矢野経済研究所、「デジタルセラピューティクス(DTx)の普及動向調査」を実施

株式会社矢野経済研究所は、国内のデジタルセラピューティクス市場を調査し、現状や課題、参入企業動向、将来展望を明らかにしたと発表した。

出典元:プレスリリース

■調査結果概要

デジタルセラピューティクス(Digital Therapeutics、以下、DTx)は、「医療機器のうち、疾患の治療等のために患者が使用するアプリ(測定機器等の有体物と一体となったものも含む。また、医師向けアプリも含まれる)」であり、海外では特に米国において普及しつつあるという。日本においては2015年頃から開発が始まり、2020年12月に日本初のDTxが上市され、2022年9月には2製品目が上市されたとのことだ。また、2022年12月時点で1製品が医療機器製造販売承認申請中である。国産DTxを開発中の企業は2022年12月時点で30社を超えており、さらに製薬企業を中心に海外DTxの日本への導入を図る企業も複数みられるという。また、DTxを含めたSaMD(Software as a Medical Device)の制度整備に関する議論も進められている。以上のような状況から、国内では2026年以降にDTx上市が本格化し、2030年頃には普及が本格化すると予測するとのことだ。

■注目トピック

・DTxはパイプライン拡大に伴い、対象疾患やタイプが多様化
ここ数年で開発が進められているDTx製品数が急速に増加しており、対象疾患も生活習慣病や精神疾患領域のみならず、慢性疼痛や心疾患、認知症・MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)、がん(主に乳がん)など幅広くなっている。また、精神療法(認知行動療法等)に立脚したもの以外にも、食事療法や運動療法に立脚したもの、ニューロフィードバックを活用するものなど、様々なタイプのDTxが開発されているとのことだ。

調査要綱
調査期間:2022年9月~12月
調査対象:デジタルセラピューティクス参入企業
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

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