スマートグラスで何ができる?特徴やARグラスとの違いを解説!

Apple Vision Pro(※)によって、注目を増すスマートグラス。

スマートグラスはメガネ型のデバイスで、装着するとレンズがディスプレイも兼ねているため、実際に見ている光景にインターネットで取得した動画やメッセージ、資料ファイルなど、さまざまな情報を重ねて表示することができます。
2024年2月現在国内で発売されているスマートグラスはマイクやスピーカーだけを内蔵している2万円程度のものや、OSやCPU、メモリを搭載している30万円程度のハイエンドクラスまで種類は様々。

今後、そんなスマートグラスの登場によって解説していきます。
※Apple Vision Pro:Appleが開発した初の空間コンピュータ

スマートグラスの特徴

メールを読んだり、資料のファイルを確認したり、動画を視聴するといった作業自体は、パソコンやスマホ、タブレットでもできます。こうしたデバイスとスマートグラスとの最大の違いは「手を使わずに」閲覧や操作が可能だという点です。つまり両手が自由になるので、作業を行いながら、同時に閲覧や情報の検索ができるということです。

「Alexa」や「GoogleHome」を利用している人なら、手が空くことによる快適さをよく理解できるのではないでしょうか。

スマートグラスでできること

スマートグラスでできることがあれば、どんなことが可能になるでしょうか? 製品によって異なりますが、代表的な機能を解説します。

AR情報を見ること

AR情報を見ること

たとえば、名所や遺跡など観光スポットに訪れた際に、ゆかりや歴史を知りたくなると思います。そんなときはスマートグラスで観光スポットにまつわる情報を検索し、知識を得ながら巡るといったこともできるようになります。もし海外の観光スポットだとしたら、解説文をスマートグラスで取り込むことで、翻訳することもできます。このようにスマートグラスを装着することで、目の前にある景色に情報を追加することができます。

地図とナビゲーションが可能

住所を調べて、スマホを片手にマップを見ながら、移動することがあります。それでも十分に便利ですが、いちいち手元に視線を落とす必要があります。スマホ画面を注視しすぎて、壁や電信柱にぶつかりそうになったことはないでしょうか? スマートグラスなら、視線の先に地図表示を出し、行き先までのルートを確認しながら、移動することができます。音声入力が基本なので、住所を声に出し、ルート検索。そのまま目的地に向かって、歩いて行けるので、地図とナビゲーションを簡単に利用することができます。

通話機能

マイクとスピーカーが搭載されたスマートグラスなら、移動中に電話がかかってきたとき、スマホを取り出すことなく、そのまま通話をはじめることができます。雑踏でも音声が聞こえやすいよう、骨伝導スピーカーを搭載したモデルも開発されており、作業音が響くような製造現場や工場といった声が届きにくい場所でも問題なくコミュニケーションを取ることができます。

音楽再生機能

最近はデバイスに保存せず、ストリーミングサービスで音楽を聴く人も増えています。またスマホからBluetoothでヘッドフォンに音楽を飛ばして、試聴している人もいます。スマートグラスにも音楽再生機能が搭載されているため、同様の使い方をすることができます。

写真や動画の撮影

スマートグラスにはカメラが搭載されています。そのため、リアルタイムで自分が見ている視野と同じ風景の動画や写真を撮影することができます。カメラを手に持って撮影していると、どこにカメラが向いているのか、いちいち確認する必要がありますが、スマートグラスなら目で対象物を目で追うだけでよく、画角を確認する必要もありません。

動画の視聴が可能

スマートグラスのディスプレイに動画を映せば、そのまま動画を再生することができます。動画はスマホやPCから再生し、それをスマートグラスで見るという使い方になります。スマートグラスをかけるだけで動画が見ることができるため、場所にとらわれず、視聴ができます。

画面共有機能搭載

スマホやPCとスマートグラスを接続し、スマートグラスのカメラで撮影した映像をインターネット経由で誰かと共有することも可能です。大容量のデータを送受信できる環境にいれば、たとえば遠隔地にいる専門医のアドバイスを受けながら手術を行なったり、工事現場の作業状況を本社に送信し、確認してもらいながら、具体的な指示を受けることも想定できます。こうした画面を共有する機能は主にビジネス用途での需要があり、開発が進められています。

人の健康状態をチェック

たとえば、センサーを患者に取り付け、健康状態をモニタリングし、そのデータを医師が装着しているスマートグラスに転送すれば、カルテなどを確認しながら、患者の健康状態を把握することができ、便利です。

翻訳

音声をリアルタイムで翻訳できるサービスの精度も高まっていると言われています。そのためスマートグラスと連動させれば、マイクで音声を拾い、翻訳用のサーバーに転送することでその場で会話を翻訳することもできるようになるでしょう。また文字の翻訳なら、すでにかなりの精度で使えるようになっています。同様にスマートグラスのカメラで撮影し、瞬時に翻訳した内容を字幕として表示することができます。観光地でのガイドや外国人とのビジネス商談などで需要があるはずです。

スマートグラスとARグラスの違い

スマートグラスとARグラスに定義上の違いはなく、メーカーによって意味合いも多少異なります。一般的には、スマートグラスという大きなくくりの中で、AR機能を持つものをARグラスということが多いです。

スマートグラスと銘打って発売されているものは健康モニタリングやアクティビティの機能をアピールしている物が多く、ARグラスと銘打って発売されているものは現実世界にモニターが浮かび上がって見えるような、みなさんがイメージする「いわゆる」なAR機能を持ちます。

スマートグラス普及のための課題

Google社はプライバシー侵害の論争からGoogle Glassの開発を一時中断したあと、企業向けの製品として開発を再開しました。そして2019年にはGlass Enterprise Edition2として販売されています。つまり技術的には製品化されているものの、なかなか日常的に装着している人はいません。

こうした普及への問題点は、スマートグラスの認知度が低く、奇異な目で見られるため使用が恥ずかしいということもあります。また、企業向けが中心なことからも分かるように、まだ価格が高く、大金をはたいて購入するほどには一般の消費者にとって魅力的ではないという点が挙げられます。

さまざまな機能が利用できるスマートグラス

使用している様子だけを見れば、遠い未来のテクノロジーのように思えるスマートグラスですが、主な機能はすでに開発されています。まだ普及しておらず、価格が高いままですが、量産化されれば、低価格の製品が登場することも期待できます。スマホやスマートウォッチに続く新しいデバイスになる日も遠くないかもしれません。

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