老舗パンメーカー神戸屋の変革。自社のパンを売らないサブスクサービスを展開〜DXビフォーアフター #1〜
2024/11/6
2018年に経済産業省がデジタルを活用するための専門チームを設立し、民間企業にも推進を呼びかけたことで「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が急速に普及しました。今では日本全体でDXの必要性が叫ばれるようになっています。
しかし、言葉だけが先行し、あらためて「DXとはどういう意味か」と尋ねられると回答に困る方も少なくないかもしれません。DXとは、単にデジタルを導入するだけでなく、デジタルを活用したうえで新たな価値を創出することを指し、そのためにもビジネスモデルや企業文化を変革することが重要となります。このような本質的な「DX」は、まだ前例が少なく、自社に置き換えてイメージすることは難しいかもしれません。
「DXビフォーアフター」では、1つの企業の「DX」前後の業態を比較し、DXを実現した事例を解説します。今回取り上げる企業は、パン・洋菓子の製造販売やレストランの運営などを手掛ける「株式会社神戸屋」です。
1918年創業、老舗パンメーカー神戸屋
同社のパン職人は、フランスで4年に一度開催される、世界中のパン職人が技術を競う大会「ベーカリーワールドカップ(クープ・デュ・モンド)」に日本代表として出場し、総合優勝したことがあるほどの実力です。直営のレストランやベーカリーを運営するほか、冷凍技術を磨くことでスーパーマーケットやコーヒーショップなど専門の職人が不在の店舗でも高品質なパンを提供しています。
神戸屋が、全国の人気ベーカリーのパンを販売。サブスクサービス「毎月PANDA!」とは
神戸屋はこのサービスにより、パンの製造・販売という従来のビジネスモデルから、プラットフォームという新たな立場でのビジネスモデルへと変革を果たしました。老舗パンメーカーとして培った美味しいパンを見極める力と冷凍技術に、サブスクリプションという新奇性を組み合わせることで、プラットフォーマービジネスという新たなサービスを生み出し、「DX」を成し遂げたのです。
「毎月PANDA!」と提携するベーカリーは随時追加され、今後も増加していく予定とのことです。厳選された日本全国のベーカリーのパンを食べられる便利さと楽しさを提供することで、今後もユーザーの拡大を目指します。