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ABBYY、企業のDX推進プロジェクトの成功要因を探るグローバル調査を実施

ABBYYジャパン株式会社は、米国、英国、フランス、ドイツ、日本の1,208人(日本:202人)のIT意思決定者を対象に、企業のDX推進を成功と失敗に導く行動の特定に関するグローバル調査を実施したと発表した。

■グローバル調査の概要

本調査は、世界各国における企業での自動化・DXプロジェクトの成功・失敗の実態を把握し、導入プロジェクトで留意すべきことを明らかにすることを目的に実施した。まず、調査結果から、新型コロナウイルス感染拡大により、IT担当の意思決定者の98%が過去2年以内にオートメーション技術を導入したことがわかった。この間、意思決定者の行動には「人材第一」でオートメーション技術を導入するという変化が見られた。グローバル全体の傾向としては、RPAへの投資は少なく、IDP/AI OCRやプロセスマイニングを含むプロセスオートメーション技術が最も多く導入されていた。オートメーションによるDX推進に成功したと考える回答者の割合は、過去にRPAだけを使用していたときはわずか30%~50%だったのに対し、89%に達した。

一方、日本の調査結果は、金融や製造業を中心にRPA(36%)の導入が最も多く、IDP/AI OCRとプロセスマイニングを含むプロセスオートメーション技術の導入は低い傾向にあった。また、オートメーションによるDX推進に成功したと考える回答者の割合は73%と5カ国の中で最も低くなっている。

他国と日本の調査結果の比較から、成功の要因のひとつとして、IDP/AI OCRやプロセスマイニングを含むプロセス・オートメーション技術の導入があると考えられるという。

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業がデジタル技術の導入計画を3~7年も早め、IT意思決定者の45%が過去2年間に3~4件のオートメーションプロジェクトを実行している。その理由としては、顧客の需要、ビジネスの生き残り、市場における多大な可能性などが考えられるという。しかし、オートメーション技術の導入が成功した理由としては、明らかに「人材第一」の意思決定が大きな役割を果たしている。これは、コロナ禍や新しい技術の導入がもはやビジネスだけの問題ではなく、人に関する問題になりつつあるからとのことだ。

ITリーダーが投資を決定した理由についての回答は、以下の通りだ。
・リモート勤務に備えるため:48%(日本:36%)
・ハイブリッド勤務に備えるため:47%(日本:36%)
・従業員の極度の疲労を防ぐため:35%(日本:27%)
・導入してほしいという従業員の要望:20% (日本:17%)

これは大きな状況の変化だという。ほとんどの企業でリモート勤務が一般的になり、不満を持つ従業員が「大退職時代」を引き起こし、ワークライフバランスが優先事項となった。さらにMcKinseyのレポートによれば、企業の技術投資に見合うだけの従業員のスキルが必要であり、従業員のデジタルスキルへの投資は必須事項となっている。
出典元:プレスリリース

■自動化プロジェクト導入成功の主な要因はIT、財務、業務部門への技術導入。一方日本は財務部門への導入がグローバルに比べ大幅に低い

IT意思決定者の30%は、最も投資利益が高くなると予想される部門を自動化したと回答した。この結果、IT(59%)、財務(37%)、業務(29%)に最も技術が導入されている。IDP/AI OCR(44%)とプロセス/タスクオートメーション(43%)の2つが過去2年間で最も多く導入され、RPA(32%)は最も導入されなかった。また、これらの部門を自動化した主な理由は、最も必要だったから(34%)であり、明らかに技術はそのニーズを満たしている。一方、日本はIT(53%)、業務(30%)は導入が進んでいるが、財務部門への導入が17%と、グローバル平均(37%)に比べて大幅に低いことが明らかになった。これは未だに紙の契約書や請求書に押印する業務プロセスが多く存在し、Excel処理や業務の属人化など、日本企業独自の文化が影響しているものと考えられるという。

意思決定者はインテリジェントオートメーションテクノロジーを強く信頼し、失敗の兆候があってもプロジェクトの中止を嫌う。意思決定者の62%は2倍の投資利益を期待し、43%の意思決定層は達成したと回答するなど、大半は成功を収めている。プロジェクトの導入前には、56%が効率の向上、54%が生産性の向上を期待していた。

日本では、意思決定者の66%は2倍の投資効果を期待し、46%がそれを達成したと回答している。これはグローバル平均と近い数字になっているが、「自動化の取り組みが期待通りの成果をあげたか」という質問に対して、向上されたと答えたのは65%にとどまっており、5カ国でも最低となっている(グローバル平均:84%)。「何も変化がなかった」と答えたのは日本では27%であり、これはグローバル平均13%の倍となっている。日本では、投資効果に対する期待値と達成率はグローバル平均と同等であるにもかかわらず、パフォーマンスが向上されたと思っている人が少ないことが明らかになった。

■日本企業における自動化プロジェクト導入失敗の主な要因は「自動化の目的が曖昧」

オートメーションプロジェクトの失敗に関しては、グローバル全体の結果として、人に起因する要素がある。技術導入の理由が人材第一だったにもかかわらず、企業はリモートワーカー(29%)と従業員のトレーニング不足(23%)を2つの失敗の最大の要因として挙げている。現在、人材は意思決定プロセスの重要な要素だが、意思決定者と、技術を利用する現場従業員の間にはまだ溝がある。意思決定者は必ずしも技術に詳しい訳ではない。プロジェクトが失敗したときに原因を把握するには、新しい技術への投資に加え、使い勝手の良いローコード/ノーコードソリューションや従業員トレーニングへの投資も必要だ。日本の失敗の要因として特徴的だったのは、自動化の目的が曖昧(27%)であったことだ。次いで、従業員のトレーニング不足(24%)、導入が性急過ぎた(24%)を挙げている。

オートメーションプロジェクトが失敗した後の対処は重要だが、人に関する要素、特に資質や性格に応じた対処が必要な場合もある。この調査では、最高責任者レベルの幹部がオートメーションプロジェクトの意思決定の中心となることが確認された。CEOの60%、CTOの63%は自身を外向的な性格と認識しており、典型的な自信家のリーダーとして率先して困難に挑み、オートメーション・プロジェクトを成功させていることがわかったとのことだ。

■IT意思決定者の性格や思考パターンも、プロジェクトの成功可否に大きな影響を与える可能性も

調査では、内向的、外向的な性格が、失敗後の決定に影響を与えていることがわかった。たとえばプロジェクトが成功しなかった場合、外向的な意思決定者の42%は社外の専門家を招くことを選び、内向的な意思決定者の42%は技術を差し替えることを選んでいる。興味深いことに、リーダーがプロジェクトの失敗を気付き、非効率的なオートメーション・プロジェクトを利用し続ける(83%)のは約1年かかる場合もある。しかしプロジェクトの早期にその判断を下すのは、外向的な意思決定者が14%であるのに対し、内向的な意思決定者は28%だ。さらにIT意思決定者の46%は、3カ月以内に失敗を判断し、驚くことに10人に1人(9%)は何も手を打っていないとのことだ。日本では3カ月以内に失敗を判断したIT意思決定者は27%だった。もっとも多いのは6カ月以内の43%であり、また、何も手を打たなかったのは12%とグローバル平均9%よりも高い結果が出ている。失敗の判断について、日本は他国に比べて遅い傾向にあることが明らかになったとのことだ。無駄になった技術投資は「ゾンビ」技術と呼ばれる。これは、従業員と企業の両方にとってオートメーションプロジェクトを成功させるには、プロジェクトを開始する前に、プロセスや従業員のシステム利用方法を理解することの重要性を示しているとのことだ。

調査方法
本調査は、ABBYYが委託しSapio Research社が2022年3月に実施した。英国、米国、フランス、ドイツ、日本のIT意思決定者1,208人を対象に、自社がどの分野のオートメーション・プロジェクトに投資したか、なぜ技術を導入したか、行動がプロジェクトの成功にどう影響したかを聞いた。

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