本検知システムは、アプライドの独自開発による検知システムの設計支援、およびオリジナルの解析用コンピューターを使用している。また、AI を用いた外観検査システムの提供は MENOU、アニサキス検査装置化などの技術提供は株式会社アイエムパックからの提供とのこと。
日本では刺身などの生食文化により、生魚に潜むアニサキスによる食中毒被害が多く、厚労省発表の「食中毒統計資料」では、2019年から2023年までの5カ年内で発生した食中毒の内およそ半数の45.8%が寄生虫による食中毒であることがわかっている。また、同資料から2013年から2023年の10年間でのアニサキスによる食中毒被害件数は、1番少なかった2014年時の79件から2022年には7倍の566件に増加していることが報告されている。この急激な増加は、昨今の輸送技術の向上によって、魚を冷凍せずに全国に輸送することが可能となり、アニサキスが生きたまま運ばれるようになったことが原因と考えられている。また、これまでのアニサキス検査は、人による目視検査が主だったため、すべてのアニサキスを検出・排除をすることができず、日本では年間を通し食中毒被害が発生し続けている状況だ。
検査AI MENOUは、これまで人が行っていた目視検査をAIを用いて自動化する。アニサキスが付着している生魚の画像数枚から、熟練検査員の暗黙知やノウハウを検査AIに学習させることが可能だ。これにより人の行っている高度な検査を自動化し、業務負担の軽減による省人化と人による検査精度のバラつきをなくす。また、検査AIは、特徴を捉えることに優れており、形状や大きさの異なる寄生虫や、目視検査では検知が難しい微細な寄生虫も高精度で検知し、検査の効率だけではなく検査レベルを高精度で保ち、品質を守る。
・個体ごとに形状や大きさの異なる寄生虫も逃さず検出
・検査の自動化により、負担軽減と省人化を可能に
・目視検査によるバラつきを無くし、検査精度の向上と維持を実現
・顕微鏡検査などの小さい物質にも活用可能