途もさまざまで、運転するという本来の用途はもちろんですが、個室感覚での利用も増えています。

消費者のニーズに対応できるように、国内自動車メーカーも動きを見せています。ハイブリット車に対応できるカーステーションとシェアリングサービスの連携や、海外シェアリングサービス企業との協業などが挙げられます。

認知度の高まりにつれて、さらなる市場規模の拡大が見込めるでしょう。

自転車シェアリング

自転車シェアリングは、専用アプリに登録するだけで自由に利用できます。決済もキャッシュレス決済で簡単。

自転車シェリングの特徴は、駐輪ステーションの範囲内であれば乗り捨てができることです。ちょっとした買い物や通勤・通学、観光地などでの利用にとても便利です。この手軽さが利用者のニーズを満たし、需要が高まっています。

まだ駐輪場確保という供給面での課題はありますが、大手企業や自治体の参入も含め、市場規模は着実に広がっていきます。

民泊 ホームシェアリング

海外からの旅行者を中心に利用者が増えている民泊サービスは、提供者側・利用者側、両者の市場でまだまだ伸びしろがあります。

「民泊新法」法規制も施工され、業界としての立ち位置も確立しつつあります。また旅館やホテルなどの宿泊施設についても「旅館業法」の規制緩和があり、宿泊業界の変化がうかがえます。そして宿泊施設の営業形態にも、さまざまな企業が参入しています。

東京五輪に開催に向け、インバウンド需要も含め、さらなる飛躍が期待できる業界です。

農業 農業シェアリング

農業の人手不足・継承問題は常に取りざたされています。この問題を解決する手段として、農業にもシェアリングエコノミーのサービスを導入する動きがあり、「シェアリング農業」が注目されています。

大手企業が、体への負担を少なくする作業台をはじめ、IoT技術の組み入れにより、多くの人が農業に参加できるようにするサービスの実証実験を行いました。事前に農作業のサポーターの登録をつのり、必要作業時期に連絡を入れ、人手を集めるという仕組みです。

農作業に人手は必要であり、継承も課題。多くの若い人たちも気軽に参加できる仕組みが検討されています。まさに、今後の動向が注目される市場です。

シェアリングサービスの成功事例

「シェアリングサービス」の市場規模は急速に拡大しています。前述した通り、浮遊資産を提供したい人と、利用したい人をマッチングさせる仕組みが確立したことにあります。

起業の資金調達にも役立つ、クラウドファンディングという「お金」のシェアも可能となりました。

以下、成功事例を紹介します。

技術やノウハウの宝庫「ココナラ」

「ココナラ」は、専門的なスキル・知識・経験の売買をオンラインで行うスキルマーケットです。

特殊なスキル・知識などを持っている人から、そのスキルを買い取り、お願い事を解決・支援してもらう取り引きです。サービスの内容は、似顔絵・占い・結婚や子育て相談・就活・広告・マネーなど、グッズやメンタル、ライフスタイルまで多岐にわたります。

スキル出品者は、自分の経験や能力を多くの人に役立ててもらうという、やりがいがと同時に報酬を得ることができます。

利用者は、パソコンや専用アプリからココナラに登録し、自分のお願い事にマッチするスキルサービスを検索し申し込みます。検索の際はレビュー評価も役立てましょう。提供者は、自分の得意とする分野でのスキルや知識を登録し、プレゼン用に掲載します。報酬の値段は経験値と成果に見合ったものを提示。より利用してもらうためにもスキルの向上と丁寧な対応は必須です。ココナラは提供者から手数料を徴収し、サイト内での取引を管理します。

スキル提供という括りで言えば、ココナラは自ら発信し購入してもらうシステムです。「クラウドソーシング」などは請負という仕組みになります。

レストランの料理を自宅へ「Uber Eats」

「Uber Eats」は、オンラインのフードデリバリーサービスです。

自宅にいながら、または外出先でもレストランの料理を届けてもらえます。レストランは多くのお客様に利用してもらえ、配達パートナーは自転車1つで隙間時間に稼ぐことできます。

利用者は専用アプリから注文、提供者・レストランはUber Eatsに登録し、デリバリー担当は配達パートナーとして登録します。そして、両者の支払いシステムはUber Eatsが担当します。

スタイリストがチョイスする「air Closet(エアークローゼット)」

「air Closet」は、定額でスタイリストがコーディネートした洋服をレンタルするサービスです。服の保管場所に困っている方、服選びが苦手な方など、便利に楽しめるサービスです。

結婚や子育てにより、スタイリストの仕事から離れた方も、自分に合った働き方ができます。洋服ブランド側は、多くの人に着用してもらうことで宣伝効果が得られるでしょう。

利用者はホームページより会員登録し、自分のカルテと好きなアイテムを提出します。洋服を受取り・着用、感想を添えて返却、そして次回選定用にカルテを更新します。料金は月額制、定額料金です。提供者、洋服は専属のバイヤーがアパレルメーカーや百貨店ブランドから直接仕入れます。スタイリストは業務委託として働き方を調整できます。

まとめ

今後シェアリングエコノミーというビジネスモデルは、さらに市場規模が拡大され、経済活性化の効果も大きいと期待されています。

これらの背景には、「所有」から「利用」へ消費者の意識変化、生産者の働き方や労働環境の改革などから、需要と供給がマッチしていること、スマートフォンなどから誰でも簡単に利用できることがあげられるでしょう。

5つのメインカテゴリー「モノ」「場所」「移動」「スキル」「お金」から、範囲もさらに広がり、新しいビジネスの突破口となることが期待されています。