ブランド保護強化に貢献する最先端のデジタル署名技術を実装したNFCタグICを発表

STマイクロエレクトロニクスは、最新のデジタル署名技術であるTruST25™ Edgeを実装したNFCタグIC「ST25TA-E」を発表した。同製品は、デジタル製品パスポートやブロックチェーンを採用する応用製品のセキュリティ強化に貢献する。

ST25TA-Eには、先進的な非対称鍵方式暗号エンジンで動作する、楕円曲線暗号（ECC）技術をベースにした新しいオンチップ署名技術が搭載されている。これにより、チップ（タグ）が取り付けられた製品（商品）の真正性を保証する。チップ内部と外部のデジタル署名技術を組み合わせることで、偽造やグレー･マーケット取引に対する幅広い保護を実現し、消費者との信頼構築に貢献する。

ST25TA-Eは、特にラグジュアリー･ブランド企業が求める高い基準を満たしており、デザイナーズ･ブランドの衣服やアクセサリ、美術品など、デジタル証明書を必要とする高価値製品の保護に最適だ。NFC機能搭載スマートフォンで製品に取り付けられたタグを読み取ることにより、サプライ・チェーン全体にわたり製品の流通を追跡し、個々の製品の原産地を証明・検証することが可能になる。これにより、流通経路のセキュリティ監査に貢献する。

また、強力な認証機能と内蔵のユーザ･メモリを組み合わせることで、ブランド企業は消費者ごとにカスタマイズされた体験を提供できる。消費者はスマートフォンから、タグに記録された情報に簡単にアクセスでき、ブランドのオンライン･サービスに接続して製品の所有権をセキュアに登録したり、譲渡したりすることができる。

ブロックチェーンを採用するアプリケーションでは、TruST25 Edgeに搭載されたECCベースの署名がブロックチェーン技術によってネイティブにサポートされているため、データの不変性と透明性が確保されている。

ST25TA-Eは、読取り / 書込みモードそれぞれに、パスワードによってメモリの一部や全体を保護する機能を備えている。ファイルの永久ロックによる再書込み防止機能や、匿名モードによる消費者のプライバシー保護機能も搭載されている。さらに、拡張NDEF（NFCデータ交換フォーマット）をサポートしているため、アプリをインストールすることなく、スマートフォンの標準機能で同時にデータ転送を簡単に開始することができる。

ST25TA-Eは、先進的なECCベースの非対称鍵暗号によってオンチップ･デジタル署名のセキュリティが強化された、便利かつセキュアで、使いやすい製品だ。価格競争力にも優れており、1000個購入時の単価は約0.325ドルから。現在サンプル提供中で、2024年8月に量産が開始される予定だ。

STは、2024年4月9日～11日にラスベガスのMGM Grandホテルで開催されるRFID Journal Live（ブース511）において、ST25TA-Eを出展する予定とのこと。