緊急事態宣言後のインターネット動画視聴の分析結果が公開 2~3月に比べると通信速度は5割低下、応答時間は2.4倍に増大

一般社団法人 WebDINO Japanは、有志の調査協力ユーザーによる計測データを基に、動画配信の実利用時の品質データを分析・公開し、ネットワーク資源の有効活用と品質向上に役立てる調査研究プロジェクト「Web VideoMark (ウェブ・ビデオマーク)」に取り組んでいる。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の影響によるデータ通信量の急増を受け、2020年2月から5月のゴールデンウィーク明け (5/10) 迄の期間を対象としたネットワーク通信品質の変化に関する分析結果を公開した。

Web VideoMark プロジェクトは、国やISPによる調査が行われているインターネットの総トラフィック量の視点ではなく、実際に利用するユーザー環境で動画視聴時のネットワークや動画再生の体感品質を計測・分析するものだ。今回の調査では、政府による緊急事態宣言が発令された 2020年4月以降とそれ以前の2~3月との比較を行った。その結果、通信速度 (YouTube 等の動画配信 CDN サーバからの動画ファイルのダウンロード時スループット) は 2割から5割低下、サーバーの応答時間は1.5倍~2.4倍に増大という結果が見られた。

■ 通信速度が2~3月に比べ4月は2割、5月は5割低下

2~3月と比較し、政府による緊急事態宣言が発令された4月以降は、YouTubeなどの動画配信サービスのCDNサーバーから動画ファイルをダウンロードする際の通信速度が大きく低下した。緊急事態宣言が全国展開された4月16日から数日経過した20日前後からゴールデンウィーク後の週末まで継続して通信速度が低下しており、2~3月の平均に比べ4月は24%、5月(1日まで)は47%低い速度が観測された。
出典元:プレスリリース
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■ 応答時間が 2~3月に比べ4月は1.5倍、5月は2.4倍に増大

通信速度と同様に、サーバーとの応答時間についても4月中旬に大きく増大しており、2~3月の平均に比べ4月は53%、5月(10日まで)は144%長い時間が観測された。
出典元:プレスリリース
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調査結果の詳細はこちらに公開されている。

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