ゲノム編集技術を利用して開発された「高成長ヒラメ」、厚生労働省・農林水産省への届出が完了

リージョナルフィッシュ株式会社は、2023年12月25日、ゲノム編集技術を利用して作出した「高成長ヒラメ」について、厚生労働省と農林水産省への届出を完了したと発表した。

■開発の背景・目的

日本の養殖業は、飼料の主原料である魚粉生産の9割以上を輸入に依存しており、円安や地政学的リスクによる飼料価格の高騰が問題になっているという。そのような社会情勢を背景に、高成長ヒラメのような飼料の利用効率がよく、高成長な養殖魚を作出することで、効率的かつサスティナブルな養殖を実現し、日本の水産業及び地域の産業振興に貢献することを目指すとのことだ。
出典元:プレスリリース
「高成長ヒラメ」は、新しい品種改良技術「ゲノム編集技術」の利用により飼料の利用効率及び成長率が改善されたヒラメだ。食欲抑制ホルモン「レプチン」の受容体である「レプチン受容体遺伝子」の働きをゲノム編集により機能欠損させることで、食欲が増進し高成長を促す。

両省への届出手続では、今回のゲノム編集は、遺伝子組換えではなく自然界でも起こり得る変化であること、食品としての安全性が従来の食品と同程度であること(オフターゲットや有害物質の産生が認められない)、生物多様性に悪影響を及ぼすものではないことが確認されているとのことだ。

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