オリンパス、AIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェアを提供へ
2021/1/27
オリンパス株式会社は、大腸の超拡大内視鏡画像をAIで解析し、検査中にリアルタイムで腫瘍や浸潤がんを高精度に判別することで医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-Plus(エンドブレインプラス)」を2021年2月5日から国内で発売すると発表した。
■主な特長
2. 超拡大内視鏡との組合せにより高精度に医師の診断をサポート
3. 「EndoBRAIN-EYE」「EndoBRAIN」との併用により、AIが大腸内視鏡診断を包括的に支援
■開発の背景
■主な特長の詳細
超拡大内視鏡Endocytoで撮影された大腸内視鏡画像をAIが解析し、判別結果(非腫瘍・腺腫・浸潤がんの可能性)を数値で表示する。判別結果は通常検査で行われる内視鏡操作と連動して自動で表示されるため、特別な操作を必要とせず最適なタイミングで支援を受けることができる。判別結果はリアルタイムに表示されるため、検査中に病理診断を予測して浸潤がんを診断支援することで、内視鏡手術または外科手術のどちらの適応になるかの判断をサポートする。
本製品は染色した大腸粘膜を超拡大内視鏡で観察することで得られる細胞核などの情報をAIが解析し高精度での診断支援を行う。超拡大内視鏡で得られる画像は、病理診断と類似した画像であり、病理診断に匹敵する診断精度が報告されている。通常の内視鏡観察は、病変にレンズを接触させず一定の距離を保ちながら診断を行う。一方、超拡大内視鏡観察は病変にレンズを接触させて観察するのが特長だ。接触観察により、AIの解析精度のばらつきの要因である対象病変との距離、観察倍率などの観察条件を常に一定にすることで安定した診断支援が可能となり、性能評価試験では、浸潤がんの判別において感度91.8%, 特異度97.3%という高い診断精度が得られたという。
3.「EndoBRAIN-EYE」「EndoBRAIN」との併用により、AIが大腸内視鏡診断を包括的に支援
本製品は、2020年8月から発売している大腸病変の検出支援ソフトウェア「EndoBRAIN-EYE」、2019年3月から発売している大腸病変の判別支援ソフトウェア「EndoBRAIN」と組み合わせて使用することが可能だ。大腸内視鏡検査における病変の検出から治療対象となる病変の判別、治療方法の選択までの一連の工程をAIが包括的に支援することで、内視鏡検査に携わる医療従事者の負担軽減を目指す。