無人のピザ配送すでに開始! グーグルやソフトバンク、トヨタも出資の自動運転テクノロジー企業「Nuro」〜海外ユニコーンウォッチ #7〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてはFacebookやTwitterも、そう称されていた。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は配送用の自動運転車を開発する「Nuro(ニューロ)」を紹介する。

元グーグルのエンジニア二人が起ち上げた、自動運転テクノロジー企業「Nuro」

2016年、Nuroはジアジュン・ジウ氏とデイブ・ファーガソン氏によって創業された。本社はアメリカ・シリコンバレーだ。二人はロボット工学や機械学習を専門にしており、元々はグーグルの自動運転車プロジェクトに参画していた。

Nuroは、人ではなく荷物を運ぶことに特化した自動運転車を開発している。買い物などの移動に多くの時間が割かれていることに着目したのだ。「いつでも、どこでも、なんでも」無人で配送できれば、人々が有効活用できる時間を大幅に増やすことが可能になると考え、配送用の自動運転車の開発を進めている。Nuroの車両は、一般的な車と同じく公道での走行が想定されており、州によってはすでに公道走行の許可を得ているという。

Nuroにはいくつかの日本企業も注目している。ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2019年2月、9億4,000万ドルを出資。さらに2021年3月には、トヨタの投資ファンド「Woven Capital」が第一号投資案件としてNuroに出資したと発表した。Nuroの直近の資金調達は2021年11月。シリーズDラウンドとして6億ドルの調達を発表した。その際、ファーガソン氏は「この投資で商業化戦略を加速させ、Nuroの技術でよりよい日々の生活が可能になる」と意気込みを語っている。

ドミノ・ピザ、ウォルマート、FedEx。続々と提携を発表

2018年12月、Nuroはアリゾナ州で一般向けに無人配送サービスを開始した。これを皮切りに、大手企業との提携など矢継ぎ早に事業を拡大している。2019年6月にドミノ・ピザと、自動運転車を活用しピザを配達するための提携を発表。さらに2019年12月、ウォルマートとの提携を発表した。2020年から新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか、自動運転車を活用した「非接触」の配送サービスを開始。2021年6月にはFedExとの提携を発表し、小荷物の配送事業へ参入した。そして2021年12月、セブンイレブンと提携し、カリフォルニア初の自律配送サービスを導入すると発表した。

このように、実用化に向け次々と事業を展開するNuroだが、一方で、新たな取り組みであるからこそ、受け取られ方には気を配っている。セブンイレブンとの提携を発表した際、ジウ氏は「これは新しい技術および車両タイプであるため、人々への我々のサービスの伝え方が本当に重要だと理解しています」という趣旨の内容を述べた。車両に関して説明する際は、安全性を強調し、規則や規制の順守もアピールしている。Nuroが開発する自動運転車は、人ではなく荷物を運ぶことに焦点を当てているため、乗用車より小型になっている。これは意図的なもので、小型にすることで機敏な動きができるとともに、歩行者の死亡事故を防ぐなど、走行中のNuroの周囲への安全を配慮した結果とのことだ。

安全性を最優先した最新モデル「第3世代」発表

Nuroは2022年1月に「第3世代」となる自動運転の電気自動車を最新モデルとして発表している。第3世代は、第2世代の2倍の貨物量で、より多くのものを運び、より多くの配送を可能にしているという。第3世代の発表の際にも「これまでもこれからも最優先事項だ」としている安全性については、歩行者などとの万が一の衝突に備え、衝撃を抑えるエアバッグを付けることができる仕様となっている。また、温かいものから冷たいものまで配送できるよう冷暖房も可能だ。

さらに、Nuroは同月から、すべての車両の充電と設備に再生可能エネルギーを使用すると発表。再生可能エネルギーの発電量が全米上位であるテキサス州の風力発電所からのエネルギーを利用する。さらに、サステナビリティやESGに関する取り組みと今後の計画をまとめたレポートを公開した。レポートのなかでは、「我々は、サステナビリティに対して有意義な影響を与えるサービスを提供し、ビジネスのなかで改善へのアクションを起こすことを目指します」と言及しており、サステナビリティに積極的な姿勢を見せている。Nuroは自動運転や電気自動車といった最先端のテクノロジーを活用しながら持続可能な事業を志しており、まさに次世代を担う企業として期待されている。

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