ゼロワ株式会社は、東北大学の研究から生まれた独自の分散コンピューティング技術を用いた非中央集権型のデータ連携・活用プラットフォームの提供に取り組む大学発のベンチャー企業。リアルエステートオンライン株式会社(以下、REO社)、LasTrust株式会社、及びゼロワ社は、不動産流通におけるDXの進展へ向けたブロックチェーン技術の有効活用を目指し、 業務提携を締結した。その一環として、国土交通省が推奨する既存住宅インスペクションのための「インスペクションブロックチェーン証明書」発行サービスの実現を目的とする実証実験を開始する。
本実証実験は、REO社が提供する不動産インスペクション証明書を、LasTrust社の提供するブロックチェーン証明SaaS「CloudCerts」で電子化し、運用・管理するというもの。東北大学の個人データ保護/活用研究チームも、分散コンピューティング技術の知見を提供し、不動産トレーサビリティのさらなる価値創造を目指す。
実証実験サービス:インスペクションブロックチェーン証明書サービス
対象:REO社取扱物件のインスペクション証明書
期間:2020年9月より2カ月間(予定)
・REO社が発行するインスペクション証明書をデジタル化
・改ざん防止(ブロックチェーンの特性)
・スマホ、PCで簡単にクラウド管理
・インスペクション証明書の取り消し、再送付
・1物件に対する複数回のインスペクション証明
・タイムスタンプ(発行履歴の記録)
・複数の不動産物件保有者のインスペクション証明書の管理
インスペクション証明書に限らず、あらゆる証明書のデジタル化でブロックチェーン技術を利用するメリットがあるという。例えば紙の証明書には、原本性を維持するために「ハンコの押印」の有無や、「透かし技術を利用した特殊紙」など、アナログな資源とコスト、手間が発生している。一方、JPGやPDFといった画像ファイルでデジタル化した場合は、印刷費や郵送費の削減は可能だが、ソフトで簡単に編集(改ざん)ができてしまうため、原本として利用できるシーンに限りがある。しかしブロックチェーン証明書は、分散台帳技術に裏打ちされた「耐改ざん性」、分散ネットワーク(パブリックブロックチェーン)に記録することによる「原本の長期保管」、プラットフォームなどの環境に依存しない「アクセシビリティ」、そして、他サービスへの「接続性」に優れているため、証明書をセキュアにデジタル化できるだけでなく、ブロックチェーン証明書を基盤にしたDXの取り組みを実現できるとのことだ。