誰もが活躍できる社会を目指し、あらゆる人のスキルをアップデートするリスキリング※1に取り組むため、国や地方自治体、企業など250以上の参画団体から構成する「日本リスキリングコンソーシアム」(主幹事:グーグル合同会社)は、日本リスキリングコンソーシアム会員登録者のうちエンジニア職を除く5,694名を対象に、AI学習に関する調査を実施した。
※1 リスキリング:新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する / させること。(出典: 経産省/リクルートワークス研究所)
■調査背景
日本リスキリングコンソーシアムは2022年6月に発足し、様々な企業によるトレーニングプログラムの提供や、就職支援、副業・フリーランス・アルバイトなどの幅広い就業機会の提供、スタートアップ企業による就職希望者への採用機会の提供など、パートナーシップの輪を広げることで、全国の人々が学び続ける機会を創り出している。2024年12月時点で、参画団体数は250以上、参画団体による提供プログラム数1,500以上、会員数は16万人以上にのぼる。
この度、AI人材育成を加速させるための提言をまとめた「AI人材白書」※2の発行にあたり、日本リスキリングコンソーシアム会員登録者を対象とするアンケート調査を実施した。本調査では、AI人材を「技術者や開発スキルを有するスペシャリストではなく、AI(生成AIを含む)を活用し業務において具体的な成果を上げることができる人材」と定義している。AI人材育成を取り巻く状況・課題や提言などの詳細は「AI人材白書」を参照のこと。
※2 「AI人材白書」URL:
https://bit.ly/AIRWP
■調査結果サマリー
1.AI学習のきっかけは「AI技術に興味があったから」が最多76.9%で、2位「業務の効率化が必要だと感じたから」67.7%と9.2pt差
2.「具体的な業務成果をあげられる」(=AI人材)は18.7%にとどまり、「成果はあがるが改善の余地」と「学習サポートが必要」で70%超を占める
3.“AI人材”のAI利用状況は「所属企業・組織による導入で業務に利用」63.4%、「個人的に利用」36.6%
4.“AI人材”の学習時間は「31時間以上」が最多。一方、“成果はあがるが改善の余地”の61.7%、“学習やサポートが必要”の71.1%が「20時間未満」にとどまる
5.AIスキル習得の継続ハードル、1位「時間の確保」2位「モチベーション」
6.所属企業・組織に求める支援、3位に「実務でAIスキルを活用する機会を提供」
■調査結果詳細
1. AI学習のきっかけは「AI技術に興味があったから」が76.9%、次いで「業務の効率化が必要だと感じたから」が67.7%、さらに「学習や自己成長の一環として取り組んだ」が45.4%
2. AIスキルによる成果について、「具体的な業務成果を上げることができる」と回答したのは18.7%、一方「成果を上げるためには、さらなる学習やサポートが必要」が34.5%、「ある程度の成果を上げることができるが、改善の余地がある」が39.3%
3. AI利用状況では、「業務において具体的な成果を上げることができる」と答えた人の63.4%が所属企業・組織でAIを導入・利用中、36.6%が個人的にAIを利用
4. 学習時間について、「31時間以上」を学習した人の42.8%が具体的な成果を上げられると回答、一方「20時間未満」の人は成果に改善の余地がある61.7%、さらなるサポートが必要71.1%
5. AIスキル習得の継続における主な課題は、「学習に必要な時間の確保」が52.1%、次いで「モチベーションの維持」が38.9%、続いて「実務に応用するのが難しい」と感じる人が32.3%
6. 所属企業・組織に求める支援は、「学習費用の負担」が59.8%、次いで「学習時間の確保」が53.6%、3位に「実務でAIスキルを活用する機会の提供」が40.7%