<ビジネスシーンにおける生成AIの実態調査>企業における生成AIの「日常的な利用」は約4割未満 幅広い用途の中でも「社内情報を活用」できると利用者は7割まで上昇
2024/4/19
自然言語処理技術を活用した情報収集/分析SaaS「A Series」を提供するストックマーク株式会社は、製造業に従事する先進的な取り組みに関心をお持ちの従業員339名に「製造業における生成AIの活用とセキュリティ状況」に関するアンケート調査を実施した。
・企業における生成AIの導入状況は約7割と日を追うごとに増加傾向
・生成AIを導入している企業の内、5割以上が対話型の生成AIサービスが導入されている
・導入が進む一方で、導入済みの企業で生成AIを日常的に活用は4割にも満たない
・社内情報の活用が可能な生成AIツールが導入されていると日常的な活用が約7割まで向上
・社内情報の管理方法はクラウドストレージが主流になりつつある一方で
半数以上の回答者がクラウド活用におけるセキュリティチェック項目が負荷に感じている
調査の結果、「自社に生成AIサービスの導入状況」について「既に導入済み」と答えた回答者は67%にのぼりった。一方で「既に導入済み」と答えた回答者への「生成AIツールのご利用頻度」に関する問いでは「1日に2回以上の利用」「1日1回程度の利用」を合わせて35%と、生成AIは導入しているが利用者は少なく、高頻度で利用する回答者は21%と、生成AIが導入されていてもビジネスシーンにおける利用定着に関しては、未だ課題として残っていることが判明した。
また「導入済みの生成AIサービス」という問いには、約52%の回答者が「対話型の生成AIサービス」と回答したものの、続くステップである「生成AIツールが社内ポータル等の自社システムへ組み込まれている」と答えた回答者は約18%、「生成AIツールで社内情報まで探すことが出来る」の回答者も約8%に留まる※1など、既に生成AIを導入している企業でも、比較的軽微な活用で業務での本格活用には至っていないケースが多いことが分かった。
※1:重複回答を含むパーセンテージ
しかしながら「既に導入済み」の回答者の中でも「導入済みの生成AIサービス」が「社内情報まで探すことができる」と答えた回答者は、「生成AIツールのご利用頻度」に関する問いに対して約7割が「1日1回以上の利用」と回答し、膨大な社内情報を生成AIにより活用できることにより、業務への活用頻度が大幅に向上することを示唆する結果となっている。
社内情報の活用が、ビジネスシーンにおける重要な要素と示唆している中、社内情報の管理方法はクラウドストレージの導入が浸透しており、利用にあたって社内申請プロセスやセキュリティチェックも各社浸透していることが分かった一方で、回答者の約54%が、定められた社内申請プロセスやセキュリティ項目に「手続きや社内調整にかかる時間や負担が大きい」などの理由により、高い抵抗感を持っていることが分かった。
■調査概要
・実施期間:2024年3月5日〜2024年3年15日
・実施対象:製造業に従事する先進的な取り組みに関心をお持ちの従業員を対象とした339名
・実施方法:メール配信によるオンラインアンケート
【本調査に関するレポート資料は下記よりダウンロード頂けます】
https://stockmark.co.jp/product/anews/documents/202404-generativeai-report
この結果は、これまで生成AIの導入状況について、各社発表された調査結果と比較しても高い数字あり、ビジネスシーンの中でも製造業における生成AI導入の動きは特に活発であることがわかる。
一方で、「社内情報との連携」「特定業務に特化した生成AI適用」といったより高度な活用まで進んでいる企業は少数であり、業務での本格活用はこれからであることが明らかになった。
また、生成AIを日常的に活用しているが、1日に複数回活用するような積極的な活用層は約21%と、生成AIが導入されていてもビジネスシーンにおける利用定着に関しては、未だ課題として残っていることがわかった。
しかしながら、半数以上の回答者が定められた社内申請プロセスやセキュリティチェック項目に対して「抵抗感が高い(ハードルや負荷が高い)」と回答し、その理由を「手続きや社内調整にかかる時間や負担が大きい」と回答しており、セキュリティ関連の社内手続きに負担を感じる社員の声は多いことがわかった。