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アドテックを活用するメリットとは?具体例や注意点も知っておこう

効果的な広告運用をテクノロジーを活用して実現するアドテック。時代の変化とともにさまざまなツールが開発されているため、アドテックに関する理解を深めておくことが大切です。ここでは、アドテックの概要やサービス例を詳しく説明します。
企業のブランド力を高めたり、提供している商品やサービスをユーザーに認知してもらうために活用されている広告。近年、広告効果を高める手法として、ITツールを活用する「アドテック」が注目されています。

効果的な広告を出し続けるためには、アドテックに関する知識を身につけておくことが大切です。そこで今回は、アドテックの概要や活用するメリット、アドテックの種類や活用する際のポイントなどを、具体例を交えて詳しく説明します。

そもそもアドテックとは?

アドテックとは、「Advertising Technology」を省略した言葉で、WEB広告を出す各種媒体の掲載スペースの売買を最適化する技術のことをいいます。

WEB広告の掲載先には、WEBサイトやSNSなどさまざまな媒体がありますが、アドテックを活用すれば、ユーザーの属性や行動パターンをインターネット上で収集し、分析結果に基づいてターゲットに応じた広告の出稿ができるようになります。また、広告主とWEB媒体のマッチングを最適化させれば、広告配信を自動化・最適化させることも可能です。

インターネットやスマートフォンが普及したことによって、個々の状況に応じた広告配信が可能になっていることから、今後もアドテックを活用した広告配信をおこなう企業はさらに増えるでしょう。

アドテックを活用するメリット

アドテックを活用するメリットとして、次の3つが挙げられます。

効率的に売上を伸ばすことができる
顧客の取りこぼしを予防できる
コストを抑えた広告運用ができる

以下では、アドテックを活用するメリットを詳しく説明します。

効率的に売上を伸ばすことができる

アドテックを活用すると、ユーザー1人ひとりの行動特性にあわせた広告配信が可能になります。それによって、広告に興味を持ってもらうとともに、商品やサービスの購入につなげやすくなります。

不特定多数のユーザーを対象にして広告を配信するよりも、コストを抑えて効率的に売上増加にアプローチすることが可能です。

顧客の取りこぼしを予防できる

アドテックを活用すれば、まだ商品やサービスを知らないユーザーだけでなく、一度企業のWEBサイトにアクセスしたユーザーにターゲットを絞って広告を配信することも可能です。以前アクセスしたときは成約に至らなかったとしても、時間を空けてから広告を配信することで成約が決まる場合もあるので、顧客を取りこぼしにくくなります。

また、アドテックでは、新規顧客の開拓だけでなく、一定の条件を満たしたユーザーに絞ってアプローチすることもできます。購買歴のある顧客にターゲットを絞って広告を配信することもできるので、より高い広告効果を期待できます。

コストを抑えた広告運用ができる

広告効果を測定するための指標のひとつとして、広告を出稿するのにかかった費用に対してどれくらいの顧客を獲得できたかを表す「CPA(顧客獲得単価)」があります。

アドテックを活用して成約率が高そうなユーザーに向けて広告を出せば、CPAを下げることが可能です。CPAが低くなるほど広告のコストパフォーマンスが改善するので、それだけ費用面の改善も期待できます。

広告主に関係するアドテックの種類

WEB広告にはさまざまな分野が関わっているため、それだけアドテックの種類も多岐にわたります。アドテックは、大きく分けて次の3つに分類できます。

・広告主に関係するアドテック
・広告を掲載するメディアに関係するアドテック
・広告効果の分析に関係するアドテック

これらの種類ごとにどのようなアドテックがあるのかを知っておけば、アドテックの全体像を理解しやすくなるでしょう。まずは、広告主に関係するアドテックの種類を詳しく説明します。

DSP

DSP(Demand Side Platform)は、広告主側のプラットフォームのことで、プラットフォームを通して配信される広告のことをいいます。DSP広告を利用すれば、ターゲットとしているユーザーにピンポイントで広告を提示することが可能となります。ターゲットとするユーザーを中心として類似した属性や興味・関心を持っているユーザーに広告を届けることもできるので、さらに高い広告効果を望めます。

ただし、DSP広告を出すためには初期費用がかかる上、最低利用期間が決まっているので、ある程度のコストはかかります。

また、サービスごとに提携している配信先やデータ収集・分析のアルゴリズムも異なるため、場合によっては思ったような広告効果を得られない可能性もあります。適切なサービスを導入するために、導入前に複数のサービスを比較検討することが大切です。

リターゲティング

リターゲティングは、過去に企業のWEBサイトに訪れたことのあるユーザーを対象にして広告を表示させる方法です。一度アクセスした企業の広告が表示されるため、企業のことを思い出すきっかけになったり、「再度アクセスしてみよう」という行動を起こすことにつなげることが可能です。

ただし、同じユーザーをターゲットにして何度も広告を表示させてしまうと、かえって逆効果になってしまう危険性があります。広告表示させる回数をあらかじめ設定しておくなど、事前の対策が必要です。

広告を掲載するメディアに関係するアドテックとは?

アドテックには、広告主に関係するものだけでなく、広告を掲載するメディアに関係するものもあります。

以下では、広告を掲載するメディアに関係するアドテックを詳しく説明します。

アドネットワーク

アドネットワークは、WEBサイトやSNS、ブログなどさまざまな媒体を集約して広告ネットワークをつくり、そのネットワークにまとめて広告を配信させる手法です。複数の媒体に一斉に広告を掲載させられるので、より広告効果を高めやすくなります。

アドネットワークの業者に広告掲載を依頼すれば、掲載にかかる手間を抑えられるのもよいところです。広告掲載にかかる業務を効率化できるので、その分の資源をほかの業務に回すことができるようになります。

アドエクスチェンジ

アドエクスチェンジは、広告を掲載するWEB媒体とアドネットワークが、複数の広告枠を交換する仕組みです。バナーサイズや容量、広告配信フォーマットや課金形態を変えることなくアドネットワークを統一化させられるので、費用を抑えて高い広告効果を期待できます。

対応すべき媒体やWEBサイトなどアドネットワークが増えるほど管理が難しくなりますが、アドエクスチェンジでアドネットワークを束ねることによって、より効率的に広告配信を管理できるのが大きなメリットでしょう。

SSP

SSP(Supply Side Platform)は、WEB広告の収益化を最大化させることを目的としたツール。WEB媒体の運営者は、広告枠をどのような広告主にいくらで売りたいかを事前に設定しておくことで、収益性が高い広告を自動で配信できるようになります。

WEBサイト運営者側にかかるコストを抑えることも可能です。また、WEBサイトにアクセスするユーザー情報や広告枠の管理などの業務を一括管理できるので、手間を抑えながら効率的に進めることができます。

広告効果の分析に関係するアドテックの種類

アドテックは広告掲載や管理だけでなく、広告効果の分析に活用することも可能です。

以下では、広告効果の分析に関係するアドテックの種類を詳しく説明します。

広告効果計測サービス

広告効果計測サービスは、WEBサイトにどれだけ集客効果があったかを分析できるサービスです。利用にはある程度コストがかかりますが、広告を一元管理できるだけでなく綿密に広告効果を計測できるので、アクセス解析ツールよりも効率的にPDCAサイクルを回すことができます。

掲載する広告の種類が少ないと、広告ごとに効果を比較しにくくなるので、なるべく多様な方法で広告を出している企業に向いているサービスだといえます。

また、サービスによっては使用方法が複雑で広告担当者がうまくつかいこなせない可能性もあります。デモ版の体験や無料体験期間を設けているサービスもあるため、特に広告効果計測サービスを初めて導入する企業は、複数のサービスの使用感を試してから本格的に導入を進めるとよいでしょう。

DMP

DMP(Data Management Platform)は、WEB上に蓄積された幅広い情報を管理するプラットフォームです。

DMPを活用すれば、独自に取得した問い合わせデータや他社のツールで取得したWEBサイト内での行動履歴などのさまざまな情報を項目ごとにまとめられます。たとえば、問い合わせフォームで離脱したユーザーをターゲットにして広告を配信したり、購入履歴のあるユーザーを対象にしてキャンペーン情報を配信したりすることが可能です。個別的なマーケティングを実践すれば、より効率的に成果を出せるようになるでしょう。

ただし、DMPは、さまざまな情報を管理・分析できる反面、目的を持って利用しなければプロジェクトが肥大し逆に効率性が悪くなる可能性があります。企業のプライバシーポリシーやセキュリティポリシーに基づいてデータが管理できているかを定期的に確認することが大切です。

アドテックの具体例を紹介

アドテックにもさまざまなサービスがありますが、具体的にどのようなサービスが活用されているかを知っておけば、アドテックに関する理解をさらに深められるでしょう。

以下では、アドテックの具体例を紹介します。

Google Ad Grants

Google Ad Grantsは、特定の条件を満たした慈善団体向けに提供される無料のGoogle広告プログラムです。慈善団体がおこなっている活動を世界に向けて配信することを支援する目的があり、世界中の慈善団体に活用されています。

毎月10,000米ドル分の広告を無料で掲載できることから、費用を抑えて活動内容をアピールしたり、寄付を集めたりできるのも特徴です。どの検索ワードが入力されたら広告を掲載させるかなどの設定もできるので、関心のあるユーザーを効率的に集めることもできます。

ただし、Google Ad Grantsはすべての慈善団体が利用できるわけではありません。特定非営利団体法人として認定を受けていることや、病院や健康管理団体、学校や保育所などの団体ではないこと、十分なコンテンツを含む公開中のWEBサイトがあることなど、いくつかの条件を満たさなければ広告を掲載できないので、事前に利用資格を確認しておきましょう。

NPO法人OVA

NPO法人OVAは、アドテックを活用して自殺のリスクが高い人に対してピンポイントで広告を配信しています。自殺に関するキーワードで検索をおこなうユーザーに対して相談を促すことで、地域での生活サポートにつなげられられるのが特徴です。

商品やサービスの購入を促す広告だけでなく、身近に相談できる人がいないユーザーに対して必要なサポートを提供することも、アドテックの有効な活用方法です。

アドテックをうまく活用するコツとは?

さまざまな分野で活用されているアドテックですが、利用方法によっては想定していた効果を得られなかったり、思わぬトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。アドテックをうまく活用するコツとして、次の3つが挙げられます。

ユーザーが魅力を感じる広告を出す
適切な広告設定をおこなう必要がある
ブランド毀損に気をつける

以下では、うまくアドテックを活用するコツについて詳しく説明します。

ユーザーが魅力を感じる広告を出す

1つ目は、ユーザーが魅力を感じる広告を出すことです。ユーザが不快に感じる内容では広告効果は得にくくなります。特に、特定のユーザーに焦点を当てて広告を配信するターゲット広告では、ターゲットユーザーが魅力を感じる広告である必要性が高まります。

また、どれだけ魅力的な広告であっても、繰り返し表示させるとユーザーに不快感を与えてしまうかもしれません。どのように広告するか、ユーザー目線で考えることが大切です。

適切な広告設定をおこなう必要がある

2つ目は、適切な広告設定をおこなうことです。広告の配信先には検索エンジンやWEBサイト、SNSなどさまざまな場所があるため、適切な広告設定をおこなっていれば成約に結びつけやすくなるでしょう。

また、広範囲のユーザーを対象に広告を配信したいのであれば「コンテンツターゲティング広告」を、特定の条件を満たすユーザーに対して広告を配信したいのであれば「オーディエンスターゲティング」を選ぶなど、目的ごとに配信方法を変えることも大切です。ほかにも配信方法はたくさんあるため、それぞれの特徴を理解したうえで企業に適した手法を選べるようにしておきましょう。

ブランド毀損に気をつける

3つ目は、ブランド毀損に気をつけることです。WEB広告は広告の掲載先が多岐にわたるため、場合によっては意図しない媒体に広告が表示されてしまい、ブランドイメージを下げてしまう危険性があります。

具体的には、火災によって住宅が全焼したというニュースのページにリフォーム会社の広告を表示させたり、自動車のリコールに関する情報を掲載しているページに中古車販売の広告を表示させるといったことが挙げられます。このような掲載方法で企業のブランドイメージを損なわないよう、アドベリフィケーションなどのツールで対策しましょう。一定の条件を満たしたときにしか広告を表示させないようにするなどの対策をとることが重要です。

まとめ

アドテックの概要や種類、具体的なアドテックのサービス例や導入時の注意点などを説明しました。

WEB広告に関するテクノロジーや市場は短期間で変化するため、時代の変化によって適切な広告配信を考えたり、変化に柔軟に対応できるツールを導入することも大切です。ここで説明した内容は参考にして、アドテックをうまく活用して広告効果を高められるようにしておきましょう。

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