Today's PICK UP

Z世代のモバイル消費行動をまとめたレポートが発表される 日本はゲームの利用時間が長く消費支出も多い結果に

モバイル市場データプラットフォーム を提供する App Annieは、Z世代(ジェネレーションZ)と呼ばれる若年層の各国での市場動向、モバイルでの消費行動をまとめたレポートを発表した。

Z世代とは

2019年現在、16歳から24歳の世代を総称してZ世代と呼ぶ。生まれたときからインターネット環境が普及しているデジタルネイティブな世代のことだ。最も若い世代であるZ世代は、2019年末までにひとつ上のミレニアル世代を超えて最も人口の多い世代となり、世界人口のおよそ32%を占めると見られている。こうした層が今後社会に進出し、購買力もさらに拡大していくため、企業にとって将来の顧客を育てるという意味でもZ世代との繋がりや顧客理解が必要不可欠になっている。

Z世代のモバイルでの動向に着目するべき理由

Z世代は、ミレニアル世代やこれまでの世代を対象にする場合とは異なり、”所有”より”利用”に価値を置いているため、企業は良い製品やサービスを提供する以上の取り組みを求められると考えられる。さらに企業は、Z世代が可処分時間の中で多くを割いているモバイルのデータから、彼らの行動や趣味嗜好などを理解し、適切なチャネルでアプローチする必要がある。

日本のZ世代のゲーム利用時間は、世界平均の2倍超

日本のゲームユーザーは利用時間が長いだけでなく、ゲームアプリのアクセス回数が世界平均より80%多くなっている。これは、日本のモバイル市場が成熟化していることを示しているという。さらに2019年上半期の時点で、日本は米国よりはるかに人口が少ないにも関わらず、ゲームアプリの消費支出が米国に次いで世界で2番目だ。日本の成熟したゲーム市場において、アプリパブリッシャーがZ世代のエンゲージメントを獲得するためには、新しいクリエイティブな方法を見つけ出して自社アプリを差別化する必要があるとのことだ。

世界のZ世代を知るためのジャンル毎の人気アプリとTips

■ソーシャル&コミュニケーションアプリはZ世代の日常に欠かせないジャンル
ソーシャルメディアとともに成長してきたZ世代は、モバイルを日常生活の中で欠かせないものとして位置付けている。中でも「Instagram」においては、メインアカウントとは別で、プライベートな内容を投稿する『フィンスタ(フェイク・インスタグラムの意味)』というアカウントを利用している。「Snapchat」や「Instagram」の他に、友達と質問を交わしあえるQ&Aアプリ「YOLO」などのソーシャルメディアが人気を博しているのも、プライベート性が高く短期間で投稿が消えるという理由が関係しているようだ。
このグラフにおいての利用が最も多いアプリではないが、米国で流行している「YOLO」は、各市場でランキングトップを獲得している「Snapchat」と統合した。既存の人気アプリのネットワーク効果を活用するという手法が勢いを獲得し、爆発的な人気を集めており、Z世代へのエンゲージを獲得するための成功事例であると言える。
■ショッピングアプリはZ世代のニーズを満たすアプリが人気
オーストラリア、ブラジル、英国、米国の4つの市場でZ世代から人気の高いアプリは「Wish」というアプリだ。Amazonなどの競合アプリと異なり、「Wish」は価格のみにフォーカスしており、その点がZ世代より人気を集めている要因と言える。Z世代の多くはまだ社会に進出しておらず、配達日時を遅らせる代わりに、商品を割引価格で購入することを好んでいると言えそうだ。Z世代を惹きつけるためにマーケティング、小売価格の戦略を強化しており、その成果がこのグラフから読み取れる。小売業界は、「Wish」をベンチマークとすることで、モバイルでのZ世代の購買ニーズを満たす方法を検討するヒントが見つかるかもしれない。
■ファイナンスは各国でも遅れをとっており、Z世代にエンゲージするチャンス
ファイナンスアプリは、Z世代の利用が多いアプリはほとんどなく、多くの市場で自国のアプリがトップを占めている。韓国では、「Toss」というアプリを除いてZ世代にリーチしているファイナンスアプリは他にないとのことだ。「Toss」は、「Samsung Pay」などと並んで韓国でメジャーな電子決済アプリ。シンプルな個人間送金アプリとしてスタートしたが、複数の金融サービス・プロバイダーのクレジット、ローン、保険、投資商品を扱うアプリに成長した。他市場の競合アプリは、この成功事例を参考に、ファイナンスアプリでZ世代にエンゲージできるチャンスがあると言える。

人気の記事

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

全ての日本企業のデジタルシフトを掲げたデジタルホールディングス。「広告事業の売上は追わない」構造改革の真意に田中道昭教授が迫る

全ての日本企業のデジタルシフトを掲げたデジタルホールディングス。「広告事業の売上は追わない」構造改革の真意に田中道昭教授が迫る

社会環境・ビジネス環境が激変する中、全ての産業でデジタルシフト、DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が叫ばれています。今回は、2020年7月1日に社名変更を行い、広告代理店からデジタルシフト支援事業を中核に構造改革を行うデジタルホールディングス グループCEO 野内 敦氏に、立教大学ビジネススクール田中道昭教授が対談形式でお話を伺います。 前編では、改革後初めての通期決算についての分析と考察、従来の体制から生まれ変わるための企業文化変革と事業戦略についてお話します。