【ECサイト運営の業務効率に関する調査】ECサイト運営者の87.9%が業務自動化を希望するも、費用面が最大の障壁
2024/12/23
~業界の特性が反映された自動化ニーズが明らかに~
■調査結果サマリー
・自動化を望む業務は業界特性に応じて異なる傾向が見られた。
・半数以上の回答者が「注文処理や管理業務」において、長時間労働で人手不足を補っていることが明らかとなった。
・自動化支援において最も求められるのは「具体的なツールやソフトウェアの提案」(44.8%)で、次いで「コスト削減プラン」(44.6%)であった。
・業務自動化を進める上での最大の障壁は「費用」であり、50%を超える回答者がこれを挙げた。
■背景
エートゥジェイは、ECサイト運営者が直面している現状と、自動化ツールの導入状況およびその障壁を把握するためにアンケート調査を実施した。本調査の目的は、EC事業者がどのような方法で業務効率を向上させているのか、具体的な取り組みや課題を明らかにすることである。この調査結果をもとに、ECサイト運営者が直面する課題の解決策を提供し、業務のさらなる効率化と発展を支援することを目指している。
■調査結果
ECサイト運営にかかわる業務の自動化を希望するかを尋ねたところ、87.9%の運営者が業務の自動化を希望していることが分かった。
ECサイト運営にて「時間がかかっていること」、「人手が不足していること」のそれぞれの結果の上位3位までをピックアップしたところ、事業者が直面する課題は「時間がかかる業務」と「人手が不足している業務」で明確に区別できることが分かった。例えば、注文処理やデータ分析といった業務は時間がかかる一方で、カスタマーサポートやマーケティングなどは人手が不足しているため、対処方法を変えていく必要がある。
ECサイト運営者が自動化を望む業務として「注文処理と管理」、「在庫管理」、「データ分析とレポート作成」が上位に挙げられた。これらの業務は、手動で行うと時間と労力がかかり、人的ミスのリスクも高まるため、自動化による効率化が強く求められていると考えられる。
アパレル業界では「在庫管理」が40%を超える割合で自動化の対象として挙げられた。季節ごとに取り扱う商品が大きく変わり、トレンドの変動にも対応する必要があるため、在庫管理が非常に複雑かつ重要な業務となっている。適切な在庫管理を行うことで、売れ残りや欠品を防ぎ、ビジネスの効率化と利益の最大化を図るために自動化が求められている。
電子機器業界では「データ分析とレポート作成」が40%を超える割合で自動化を希望されており、これはSKUが多いにもかかわらず購買頻度が低いため、データの蓄積が遅く、顧客関係管理(CRM)を効果的に運用することが難しいことが原因と考えられる。データ分析とレポート作成の自動化により、効率的にデータを処理し、より迅速に市場動向や顧客のニーズを把握することが可能となる。
ECサイト運営者が自動化にあたり支援が欲しいと感じている業務は「具体的なツールやソフトウェアの提案」であり、次いで「コスト削減プラン」が挙げられた。事業者は、売上の最大化とともにコストの最小化を目指し、ツールやコストの最適化を求めていることが読み取れる。
多くの事業者は様々な業務でツールを活用し、人手を補っていることが分かる。しかし、「商品登録と更新」と「注文処理と管理」は細かい作業が多く、頻繁に発生する業務で、ツールでは賄いきれず長時間労働にならざるを得ない状況であることが分かった。
ECサイト運営者が業務自動化を進める上で直面している主要な障壁として、「費用」と「人員および時間のリソース」が挙げられた。約半数の回答者がこれらの要因を障壁と感じていることから、自動化ツールの導入に対する経済的および人的負担が大きな課題であることが明らかとなった。