Canva、アプリ利用10億回突破を受け、開発者プラットフォームを拡大

世界随一のオールインワンビジュアルコミュニケーションプラットフォームであるCanva（キャンバ）は本日、Canva Developersコミュニティの成長に伴い、Canvaの開発者向け年次イベント「Canva Extend 2024」にて、開発者向けの新しいアップデートを発表した。これによりCanvaは、世界で最も柔軟に拡張可能なデザインプラットフォームの構築を目指している。

サンフランシスコで開催された第2回目のイベント「Canva Extend 2024」では、複数の新しいAPIや、プレミアムアプリプログラムによる収益化の機会、そして開発者がビジネスを拡大するためのツールが紹介された。
この1年間で、Canvaの開発者コミュニティは日本を含む122か国からのメンバーを擁するほどに拡大し、現在300以上のアプリが提供されている。これらのアプリは、2023年6月のCanva Developersプログラムの開始以来、およそ10億回使用されている。開発者は、Canvaプラットフォーム上でアプリを構築することにより、1億9000万人の月間アクティブユーザーにアプリを提供することができる。ユーザーは最先端の技術にアクセスしさまざまな目標達成に向けてのサポートを受けることが可能になる。

Canvaエコシステム部門ジェネラルマネージャー兼責任者であるAnwar Haneefは次のように述べている。「私たちのビジョンは、アプリと統合を通じて最も相互運用可能な作業プラットフォームを作り、開発者にとっても価値ある体験を提供することだ。世界中の開発者とのパートナーシップにより、数百ものAIおよびデザイン機能を導入し、Canvaをこれまで以上にスケールさせている。今後も共に成長していくことを楽しみにしている」

Canva上のアプリはすでに幅広い職業や組織のユーザーに活用されており、あらゆるユーザーがコンテンツ作成をスピードアップさせ、編集作業を改善し、新しいインスピレーションを得ている。
今回のアップデートでは、Canva上で構築可能な機能が拡大され、ユーザーがアプリをより簡単に見つけられるようになった。

収益化：プレミアムアプリプログラムにより、適格な開発者はアプリにプレミアム機能を組み込むことができ、エンゲージメントに応じてその機能に対する報酬を得ることが可能。
翻訳サービス：Canvaは、開発者がグローバルなユーザー基盤とつながれるよう、アプリコンテンツの翻訳サービスを無料で提供する。

容易なアプリ検索：アプリはCanvaのテキストタブ、素材タブ、写真加工、Canvaドキュメント内などで表示され、ユーザーが自分の作業に最適なアプリを簡単に見つけられるようにしている。

新しいアプリAPI：CanvaはCanva Apps SDKを拡張し、以下の新機能を提供：
- Content Query API：アプリがテキストを読み取り、更新できるようにし、翻訳アプリ、文書AIアシスタント、ライティングアシスタントなどに対応
- Design Editing API（ベータ版）：デザインやレイアウトの自動化を容易にし、プロンプトに基づいてデザインに要素を追加・修正する機能
- Tables API：アプリがデザインに表を追加でき、コンテンツ付きの表作成をサポート
- Authentication API：アプリの認証を簡素化し、業界標準のOAuthプロトコルの実装を容易にする

これらのAPIと収益化の機会に加え、Canvaの開発者はアプリデザインや市場進出支援などの幅広いリソースへアクセスできる。
Meta社 Strategic Partnerships LeadであるCecilia LV氏は、次のように述べている。「多くのマーケターがCanvaでMetaのオーガニックまたは有料メディアアセットを作成しているため、Metaのベストプラクティスをシームレスに適用できるアプリの構築を検討していた。Meta Design Check appのデザイン、開発、市場展開におけるCanvaとの緊密な取り組みは非常に有益で、ユーザーのクリエイティブプロセスの簡素化をさらに推し進める高品質なアプリを提供することができた」

Canvaが2024年7月にLeonardo.Aiを買収したことに伴い、Leonardo.AiのAPIへのアクセスを申請し、アプリ開発のために初期クレジットを受け取ることができるようになった。
アプリや統合はCanvaによるAI戦略の中核をなすものであり、現在、Canva Apps Marketplace上にあるアプリの半数以上がAI対応である。たとえば、DeepReelではCanvaを導入した初月にユーザー登録が10倍以上に増加し、Krikey 3D AI AnimationではCanvaでアプリを公開した翌日、サイトトラフィックが23倍に増加した。

2024年6月にローンチされたCanvaコネクトAPIは、多くの組織によってCanvaを自社ワークフローに組み込むために活用されており、現在300以上のコネクトAPI統合が開発中である。
先週発表されたCanva for Salesforceは、コネクトAPIを利用した統合機能であり、カスタムデータセットを印象に残りやすいアセットに変えることができる。
営業部門は、1クリックでSalesforce からのビジネス機会に関する情報や顧客情報をCanvaのテンプレートに取り込むことができ、Salesforceから入力したデータを使ってチャートを生成することもできる。カスタムプレゼンテーションや営業資料の作成を自動化することで、営業部門は戦略と商談の成立に向けて集中できる。
Salesforceは、Amazon Ads、Meta、Google Adsのアプリに加え、Canvaを基盤とするワークプラットフォームのひとつである。コネクトAPIは、Workato、Zapier、Makeなどのクラウド統合プラットフォーム（iPaaS）とCanvaを結び付けている。

今回の発表は、2024年5月にローンチしたCanvaエンタープライズに続くものであり、企業はCanvaエンタープライズにより、チーム内でCanvaがどのように使用されるか、細かく管理することができる。新しいAPIと開発者リソースの追加により、チームは必要なデータにアクセスしやすくなるのと同時に、他のワークプレイスツールとともにCanvaを活用しやすくなる。現在、Fortune 500企業の95％がCanvaを利用しており、月間ユーザー数は1億9000万人、年間収益は23億ドルを超えている。