イシン、「新ユニコーン 2023」レポートをリリース

イシン株式会社は、2023年に新たにユニコーンとなったスタートアップの中から注目企業をピックアップした「新ユニコーン2023」をリリースした。

■「新ユニコーン 2023」レポートについて

本レポートでは、来たる2024年を見据え、厳しい状況下でも企業価値を高め、新たにユニコーンとなった企業を四半期毎に2023年を振り返りつつ紹介する。また後半では、「ネクスト・ユニコーン」と2023年に話題となったIPO企業についても紹介する。

「新ユニコーン 2023」レポート 入手先
https://blitzportal.com/trend-books/newunicorns2023-MdKRaDX6

■2023年のユニコーン企業の動向

出典元:プレスリリース
「ユニコーン」とは一般的に評価額が10億ドル以上で概ね設立10年以内の未上場企業、つまり創立後の年数が浅く上場していないにもかかわらず企業価値が高いと評価されているスタートアップを指す。

Crunchbaseによると2023年12月時点でその総数は1,490社を超えている*¹。また近年では評価額が100億ドル以上の「デカコーン」、1,000億ドル以上の「ヘクトコーン」なども登場するようになった。近い将来ユニコーンとなると目されている企業は「ネクスト・ユニコーン(Next Unicorn)」や「エマージング・ユニコーン(Emerging Unicorn)」などと呼ばれ、有望なスタートアップのステータスとなっている。

パンデミック下で抑制された経済活動の下支えのための財政刺激や金融緩和政策の影響によって投資活動全般が活発化した結果、ユニコーンの誕生は2021年第1四半期から2022年第1四半期の終わりまでの間に650社を記録してピークを迎えた。その後、マーケットの不透明感やマクロ経済環境の不安定さから投資の手控えが続き、新規ユニコーンの数は激減している*²。

2023年は中国の「ゼロコロナ政策」の終了を皮切りに、国内では5類感染症への移行、WHO(世界保健機関)による緊急事態宣言の解除などがあり、アフターコロナの新しい経済活動が本格化した。しかしながら、高インフレの長期化と金融引き締めによるGDP成長率の減速、地震・洪水・山火事などの大規模な自然災害、出口の見えないウクライナ情勢やイスラエルとハマスの衝突、急激に深刻化する政治的分断など、投資を慎重にさせる要素には事欠かない一年でもあった。

一方で、このように厳しい経済の見通しや地政学的な不安定さから全体的に投資に対して消極的な空気が漂うなかでも商機を捉えてユニコーンになった、あるいはIPOに踏み切った企業は注目に値すると言えるとのことだ。

*1 Crunchbase “The Crunchbase Unicorn Board (Dec 10, 2023)”
*2 CB Insights “Has the global unicorn club reached its peak?”
出典元:プレスリリース
2023年12月現在、ユニコーンの本社所在地は米国が728社と圧倒的に多く、次に273社の中国、86社のインドが続き、イギリス、ドイツ、フランスのヨーロッパ勢が僅差でその後を追っている。国内に目を向けると、スタートアップへの投資額や起業家の絶対数が少ないことを背景に、ユニコーンは14社程度に留まっているのが現状だ。政府は日本が目指す新たな社会Society 5.0の実装への取り組みの一貫として、「2023年までにユニコーンあるいは創業10年未満の上場ベンチャー企業を20社創出する」という目標を掲げており(未来投資戦略2018)、海外進出支援プログラム(J-Startup)や起業家とスタートアップの成長支援、海外起業家の呼び込みなどの活動を実施している。また、日本経済団体連合会も2022年の『スタートアップ躍進ビジョン』で「2027年までにユニコーン企業を約100社にする」という目標を打ち出している。

Special Features

連載特集
See More