ロボットを活用した「コロナ対策ソリューション」が展開へ 職場や施設での感染リスク低減と省人化・自動化の実現を目指す
2020/5/25
株式会社QBIT Roboticsは、新型コロナウイルスの脅威が続く中、最先端の画像処理・IoT・ロボット技術などを用い、職場・施設における安心安全な環境整備と生産性向上を同時に実現させる「コロナ対策ソリューション」を展開する。また、2020年5月25日(月)より本ソリューションのうち「自動搬送ロボット」及び「アームロボット・搬送ロボット連携ソリューション」を販売開始する。
QBITでは、これまで多くのロボット活用サービス開発や導入支援を行ってきた。その経験を活かし、センサー・IoT技術、画像処理技術、ロボットによる非接触・省人化ノウハウを用いて、本ソリューションを展開する運びとなったとのことだ。
・QBITコロナ対策ソリューション
■室内自動走行ソリューション
3つのトレイを利用して無人で物資を運搬する。従来の搬送ロボットとは異なり、床面のガイドテープやマーカーの埋め込みなど面倒な施工は不要。位置マーカーを天井に貼るだけの簡単な施工で、搬送ルートの途中に、人がいたり障害物があったりしても自動回避する。1回の搬送で最大3箇所に立ち寄り物資を搬送し、元の場所へ自動的に戻ってくる。人と人との直接的な接触を避けた非接触搬送を行え、感染リスクの低減と省人化を同時に実現する。
海外では、病院内の感染者ゾーン内で医療従事者の感染リスクを低減させるために、人の代わりに食料や薬や書類の搬送に利用され、感染者対応病院を中心に約300箇所へ導入されている。医療・介護現場だけでなく、レストランでの料理の配膳、通常オフィスでの飲料提供、書類回覧、事務用品配布などでも活用できる。
自動搬送ロボットのトレイの代わりに、紫外線ランプと消毒スプレーのタンク及び噴霧器を搭載した自動走行可能なウイルス除染ロボット。1部屋15分程度の紫外線照射でウイルスのDNAを破壊し不活性化する。15リットルの消毒スプレータンクを載せ、床に付着したウイルスを消毒可能。6時間の充電で8時間以上、指定された場所を自動巡回できる。人とロボットによるダブル除染や、人手による除染の拭き残しをロボットがカバーするなど、除染の徹底化を実現。本システムは主に医療機関での利用を想定しており、価格は従来型の同種製品の1/3程度となる。
自動搬送ロボットのトレイの代わりに、消毒スプレーのタンク及び噴霧器を登載した自動走行可能な消毒液噴霧ロボット。主に、オフィス・商業施設・公共機関などでの利用が想定されている。
■画像処理・センサーソリューション
AIと画像解析技術を用い、5m先からでも非接触で複数人を瞬時で検温し、発熱者を検出するとともに、マスク装着の有無も見分け、事前顔写真登録済の個人別にデータ記録。あらゆる施設での入館時の水際対策に有効。
画像解析とIoT技術を用い、所定場所の状況と、手洗い実施の有無などの遠隔監視を実現。現場にはカメラまたは各種検知センサーなどを設置するだけで、密集度や換気状態を把握したり、手洗い励行度合い(個人別の手順や手洗い時間など)を把握できる。基準値と異なる場合にはアラート音を発したり、アラート通知送信も可能、監視員は遠隔地から感染リスクなく、安全に現場状況を確認できる。感染リスク低減と省人化による環境構築を可能にする。
■非接触・省人化ソリューション
QBITでは、カフェロボットやロボット居酒屋など、ロボットによる無人化調理システムを開発・運用してきた。これらのロボットシステムは人が調理を行うのではなく、ロボットが調理を行うため、従来システムでも感染リスクを低減する感染リスク対策を施した店舗と言えるが、今回オーダー箇所と飲食物の提供箇所の「非接触化」をさらに強化。タッチパネルによるオーダーの代わりに、スマートスピーカーやコミュニケーションロボットを経由した音声などによる非接触な方法で、オーダーができるようにした。また、提供箇所では、複数の人が同じ部分を触らない工夫も施している。
感染者がいる病院や療養施設で、自動搬送ロボットを使い食料や薬を搬送させる場合、現在は医療従事者が防護服を来て食料や薬を搬送ロボットへ載せ、食後の食器や服薬後のゴミを搬送ロボットから回収している。もし、アームロボットが医療従事者に変わり、荷物の積み込みと廃棄物の回収を行うことができれば、医療従事者の感染リスクをさらに低減できる。
この社会課題に早急に対応するため、QBITでは独自開発のロボットサービス簡易記述言語をバージョンアップし、アームロボットと搬送ロボットが容易に連携作業できるよう機能拡張した。また、この簡易記述言語はアームロボットや搬送ロボットのメーカーや機種に依存せず、様々なアームロボットと搬送ロボットの組合せで利用できる。利用シーンは医療機関に限らず、例えば、レストランで調理から配膳までをロボットのみで対応したり、オフィスビルで事務用品や書類などを自動的に配布することも可能。