■10位 カンカンダンス
中国発のダンスである。独特な動きと楽曲のリズムが多くのユーザーを魅了し、TikTokを中心に世界的なブームになっている。TikTokでの#カンカンダンスの視聴回数は2億2860万回に達している。
■9位 バレエコア
Miu Miuの2022年秋冬コレクションをきっかけとしたファッショントレンドである。バレエシューズなどバレリーナを意識したアイテムと日常着を組み合わせたファッションが、若者を中心に人気を博している。Instagramではハッシュタグ #バレエコア を付けた投稿が3万5000件以上アップロードされている。
■8位 写真を動かす(生成AI)
2024年6月、Luma AI社が「Dream Machine」を発表した。写真をもとに高品質でリアルな動画を作れるAIサービスである。故人や歴史上の人物を「よみがえらせる」使い方が感動を呼び、SNSで話題になった。一方で、ルール整備が必要との声も高まっている。
■7位 しなこ(ダンス)
しなこは原宿系クリエイターである。スイーツのプロデュースやショップ店長を務め、YouTube公式チャンネル「しなこ Shinako/ASMR」の登録者数は102万人を超えている。小学生をはじめ若者に大きな影響力を持っており、TikTokではロックダンスが人気を博している。関連動画の再生は #しなこダンスが8530万回、#しなこが3億380万回、#しなこちゃんが2億4460万回を記録している。
■6位 〇〇界隈
「〇〇界隈(かいわい)」とは、特定のジャンルや趣味を表す表現である。インターネットスラングとして以前から使われていた。TikTokでは #回転界隈が3億4710万回、#風呂キャンセル界隈が1100万回を記録するなどさまざまな「界隈」が注目を集め、幅広い層に浸透している。
■5位 虎に翼
2024年4月1日から放送開始したNHK連続テレビ小説のタイトルである。日本で初の女性弁護士の一人、また女性初の裁判所所長になった三淵嘉子(みぶち・よしこ)の実話に基づくオリジナルストーリーである。主人公の寅子(ともこ。愛称「トラちゃん」)が法律という翼を得て、悩みながらも成長していく様子を描いている。外で働く女性だけでなく家庭で家族を支える女性も丁寧に取り上げて共感を呼び、SNSが湧いている。
■4位 GPT-4o
OpenAIが2024年5月に発表した最新の大規模言語モデルである。oは「Omni(オムニ、「すべて」の意)」の略である。テキスト、音声、画像を統合的に処理する高度な能力を持ち(マルチモーダル)、ビジネスや教育など多岐にわたる分野での応用が期待される一方、AI倫理や雇用への影響も活発に議論されている。
■3位 ファンタジースプリングス
2024年6月6日にオープンした東京ディズニーシーのテーマポートである。『フローズン(アナと雪の女王)』『ピーターパン』『塔の上のラプンツェル』3作品の世界観と四つのアトラクション、新たにオープンしたホテルで構成されている。オープン前から期待を寄せるファンの投稿が相次ぎ、オープン後は実際に訪れたユーザーの投稿が目立った。TikTokでは4億8390万回視聴を記録している。
■2位 ILLIT "Magnetic"
ILLIT(アイリット)は日本人メンバー2人を含む5人のK-POPユニットである。2024年3月25日発売のミニアルバム『SUPER REAL ME』でデビューした。タイトル曲「Magnetic」が大ヒットし、TikTokでの#magnetic 視聴は65億回を記録した。デビュー曲が米ビルボード「HOT100」にランクインするのは、K-POPグループ史上初めてである。日本初パフォーマンスとなった5月3日の国立代々木競技場でのイベントはSNS上で大きな話題になった。デビューと同時に大ヒットした背景には、オーディションが番組として世界182の国・地域で公開され、SNSを中心にファン層が出来上がっていたことが挙げられる。
■1位 ショートドラマ
TikTokやYouTubeショートを中心に大流行中である。スマホで再生しやすい縦型画面が特徴で、長尺のYouTube動画でも縦型が増加している。人気の背景には「スピード感」と「情報密度の濃さ」がある。倍速視聴や“ながら”視聴、スキップ視聴に慣れたユーザーには、短くテンポの良い動画が好まれる傾向にある。TikTokクリエイターやYouTuberだけでなく映画界からも豊かな表現力と高い制作クオリティを持つ作品が投入され、新たな映像文化として定着している。#ショートドラマ のTikTokでの視聴回数は93億回に達している。
■2024年4~6月期のランキング特徴
ショートドラマの勢いが圧倒的であった。世界各国で急速に浸透しており、今後も目が離せない。若者の間ではスピード感のある情報消費を好む傾向がある。一方で高品質なコンテンツへの需要も高まっており、短い尺の中で魅力的な作品をいかに作り出せるかにしのぎを削っている。
■SNS流行語ランキングとは
XやInstagram、TikTok、YouTubeなどのSNSで流行している言葉の中から、SNSマネージャー有資格者への調査に基づきランキングを作成している。2022年3月度から四半期ごとに最新の流行語ランキングを、年末には「年間大賞」をそれぞれ発表している。