第1期となる今回は95件の応募があり、書類審査やピッチ大会(審査)を経て、株式会社バカンを含む9件(社)が採択された。採択された企業は、本事業の支援を受けながら、9月初旬には第1タームの実証実験を開始。12月の成果報告会などの後に第2タームの実証実験を開始し、2021年3月下旬に最終報告会が行われる。
今回株式会社バカンは、オフィスや商業施設のトイレに設置することで、混雑抑制のほか個室内への広告配信も行える「VACAN AirKnock Ads(エアーノック アッズ)」の実証実験を提案した。AirKnock Adsは、トイレ個室ドアなどに設置したセンサーによってトイレのリアルタイム混雑状況を可視化。さらに個室内壁面に設置したタブレットに可視化した混雑状況を表示したり、個室利用開始直後などに30秒程度の動画広告(無音声)を表示したりするサービス。トイレ個室からの退出を自主的に促すとともに、混雑発生を助長しない範囲でパーソナルな環境への広告配信を行う。
東京の経済の持続的な発展のためには、イノベーションを継続的に生み出していくことが求められている。そのイノベーションのエンジンとなるスタートアップが事業を実現していくにあたり、仮説検証や社会実装の検証を行うことは不可欠である一方、その機会・リソースに乏しく、成長の機会を逃していることも少なくない。そこで「スタートアップ実証実験促進事業 (PoC Ground Tokyo)」では、革新的なビジネスアイデアを有し、新たなビジネス領域で大きな成長を志向するスタートアップのニーズに合わせて、仮説検証や社会実装の検証等に向けた実証実験を効果的にサポートすることで、スタートアップの成長を着実に支援することを目的としている。