リップルとは?ほかの仮想通貨との違いとあわせて現状の課題や今後の動向について解説

リップルは日本でも馴染みのあるトークンとなっており、名前は聞いたことがある方もいるかもしれません。本記事では、仮想通貨「リップル」について、他の仮想通貨との違いや特徴、どのような課題解決のために利用されようとしているのかについて解説します。

日本国内でも以前から人気のトークンとなっていた「リップル」ですが、詳しい特徴についてはまだまだ知らない方も少なくありません。

本記事では、リップルの概要をはじめ、特徴や仕組みなどについて解説しながら、現状抱えている課題やします。

リップルとは

名前 リップル(XRP)
発行開始 2012年
上限発行量 1,000億枚
コンセンサスアルゴリズム プルーフオブコンセンサス(PoC)
開発者 Ryan Fugger
利用用途 国際送金 決済 
リップルは国際送金や決済をより簡単にするために開発されました。

開発者であるRyan Fuggerは、リップルを2012年に発行し、トークンの発行枚数は最大1,000億枚としてローンチされました。

ブロックチェーンにおける引内容の合計形成アルゴリズムである「コンセンサスアルゴリズム」は「プルーフオブコンセンサス」という仕組みを取っており、ほかの仮想通貨と比較すると中央集権色が強い承認作業を取っているのが特徴です。

リップルと他の仮想通貨の違い

リップルと他の仮想通貨の違いは、主に以下の3点が挙げられます。

送金速度も早く低コストで決済や仮想通貨の交換ができる
他の仮想通貨に比べ中央集権が強く、既存の金融サービスの仕組みと変わらない
他の仮想通貨が抱えているスケーラビリティ問題を解決できる

リップルは他の仮想通貨と比較しても簡単に取引することができるため世界中の国際決済として活用されるのではないかとしてとても期待されています。

また、リップルは独自の承認作業を用いて取引を完了させます。これはリップル社が認めた検証者が参加して検証を行うため、協力し合うことで悪質な行動ができてしまうことからセキュリティなどに課題があります。

リップルは送金速度も早く低コストで取引できることから、取引処理の遅延や手数料(ガス代)の高騰が懸念されるスケーラビリティ問題を解決してくれるのではないかと注目されています。

リップルの特徴

リップルには他の仮想通貨とは異なる特徴がいくつかあります。

リップルは送金スピードが早いということで知られており、非中央集権型のトークンが多い中、中央集権型のトークンとしての特徴があります。

ブリッジ通貨という特性も持っており、このような特徴について解説していきます。

送金スピードが早い

リップルの送金速度は平均で約3.3秒と、他のブロックチェーンと比較しても早い部類に入ります。

例えば主要のブロックチェーンであるビットコインで45分、イーサリアムで5分の時間がかかるため、これに比べてリップルはわずか数秒と速いことがわかります。

リップルは独自のコンセンサスアルゴリズムを利用しているために、この送金速度を可能にしています。またリップルは、他に取引手数料が安いことから、取引処理の重さによって手数料が高騰化してしまうスケーラビリティ問題を解決できる可能性があるとして注目されています。

中央集権型のトークン

ビットコインには管理者がいませんが、リップルはリップル社によって管理されているということもあり、中央集権的なトークンとして知られています。

独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しているために、他よりも優れた送金速度を実現していたり、取引手数料が安く抑えられていたりというメリットがあります。

その反面、管理者が存在するため、ネットワークが分散されていないというデメリットがあります。

ネットワークが分散されていないことによりセキュリティの担保面で懸念が出たり、悪質な行為を部内者が容易にできてしまうということも考えられるでしょう

ブリッジ通貨として機能している

現状、国際送金をする場合送金手数料が高いという問題や、時間がかかってしまうという課題があります。

例えば日本からイギリスに送金する場合、中継銀行であるコルレス銀行を経由する必要があり、経由するごとに手数料がかかるため、送金手数料が高くなるという背景があります。

リップルはこのような課題を、リップルというブリッジ通貨を介することによって解決できると期待されており、これまで世界の金融機関との提携しながら、国際送金の課題解決に向け日々開発に取り組んでいます。

国内では、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、SBIレミットなどが開発を進めている代表的な企業として挙げられます。

リップルの具体的な活用方法

国際送金

リップル社は、自社が発行しているトークンのXRPを用いた高速で安価な国際送金システムを提供していることや、また各国の中央銀行は、独自のデジタル通貨を使って非効率な国際送金を解決しようとしています。

SWIFT(国際銀行間通信協会)でも、欠点である点を課題として、課題解決に向けてブロックチェーン技術を活用することが検討されています。

これまで少数の銀行で検証を行うなどしていますが、まだ確立したものではないため今後も試行錯誤しながら課題解決実現に向けて努力していく動きが続いています。

CBDC

XRPは中央銀行デジタル通貨(CBDC)プラットフォームで利用されようとしています。

リップル社のCBDCプラットフォームは、XRP Ledgerを基盤に各国の中央銀行が利用することを想定し、デジタル通貨を安全かつ柔軟に発行・管理できるソリューションを提供することを目的として掲げています。

また、具体的にはCBDCのトークン化、決済やDeFiなどの実装にも使用できるようにサポートを行います。

Ripple社が提供するCBDCは既存の金融システムと接続することができる仕組みで、金融機関が複数のネットワークや複数の通貨を使用して送金するリスクが軽減されるでしょう。

NFT

XRPのブロックチェーンのXRPLで、NFTの新規格XLS20が実装されました。
これにより、XRP上でスマートコントラクトなしでNFTが作成できるようになりました。

従来であればNFTを作成する際にはスマートコントラクトが必要不可欠のものでしたが、新しい規格が誕生したことにより不要になりました。

長い間ネットワークがダウンしたこともなく、世界の金融機関でも使用されているブロックチェーンでNFTを発行できるとして、法人利用にも最適と言われています。

また、NFT発行の参入障壁が低くなり、より多くのユーザーを獲得できるとされています。

Defi

XRP保有者は、イーサリアムベースのDeFiを利用できるようになります。

Wrapped XRPはXRPに1対1で裏付けられたデジタル資産であり、ラップド・ビットコインなどを提供しているWrappedと、香港に拠点を置く暗号資産カストディアンのHex Trustが共同でWrapped XRPの開発に取り組むことを発表しました。

これが実現することで、さまざまなDeFiアプリケーションへのアクセスが可能になります。

既に時価総額の高いXRPがWrapped XRPを多く展開することができればさらにXRP利用者が増えXRPの価格向上、発展に繋がると考えられています。

エコシステム

XRP上で構築されたエコシステムの1つとして、Atomic ウォレットがあります。

Atomic は、Windows、macOS、Linux、Android、および iOS のすべての主要な OS で使用できるデスクトップおよびモバイル ウォレットになります。

現在数多くのウォレットが世の中に存在しておりそれを一元化するという目的のもとAtomicウォレットは作成されました。

大きな特徴は、300を超える銘柄の取り扱い、24時間のサポート体制、ステーキング機能などの充実したサービスがあることです。

また、Atomic Wallet には内部トークンAWCがあり、所有者へのキャッシュバックやエアドロップなどがあり、マーケティングツールの1つとして活用され、多くのユーザーに還元されるでしょう。

リップルの現状の課題と今後の動向

流動性を高めていく必要がある

XRPの課題として流動性の低さが挙げられます。

流動性が低いことで、資金の流入が低下し、価格が高騰しないのは勿論、既存のエコシステム発展にも繋がらないようになります。

これらが原因でリップル周りのエコシステム衰退も考えられるため、流動性を高めるという所は今後のポイントになってくると考えられています。

また、世界的にみても資産が口座に眠っている人が多く存在していることから、今後リップルの国際送金は容易にできるという特徴を活かし、どのように課題を解決していくのかが注目されています。

リップルのメリットをいかにユーザーに届けるか、リップルを使用してもらうかなど動向を追っていく必要があるでしょう。

SEC(米国証券取引委員会)との訴訟問題

リップルが話題となったひとつの事例としてSECとの訴訟問題が挙げられます。

SECがリップルに関して特に問題視したのが、リップル社によるXRPの販売方法です。

リップル社が投資家に販売した場合に一部重要な情報開示を行なっていない点を問題視していますが、リップル社は「そのようなことは事実とは異なる」と述べています。

具体的な内容としては、リップル社は2013年から約7年間に渡って、有価証券登録を行っていないXRPを販売し1,300億円を超える資金を調達したと主張しています。

今後の裁判の進展によってリップルの動向も変化するため注目すべき話題の一つでしょう。

リップルを扱う仮想通貨取引所の増加やプラットフォーム拡大

最近はリップル周りのエコシステムが拡大してきており、氷河期の仮想通貨市場でも着実に開発を進めているといえるでしょう。

最近ではリップル社がNFTコレクションの企業と提携を行ったり、メタバース関連の企業と提携したりと、これまでの国際送金に関連したプロジェクト以外の部分でも進んでいます。

国際決済におけるリップル導入の動き

国際送金を容易に行うことができかつ、低コストでやりとりできることから法人の中でもリップル導入を試みているところが多くなってきています。

しかし、リップルは現在も訴訟中ということがあり、裁判が解決していないと法人としてリップルを導入できないという企業が多い状況です。

今後国際決済におけるリップルの導入増加のためには、裁判を含めた問題点、そして課題を解決していくことが大切になってくるでしょう。

リップルを購入する手順

リップルを購入する手順を解説します。

購入手順としては、以下の通りです。

口座開設
本人確認
日本円入金
購入

口座開設・本人確認

口座開設は国内の仮想通貨取引所を選択し、メールアドレスを入力してから開設が始まります。

個人情報等必要事項を画面に従って入力します。

口座開設を行う際は必ず本人確認資料の提出を求められることが多いため、マイナンバーカードを先に画像として保有しておくことで、どのような仮想通貨取引所でもスムーズに手続きを済ますことができます。

口座開設を行った後は、入金の前に設定画面から2段階認証を設定することでセキュリティを強化することができるため、行った方がいいでしょう。

2段階認証を設定することによってログインのパスワードが万が一他人に知られた場合でもその時に発行される認証コードがないとログインができないようになるため、必ず設定しておくべき項目です。

日本円の入金

次に日本円を指定の銀行口座へ振り込みを行い、口座に入金します。

着金が完了した後はビットコインを購入することができますが、手数料に大きな差が発生するため、販売所取引ではなく、取引所取引での売り買いがいいでしょう。

販売所取引とは取引相手が仮想通貨取引所となるため、売り買いの価格に差が発生し、この差が実質的なスプレッドというものになります。

取引所取引では、取引相手がその仮想通貨取引所に口座開設をしているユーザーであり、スプレッドが販売所取引の価格と比較してとても狭く、必要な手数料は取引手数料だけになっているため、安価な手数料で仮想通貨を購入することができます。

まとめ

ここまでリップルについて解説しました。リップルは国際決済の課題解決のためのトークンとしての色が強かったものの、現在では色々なプロジェクトでの普及に取り組んでいます。

投資を検討中の方は自分でしっかりとリサーチ、リスクを把握した上で余剰資金で投資を行うように心がけましょう。

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