生成AIによるディープフェイク対策を強化、本人確認での新たな不正手口に対応

~累計5,000万件以上の本人確認実績をもとに開発する画像認識技術と、生成AI技術の知見で実現~

ELEMENTSグループの株式会社Liquidは、この度、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」において、生成AIなどによるディープフェイク対策を強化する。Liquidは以前より、累計5,000万件以上の本人確認実績をもとに開発する画像認識技術でディープフェイク対策のための機能を提供しているが、昨今の新たな不正手口にも対抗する新機能を開発した。本機能は「LIQUID eKYC」を導入する全事業者に無償で適用され、自動でディープフェイク対策が強化される。ディープフェイクによる不正を効果的に検知することで、安全なオンライン取引や詐欺防止などにつながる。

■背景:ディープフェイクによる新たな不正手口が出現

近年、高精度な生成AIが普及し、誰でも簡単に画像や動画などのコンテンツを作成できるようになっている。一方で、本人確認の場面において、生成AIを悪用した偽の画像や動画「ディープフェイク」を使ったなりすまし不正の手口が確認されている。これは、不正な口座開設、携帯電話契約、マッチングアプリのアカウント開設などを通じて、マネー・ローンダリング、携帯電話の乗っ取りによる銀行口座からの不正出金やクレジットカード不正利用、ロマンス詐欺といった犯罪につながる恐れがある。
一方で、ディープフェイクを使った不正の手口は多様化している。これまでは、偽の画像や動画をスマホやディスプレイに投影するなどのアナログな手口が多く見られた。最近では、IT技術を駆使し偽の画像や動画をWebサイトやネイティブアプリに潜り込ませるデジタルな手口が発生している。Liquidはこれまでアナログな手口に対して、ユーザーが撮影した正面の顔画像のみから、追加動作は不要で、本人がリアルタイムに撮影したものかを確認するパッシブ判定機能※1を提供してきたが、デジタルな不正手口にも対応するため、今回の対策強化に至った。
※1「LIQUID eKYC」に顔認証時のなりすましを防止する新判定機能を搭載(パッシブ判定機能)
https://liquidinc.asia/2023-05-31/

■画像認識技術と生成AI技術の知見によるディープフェイク対策について

「LIQUID eKYC」は、本人確認書類の撮影もしくはICチップの読み取りを行い、自撮りの顔写真との照合を行う方式や、公的個人認証(JPKI)を活用した方式により本人確認をオンラインで完結するサービスである。Liquidは、サービス開始当初から、コアとなる画像認識技術の研究を行うR&Dチームを設置している。画像認識技術の抜本的な改善を研究開発から行っており、累計5,000万件以上の本人確認実績を背景に、顔の偽造判定力向上や、AIによる撮影画像の品質判定精度向上などに日々取り組んでいる。スマホ端末で顔認証を利用する際のフラッシュ判定による偽造検知システムは特許出願中である。(特許出願2020-173696)

また、ELEMENTSグループでは、ファッションEC企業向け画像生成AIツール「SugeKae」を提供し、ECサイトで自然にみえる商品画像を生成するための開発を行うなど、生成AI技術も既に商品化・実用化しており、画像認識技術と同様、グループ全体の技術的な強みとなっている。これらの技術を背景に、昨今の生成AIによる不正手口の傾向を分析し、ディープフェイクを含む、デジタルでのなりすまし攻撃全般を判定する新機能を開発した。

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