TIS、中国の自動運転EVスタートアップPIX Moving社と資本・業務提携

TISインテックグループのTIS株式会社は、自動運転EV(電気自動車)向けの共通シャシーを開発する中国の貴州翰凱斯智能技術有限会社(以下、PIX Moving社)と資本・業務提携したと発表した。

■背景・目的

TISは事業活動を通じた社会課題の解決の分野として「低・脱炭素化」「都市への集中・地方の衰退」「金融包摂」「健康問題」を掲げており、PIX Moving社との資本・業務提携は特に「低・脱炭素化」「都市への集中・地方の衰退」の解決に貢献する事業と考えているという。自動車のEV化や自動運転技術の進歩に伴い自動車産業が大きく転換し、ソフトウェアの重要性が高まる転換期において、PIX Moving社との提携を通じてMaaS(Mobility as a Service)、スマートシティ領域等における新たなITサービスを創出するとのことだ。

■PIX Moving社の概要とサービス・製品の特徴

PIX Moving社は中国、米国、イタリアに拠点を置く自動運転EVスタートアップ企業だ。同社はスケートボード型のEVシャシー、各種MaaS用ロボットの開発・製造、自動運転の移動空間「RoboBus」、及び有人運転EV商用車/乗用車の量産化製品を提供している。

PIX Moving社は、汎用的なEVスケートボード型シャシーの上部にレストラン、小売店、フィットネスジム、ホテル、カフェといった都市の空間を搭載して、シェア、移動、レイアウト、連携を可能にする「移動空間」というコンセプトを打ち出している。これまでに日本を含め世界20ヵ国に多種の製品を提供している。

また、レベル4の自動運転技術「PIX Rover汎用自動運転システム」を搭載するスケートボード型EVシャシーは実質的には四輪型のサービスロボットとも言え、MaaSやスマートシティ領域での様々な実用化が期待されるとのことだ。
出典元:プレスリリース

■PIX Moving社との協業

TISはグローバル戦略において最先端技術の獲得と市場への投下を重要な施策として推進しており、本提携でもPIX Moving社とTISインテックグループ各社が創り出すサービスを日本、中国、およびASEAN地域に展開する。まずは、MaaS、スマートシティ分野が拡大する中国市場において、TISと同社グループの中国現地法人の提愛斯数碼(上海)有限公司(以下、TISI上海)とPIX Moving社の3社が共同で、MaaS関連のITサービスの構築・提供を行う。先行領域として介護施設、オフィスビル、工場などを対象に、屋外で稼働するサービス型自動運転EVをPIX Moving社が開発し、屋内のロボットやビル設備も含めた統合管理をTISの複数ロボットを統合管理するプラットフォーム「RoboticBase」で実現する。これにより、例えば屋外の自動運転EVによって運ばれた荷物を屋内の配送ロボットが受け取り、施設内の利用者に渡すなど、屋内外をまたぐ、複数・異種の自動運転EV、ロボットを活用した利便性の高いサービスの提供が可能になる。また、PIX Moving社が開発する自動運転EVに、TISの強みである決済やXR(Extended Reality)等のサービスを組み合わせた新たなサービスも開発する予定とのことだ。中国で実績を積み重ね、それをもとに日本及びASEAN市場に向け関連サービスの拡大を目指す。
出典元:プレスリリース

■RoboticBaseの概要

RoboticBaseはTISが開発提供する独自サービスで、複数のサービスロボットを統合的に管理し、ロボット同士やセンサーなどの環境や人を含めた相互連携を実現するプラットフォームだ。
出典元:プレスリリース

Article Tags

Special Features

連載特集
See More