凸版印刷、真贋判定を容易にするホログラム「イルミグラム」を開発

凸版印刷株式会社は、スマートフォンのライトのような強い光を当てると、奥行きのある立体的な画像が現れる新たなホログラム「イルミグラム」を開発、2022年6月29日より提供開始すると発表した。「イルミグラム」の活用によって、誰でも簡易かつ明確な真贋判定が可能になる。

出典元:プレスリリース

■「イルミグラム」開発の背景

近年、偽造/模倣品をはじめとする知的財産侵害物品の流通は世界的に拡大を続けており、令和4年には全世界で4兆6,800億ドル(約515兆円)に達する可能性があると言われているという。偽造/模倣品が流通することで、真正品の売り上げ減少や、劣悪な品質に起因するブランド価値低下を招く恐れがある。そのような中で偽造が難しいホログラムは、本物の目印として多くの製品に活用されている。

しかし、ホログラムを活用した目視での真贋判定を行う場合、判別者によって判定基準が曖昧になってしまう場合があるため、ホログラムの見方を購入者に周知する必要があった。また、専用のフィルターやアプリを利用する真贋判定方法もあるが、事前準備が必要な点から運用に課題があったという。このような中で凸版印刷は、強い光(点光源)を当てると画像が現れるという、明確な真贋判定を可能にするホログラム「イルミグラム」を開発。偽造品の流通を防ぎたい医薬品/化粧品/高級ブランド品/機械・部品/ライセンスグッズ/金券などの用途に向けて提供を開始するとのことだ。

■「イルミグラム」の特徴

① スマートフォンだけで真贋判定が可能
蛍光灯など通常の可視光下では、画像がぼやけているが、特許取得の新たな技術により点光源が当たった時のみ立体的な画像を確認できる効果を実現した。スマートフォンのライトでも画像を浮かび上がらせることができるため、誰でも簡単かつ明確に真贋判定を行うことができる。

② 光の角度によって像を動かすことが可能
現れた立体的な画像は、光源を動かすとその動きを追従する形で動く。これによって、より直感的に真贋判定が可能になる。

③ 他のホログラムや、他の真贋判定サービスとの組み合わせが可能
「イルミグラム」は、文字や画像がはっきり視認できる一般的なホログラムと組み合わせることが可能だ。これによって高いデザイン性と、真贋判定の容易さを両立したホログラムを提供することができる。

また、凸版印刷がこれまで培ってきた、パステル調の構造色を発色するホログラム「Secure Color」や、90度回転させるとネガポジ反転する「S-White」など、既存のホログラム製造技術とも組み合わせることができ、より高い意匠性と複数の確認方法を併用することが可能になる。さらに、スマートフォンを用いてIDを読み取り、正規品かを確認できるサービス「ID-NEX」と連携することもできる。これらの組み合わせにより、高い偽造防止性能を製品に付与することが可能だ。
出典元:プレスリリース
④ 周囲の光量の影響を受けずに画像確認が可能
利用者自身が当てる光源で真贋判定をするため、薄暗い環境などでも安定して真贋判定が可能になる。

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