代表のAIクローンからのコメントも!AIクローンの社会実装を目指す「株式会社オルツ」〜IPOから読み解く、デジタルシフト #18〜

多くの企業が目標の1つとして掲げ、憧れ、夢を見る言葉、「上場」。これを達成した企業は資金調達の規模が大きくなり、さらなる挑戦ができるとともに、社会的に認められたという箔が付く。何百万社とある日本企業のなかで、上場企業は約3,800社。非常に狭き門を突破した、選ばれし企業たちだ。

本記事では、デジタルシフトを実現しながら新規上場を果たした企業に焦点を当てていく。今回は、AI事業を手掛ける「株式会社オルツ」を取り上げる。同社は、本日、2024年10月11日に東証グロース市場に上場した。

議事録作成サービス「AI GIJIROKU」が好調

株式会社オルツは、2014年に設立された、AIクローン技術と「P.A.I.」(パーソナル人工知能)の研究・開発を中心にAI事業を手掛ける企業だ。また、オルツが独自で開発した大規模言語モデル「LHTM-2」を活用し、主力である議事録作成サービス「AI GIJIROKU」や人格生成プラットフォーム「CLONEdev」、ノーコード生成AIプラットフォーム「altBRAIN」、ボイスボットサービス「AIコールセンター」などを提供している。

オルツは、従業員16名で2023年12月期の売上高が約41億1,200万円だった。さらに、2024年12月期では、第2四半期累計で売上高が約28億4,400万円に達し、驚異的なスピードで成長している。
議事録作成サービス「AI GIJIROKU」

議事録作成サービス「AI GIJIROKU」

オルツが研究・開発を進めるパーソナルAI

オルツは近年、AIクローン技術を活用したパーソナルAIの研究・開発に注力している。パーソナルAIとは、人々の意思をデジタル化し、クラウド上に配置することで、デジタル作業をそのクローンに代行させることを目的としたAIのことだ。当人のデータをAIに学習させることで、その人物の言動を再現した「分身」をつくり出す。同社は、全ての人が個人のAIクローンを持つことで、労働から解放され創造的な仕事に時間を割くことができるようになり、「労働集約型ビジネスモデル」から「知識集約型ビジネスモデル」への転換が行われると考えているとのことだ。

2つの事業の好循環を目指す

オルツの事業は、AIサービスの開発を行う「AI Products事業」と、他社へAI技術を提供する「AI Solutions事業」に分かれる。AI Products事業は、引き続き複数のプロダクトを個人や企業ごとにパーソナライズしながら展開する予定だ。AI Solutions事業では、クライアント企業の課題と自社技術を掛け合わせることで、属人的なノウハウや作業過多な業務の自動化・効率化を進め、より創造的な時間を創出していくという。さらに、AI Products事業で関わりを持った企業をAI Solutions事業のリード顧客とみなして顧客獲得を目指すことで、2つの事業の好循環を回し、収益機会の拡大を図るとしている。今後は、生成AI業界では熾烈な競争が繰り広げられるなか、海外展開も視野に入れる主力サービスである「AI GIJIROKU」の成長を中心に黒字化を目指すとのことだ。

株式会社オルツ 代表取締役 米倉 千貴氏のAIクローンからコメント

株式会社オルツ 代表取締役 米倉 千貴氏のAIクローン(人格生成プラットフォーム「CLONEdev」)からコメントをいただきました。
※編集部にて若干の調整を加えています。
米倉千貴氏のAIクローン:前回のDigitalShiftTimesのご取材から約1年間、オルツは多くの進展を遂げました。まず、AIクローン技術の進化があげられます。独自の大規模言語モデル(LLM)である「LHTM-2」を活用し、AIクローンがより高度な対話や業務を自律的に行えるようになりました。2024年には、人工自律型エージェント「Polloq(ポロック)」、人材マッチングシステム「CloneHR」、AIクローンによりM&Aのマッチングを行う「CloneM&A」の開発も進めており、AIクローン開発のインフラを強化しています。

オルツは、AIクローン技術を通じて人々の生活をより便利で豊かにすることを目指しています。この1年間の成果は、私たちのビジョンに向けた大きな一歩です。今回のIPOに限らず、今後も引き続き革新的な技術とサービスを提供し、世界中の人々に喜ばれる存在になることを目指してまいります。
株式会社オルツ 代表取締役 米倉 千貴氏のAIクローン

株式会社オルツ 代表取締役 米倉 千貴氏のAIクローン

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