ABBYY、企業のDX推進プロジェクトの成功要因を探るグローバル調査を実施
2022/6/21
ABBYYジャパン株式会社は、米国、英国、フランス、ドイツ、日本の1,208人(日本:202人)のIT意思決定者を対象に、企業のDX推進を成功と失敗に導く行動の特定に関するグローバル調査を実施したと発表した。
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■グローバル調査の概要
一方、日本の調査結果は、金融や製造業を中心にRPA(36%)の導入が最も多く、IDP/AI OCRとプロセスマイニングを含むプロセスオートメーション技術の導入は低い傾向にあった。また、オートメーションによるDX推進に成功したと考える回答者の割合は73%と5カ国の中で最も低くなっている。
他国と日本の調査結果の比較から、成功の要因のひとつとして、IDP/AI OCRやプロセスマイニングを含むプロセス・オートメーション技術の導入があると考えられるという。
新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業がデジタル技術の導入計画を3~7年も早め、IT意思決定者の45%が過去2年間に3~4件のオートメーションプロジェクトを実行している。その理由としては、顧客の需要、ビジネスの生き残り、市場における多大な可能性などが考えられるという。しかし、オートメーション技術の導入が成功した理由としては、明らかに「人材第一」の意思決定が大きな役割を果たしている。これは、コロナ禍や新しい技術の導入がもはやビジネスだけの問題ではなく、人に関する問題になりつつあるからとのことだ。
ITリーダーが投資を決定した理由についての回答は、以下の通りだ。
・リモート勤務に備えるため:48%(日本:36%)
・ハイブリッド勤務に備えるため:47%(日本:36%)
・従業員の極度の疲労を防ぐため:35%(日本:27%)
・導入してほしいという従業員の要望:20% (日本:17%)
これは大きな状況の変化だという。ほとんどの企業でリモート勤務が一般的になり、不満を持つ従業員が「大退職時代」を引き起こし、ワークライフバランスが優先事項となった。さらにMcKinseyのレポートによれば、企業の技術投資に見合うだけの従業員のスキルが必要であり、従業員のデジタルスキルへの投資は必須事項となっている。
■自動化プロジェクト導入成功の主な要因はIT、財務、業務部門への技術導入。一方日本は財務部門への導入がグローバルに比べ大幅に低い
意思決定者はインテリジェントオートメーションテクノロジーを強く信頼し、失敗の兆候があってもプロジェクトの中止を嫌う。意思決定者の62%は2倍の投資利益を期待し、43%の意思決定層は達成したと回答するなど、大半は成功を収めている。プロジェクトの導入前には、56%が効率の向上、54%が生産性の向上を期待していた。
日本では、意思決定者の66%は2倍の投資効果を期待し、46%がそれを達成したと回答している。これはグローバル平均と近い数字になっているが、「自動化の取り組みが期待通りの成果をあげたか」という質問に対して、向上されたと答えたのは65%にとどまっており、5カ国でも最低となっている(グローバル平均:84%)。「何も変化がなかった」と答えたのは日本では27%であり、これはグローバル平均13%の倍となっている。日本では、投資効果に対する期待値と達成率はグローバル平均と同等であるにもかかわらず、パフォーマンスが向上されたと思っている人が少ないことが明らかになった。
■日本企業における自動化プロジェクト導入失敗の主な要因は「自動化の目的が曖昧」
オートメーションプロジェクトが失敗した後の対処は重要だが、人に関する要素、特に資質や性格に応じた対処が必要な場合もある。この調査では、最高責任者レベルの幹部がオートメーションプロジェクトの意思決定の中心となることが確認された。CEOの60%、CTOの63%は自身を外向的な性格と認識しており、典型的な自信家のリーダーとして率先して困難に挑み、オートメーション・プロジェクトを成功させていることがわかったとのことだ。
■IT意思決定者の性格や思考パターンも、プロジェクトの成功可否に大きな影響を与える可能性も
調査方法
本調査は、ABBYYが委託しSapio Research社が2022年3月に実施した。英国、米国、フランス、ドイツ、日本のIT意思決定者1,208人を対象に、自社がどの分野のオートメーション・プロジェクトに投資したか、なぜ技術を導入したか、行動がプロジェクトの成功にどう影響したかを聞いた。