三重大学とNTT西日本が医療DX推進に向けた包括連携協定を締結
2024/11/5
~NTT版LLM「tsuzumi」による電子カルテ要約の実証実験を開始~
Contents
■背景・目的
電子カルテの機微なデータを扱うためにはセキュリティの高い環境が求められるが、NTT版LLM「tsuzumi」は非常に軽量なため、医療機関のネットワーク内に動作環境を置き、情報を外部へ出さない機密性の高いLLMシステムを構築することができる。
「tsuzumi」の提供および技術検証や、生成AI等を活用したDX推進支援を実施する西日本電信電話と、三重県内唯一の大学病院として、先駆的なDX医療人材の育成と地域全体のスマートホスピタル化を通じた県域の医療課題解決をめざす三重大病院が連携し、三重大病院での業務における「tsuzumi」の実用性と適用可能性の評価を実施する。
※1 LLM(大規模言語モデル、Large Language Models)とは、大量のテキストデータを使って学習された言語モデルで、言語の理解や文章の生成に優れた能力を持つ。
※2 tsuzumiは西日本電信電話版大規模言語モデルである。日本語の処理性能を重視し、独自の大量のテキストデータを使って学習された言語モデルである。
URL:https://www.rd.ntt/research/LLM_tsuzumi.html
「tsuzumi」は日本電信電話株式会社の商標である。
■実証実験の概要
2024年11月1日(金)~2025年3月31日(月)(予定)
(2)役割分担
●西日本電信電話
・「tsuzumi」の提供および環境整備
・電子カルテデータを用いた「tsuzumi」の追加学習
●三重大病院
・検証環境の提供
・医療知見の提供
・実証実験結果の業務適用可能性の評価
■実証実験の特徴
本実証の対象課題である「退院サマリ作成の効率化」は、三重大病院に限らず、他の医療機関でも恒常的に抱えている課題である。一定の効果が確認できれば、他の医療機関へのモデル展開により、医師の働き方改革という社会課題の解決への大きな貢献が期待できる。
②軽量なLLMによりセキュアな利用環境を実現
Open AI社「GPT-3」が1,750億(175B)のパラメータサイズ※3であるのに対し、70億と非常に軽量な「tsuzumi」を三重大病院内のネットワーク内に構築することで、患者の個人情報を外部へ伝送することなく、機密性の高い環境で電子カルテを要約できる。
③専門用語が含まれる電子カルテの要約
退院サマリの作成に特化したLLMを構築するための追加学習を実施し、医療業界の専門用語が含まれる電子カルテの要約精度の向上に取り組む。
※3 パラメータサイズとは、LLMの規模を示す値である。パラメータとは、モデルが学習中に獲得する知識やスキルを記憶するための変数である。
■今後の展開について
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものである。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合があるため、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いする。