NECとiU、学生個人の最適な学びと新しい教育手法の提供に向けた仮想空間授業の実証実験を実施
2022/5/31
日本電気株式会社(以下、NEC)と学校法人電子学園情報経営イノベーション専門職大学(以下、iU)は、学生個人ごとの最適な学びと新しい教育手法の提供に向けて、iUのラーニング・アナリティクス研究と、NECが保有するXR技術および「NEC感情分析ソリューション」を活用した、仮想空間授業の実証実験を実施したと発表した。
Contents
■背景
このような「主体的な学び」と「対話的な学び」から「深い学び」へつなげる教育実践の中で、学生が学習に対して興味をもって参画しているのか、対話にどの程度関与しているかなどを、迅速かつ定量的に把握し、指導に活用することができれば「主体的・対話的で深い学び」を支援することができる。「主体的な学び」と「対話的な学び」から「深い学び」へつなげる教育への転換は、新しい学習指導要領でも重視されており、高等教育機関だけでなく、初等中等教育機関等、幅広い教育現場において指導方法等を充実させていく必要があるとのことだ。
■実証実験の概要
■各者の役割
教員と学生が、VRゴーグルとウェアラブルデバイスを装着して同空間にアバターとして参加し、授業を実施
取得データの有効性の評価
<NEC>
仮想空間の構築
行動データやバイタルデータの取得、分析
■取得したデータの有効性の確認
本実証を実施したiUの寺脇由紀准教授、片桐雅二教授、鎌谷修教授は、以下の評価をしている。「汎用的技能、態度・志向性、創造的思考力などの育成のために、高等教育では、学生が主体的に取り組める活動や、教員や他の学生との対話の機会を用意するといった取り組みが活発化しています。しかしながら、学生は多様であり、個々の学生の関心や意欲を引き出せているのかを把握することは難しく、その指導方法も教員の経験則に依存していました。本実証における行動データやバイタルデータからの分析は、多様な学生への適切な指導の支援となり、より進化したアクティブラーニングへ客観的な指標を与えることができるだけでなく、学生個人に適した教育や教材を提供するアダプティブラーニングへ寄与すると考えられます。また、教員自身の教育実践への振り返りとして、講義内容や教材が教師の意図した通りの効果を発揮できているか、個々の教員の教育改善へ活用できる可能性があります」