ネットスコープ、国内のサイバー脅威の調査結果を発表 日本企業はクラウドの悪用によるマルウェアの脅威に直面している
2024/4/17
Microsoft Copilotなど、AIを搭載したアプリの使用が、他の地域と比較して2倍以上であることが明らかに
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日本の企業は、近年急速にデジタルトランスフォーメーションを推進し、その過程でチームや部門を横断したビジネスクラウドソリューションの導入を加速している。この進展は、業務の効率化とイノベーションの促進に寄与しているが、同時にクラウドコンピューティング環境は、悪意ある攻撃者からの攻撃の標的となっている。本調査は、日本のクラウド利用の最新動向やマルウェアの傾向を詳細に分析し、企業が直面する脅威の多様性に対処するための実用的な戦略を提案している。
■概要
・他の地域と比べ、日本ではマイクロソフトのCopilotなどAIを搭載したアプリケーションの利用率が特に高い(日本18%、他の地域7.8%)。
・日本はマルウェアの配布にクラウドアプリケーションが悪用される割合において、他の地域と比べて高い(日本59%、他の地域53%)。
・Microsoft OneDriveとSharePointが攻撃者によってマルウェアの配布元として最も多く悪用されており、Boxも日本を標的とする脅威アクターに多く利用されている。
・日本をターゲットしたマルウェアとランサムウェアの中で最も多く検知されていたのは、リモートアクセス型トロイの木馬「NjRat」、トロイの木馬「ModernLoader」、情報窃取型マルウェア「Azorult」であることが判明。
■最も利用されているクラウドアプリのランキングにCopilotが登場
■日本はマルウェアの配布にクラウドアプリケーションが悪用される割合で世界1位を記録
Netskope Threat Labsの責任者であるRay Canzanese氏は、調査結果について次のように述べている。「日本の調査では、組織がセキュリティ戦略を立てる際に、注意すべき地域的な違いがいくつか特定されました。IDC『Domestic Public Cloud Service Market Forecast, 2022-2026』によると、日本のクラウドの採用率は18%以上増加すると予測されています。脅威アクターは、日本で急速に進むクラウド化において、クラウドセキュリティがクラウドの普及に追いついていないという前提のもと、従来のウェブ攻撃方法の一部をクラウドに切り替えています。AIアプリの日本における非常に高い人気もデータに現れており、これらのアプリを介して、日本の組織を対象としたマルウェアおよび攻撃数が増加する可能性が非常に高いと見られます」
Canzanese氏はさらに次のように述べている。「このデータは、組織がリスクを真剣に受け止め、ウェブ、クラウド、プライベートアプリ、AIツールなど、すべての潜在的な攻撃対象に効果的な統合セキュリティプログラムとポリシーを設けることが重要であることを示しています。MicrosoftやGoogleなどの信頼されたアプリケーションから送受信されるトラフィックも、完全に検査されるべきです。なぜなら脅威アクターもまた、私たちと全く同じアプリを使用しているのです」