
北海道苫小牧市、業務効率化のために問い合わせ自動対応AIを導入する実証実験を実施
2021/6/28
ベルズシステム株式会社は、同社が開発・展開する、アシスタントAI「Roanna(ロアンナ)」が、2020年3月〜2021年2月の1年をかけ、苫小牧市自治体システム内(LGWAN)にて問い合わせ自動対応AIの導入と実証実験を行ったと発表した。
実証実験期間:2020年3月〜2021年2月(1年間)
実施自治体:北海道苫小牧市
設置場所:苫小牧市 自治体システム内(LGWAN)
導入内容:アシスタントAI「Roanna(ロアンナ)」LGWAN版による業務効率化
実証実験結果
①想定費用対効果191万円(1年間)
②「回答数」「自動化率」の改善により省力化が進み、費用対効果はさらに高まる
実証実験期間:2020年3月〜2021年2月
総質問数:5,591件
総回答数:3,107件
自動化率:55.6%
■問い合わせ自動対応AIの費用対効果について
「総回答件数×解決率÷(60÷相互間損失時間)×平均時給」にて算出を行っている。
相互間喪失時間というのは、質問する側と回答する側が消費している時間を指す。今回の場合、質問する側の所要時間8分、回答する側が回答を準備する所要時間(リサーチ時間も含む)12分と定義している。
アシスタントAI「Roanna(ロアンナ)」の実証期間中、総回答件数が3,107件、利用率は7.2%、費用対効果は約191万円という結果になった。次年度以降、アシアスタントAIとの接点を増やし、利用率を20%に高めることで532万超。利用率30%で798万超の費用対効果が出せることが明確な数値として割り出すことができるという。
また、質問回答による解決率は年間通して80.1%と高い数値となり、この数値を維持することが利用者の満足度を高めることにもつながることが分かるとのことだ。
■問い合わせ自動対応AIを活用するためのポイントは自動化率
今回の場合、導入時において、これまでのチャットボットや「検索を行う」というネットの経験から「単語や挨拶などを試しに打ち込んでみて体験してみよう」 という人もいたことで、導入時には一時的に回答数(自動化率)が落ちる減少が見られたという。その一方で、2020年6月に、質問傾向に合わせてシステムをアップデートしたことで自動化率は18.7%上昇、企業や行政のスタイルに合わせてAIを育てていくことが可能であることも証明されているという。
今後、「自動化率」を高めるためには、多くの質問数を集め、その質問に対して的確な答えを設定していくことが必要不可欠だ。予想される質問と答えを設定しておくことで、あらゆる質問の言語のゆらぎを超えて、回答を素早く提供することが可能となるとのことだ。