NTTデータ、スマートフォンカメラによるバイタル測定サービスの商用提供を開始

株式会社NTTデータは、2022年1月より、クラウド型健康管理ソリューションHealth Data Bank(ヘルスデータバンク)の新機能として、「バイタル測定サービス」の商用提供を開始すると発表した。

本サービスでは、スマートフォンカメラで顔を30秒間撮影することで、顔の動画情報から血圧、心拍数、ストレスレベル等の推定値を算出する。特別なデバイスを準備することなく、生活者の心身の健康状態を確認することができることで、利用企業(団体)の健康データを活用した取り組みの可能性を広げる。

NTTデータは、柏の葉スマートシティ(三井不動産株式会社)の生活者向けヘルスケアサービスとして本サービスを提供することを皮切りに、「企業等の従業員ストレスケア」や「健康データ利活用ビジネス」等のさまざまなユースケースに展開する予定だという。

■背景

NTTデータは、2002年より、健診結果等の健康データを収集・蓄積・分析するクラウド型健康管理ソリューションHealth Data Bankの運用を行っている。これまで企業等の従業員健康管理や健康経営、顧客の健康データに基づく商品開発等、健康データを利活用するさまざまなユースケースに提供し、顧客やパートナー事業者とのコラボレーションにより新しいサービスや技術の拡充を図ってきた。

その一環として、オープンイノベーション活動「豊洲の港から」を通じて、バイタルデータ等に関するサービスや技術を有する国内外複数のスタートアップ企業の技術・顧客反応調査を実施したところ、カナダのNuraLogix Corporationの技術が高い評価を得たという。さらに同社の技術を活用したバイタル測定サービスについて、2021年4~6月にスマートシティや食品・美容等の複数業界の企業と連携した有用性検証を実施し、2021年10月には「世界体操・新体操選手権北九州大会」にあわせて選手権会場およびイオン九州株式会社が提供したイオン会場で開催された「フレイル予防を啓発するイベントSante Gym」にて、高齢者へのプロトタイプサービスの提供を行った。このような取り組みを通じてさまざまなユースケースでの有用性が確認できたことから、本サービスの商用提供を開始することとなったとのことだ。

■バイタル測定サービスの概要

Health Data Bankの「バイタル測定サービス」では、スマートフォンやタブレットにダウンロードした「バイタル測定アプリケーション」を使用し、スマートフォンカメラ等で30秒間撮影した顔の動画情報を解析して、血圧、心拍数、ストレスレベル等のバイタルデータの推定値を算出する。

本サービスは、(1)一般に普及しているスマートフォン・タブレット等のカメラで撮影した顔の動画情報を解析して皮膚下の血管内の「血流量」を特定し、(2)「血流量」の変動を解析してバイタルデータを推定するNuraLogix Corporationの特許技術を活用している。

特別なデバイスを準備することなく、生活者が日常使用しているスマートフォン等を活用して生活者の心身の健康状態を推定することで、「生活者の日々の健康管理」や「企業の従業員ストレスケア」、「企業の健康データ利活用ビジネス」等、健康データを活用した取り組みの可能性を広げる。なお、本サービスは医療機器ではないため、医療目的(疾病の診断・治療・予防等)の使用はできない。

〔生活者の日々の健康管理〕
生活者(従業員、顧客、住民等)は、日常使用しているスマートフォンにダウンロードしたバイタル測定アプリケーションを使用し、スマートフォンカメラで顔を撮影してバイタルデータの推定値を確認する。本アプリケーションの画面上に表示されるバイタル測定結果や推移グラフを参照することで、自身の健康状態を過去の履歴とともに確認することが可能となる。

〔企業の従業員ストレスケア〕
企業等は、Health Data Bankのデータベースで管理されている従業員のバイタル測定結果およびその他の情報(ストレスチェックやパルスサーベイの結果等)より高ストレス者を抽出し、業務見直し等の改善アクションに繋げることで、ストレスケアを要する従業員の早期発見・対応が可能となる。

〔企業の健康データ利活用ビジネス〕
企業等は、Health Data Bankのデータベースで管理されている顧客等のバイタル測定結果と自社で管理している顧客情報等を本人同意の元で組み合わせて分析することで、顧客等の健康状態に応じた最適商品の提案や商品効果の確認等が可能となる。
出典元:プレスリリース

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