スキルアップ研究所、「リスキリングに取り組む際の課題に関する実態調査」の調査結果を発表
2024/4/9
株式会社 学研ホールディングスのグループ会社、株式会社ベンドは、運営する「スキルアップ研究所」にて、「リスキリングに取り組む際の課題に関する実態調査」を行った。
Contents
リスキリングに取り組まない理由の第1位は金銭的理由
時間的理由・学習支援の少なさもネックとなっている
社内評価・風潮も影響は大きい
リスキリングに取り組まない理由と企業の環境整備の至らない点は一致
調査結果全文はこちら:https://reskill.gakken.jp/3377
◼️調査背景
ここに潜む課題を探るべく、スキルアップ研究所では、リスキリングに取り組んでいない人々を対象に調査を行った。本調査では、リスキリングの障壁となる問題点を探り、企業の現状も踏まえながら検証している。
◼️調査結果
■リスキリングに取り組んでいない1番の理由は金銭面
また、複数回答可能とした本設問では、1人あたり平均2.26個の理由を挙げていた。つまり、リスキリングを阻む要因は単一ではなく、複数の障壁が重なっていることが示唆された。
■金銭的負担の軽減は必須要件
これらから、リスキリングにおける金銭的側面が大きな障壁となっていることが改めて明らかになった。会社による費用補助の有無が、リスキリング実施に大きな影響を与えることがこの設問から分かった。
出典:スキルアップ研究所 リスキリング時の助成金の認知・利用に関する実態調査
■企業によるリードでリスキリングは推進可能
先行調査でも現場の労働者にはリスキリングへの強い関心があることが明らかになっている。今回の調査結果を踏まえると、企業側が適切な指針を示しリスキリングを促進することが重要であることが分かる。労働者のリスキリングへの意欲は高いため、企業がうまくリードすればリスキリング推進が期待できるだろう。
出典:スキルアップ研究所 リスキリングに対する労働者の現場の声に関する調査
■リスキリングのために追加で週20時間が必要
このような状況でリスキリングに取り組むのは、心身の健康を脅かす恐れすらあるといえるのではないだろうか。
自由時間の確保がリスキリングを実施する上での大きな障壁となっていることが伺える。
個人の努力だけでこれだけの自由時間を確保することは難しい。したがって、労働者がリスキリングに専念できる環境を整備するには、働き方を見直すなど、構造的な改革が不可欠であると言える。十分な自由時間の確保なくしてはリスキリング促進は困難であり、企業を含めた社会全体での取り組みが求められている。
◼️課題と展望
リスキリングを行った従業員の約6割が、新たに得たスキルを現職で活かしていることから分かるように、企業にとってリスキリング支援は現有人材の生産性向上に直結する。残業削減や学習支援金の提供など、適切なリスキリング環境を企業側が整備することで、従業員のスキルアップ意欲が高まり、ひいては業績向上も期待できる。しかし現状の環境不足は、企業にとって大きな機会損失となっている。
リスキリング環境の改善が企業の大きな課題である。