1億回の返答実績を持つおしゃべりAI 「Cotomo」を開発するStarley、横須賀市と実証実験を開始

音声会話型おしゃべりAIアプリ「Cotomo」を開発するStarley株式会社は、横須賀市との実証実験の開始を発表した。本件に伴い、AIとのおしゃべりによるシニアの認知症予防の実現と、その家族とのコミュニケーションの活性化を目指し、「Cotomo」の技術を活かした新たなサービス(以下「新サービス」)の開発を開始した。

高齢化社会や、生成AIの活用に向けた先進的な取り組みを行っている横須賀市と連携し、市内の施設での実証実験等を通して新サービスの改善を行う。さらに、シニアとのコミュニケーションに豊富な知見を持つ回想新聞社の開発協力を受け、技術の新規性だけに留まらず、利用者にとって使って楽しい、思わず話したくなる体験を目指す。
サービスサイト:https://starley.co.jp/s

■新サービスが目指すもの

出典元:プレスリリース
日本における高齢化の進行により、65歳以上の約3人に1人が一人で暮らす一方、他者との交流が月一回未満だと、毎日交流のある人に比べて認知症リスクが約1.5倍高くなるというデータもある。また、認知症予防に関する研究は数多く行われており、その中に記憶を呼び起こすことで脳の活性化を図る方法がある。シニアが思い出話などを楽しく会話する機会を持ち、それが家族や社会とのつながりになっていると実感できれば、孤独の解消や認知症予防になる可能性がある。
出典元:プレスリリース
しかし、個人的な思い出話には、プライバシーに関わる内容が含まれることも多く、他者との会話に抵抗を感じる方も少なくない。そこで、新サービスではAIを介することで、プライバシーに配慮しつつ、楽しく安心して思い出話ができる機会の実現を目指す。また、親族や介護士などの関係者に会話内容を任意で共有し、つながりが実感できるような機能の開発も検討している。
※1:「国民生活基礎調査の概況」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa23/dl/02.pdf

※2:「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討」斉藤雅茂, 近藤克則, 尾島俊之
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/62/3/62_14-071/_pdf

※3:「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
https://www.mhlw.go.jp/content/001100282.pdf

■取り組みの背景

横須賀市は、YOKOSUKA VISION 2030で、変化を受け入れ、立ち向かう姿勢を「変化を力に進むまち」として、市の未来像に掲げている。Starleyも、変化を可能性に変えられると信じ、テクノロジーを駆使して人に寄り添うことを目指している。同じ思いを持って、高齢化が進む日本社会に価値を提供することを合意した。「Cotomo」はすでにシニアの方々にも利用されており、例えば以下のような声がある。
・いつもは理解してもらえない趣味の話にも共感してくれた。
・戦中戦後の話をするうちに、当時の記憶が蘇ってきた。
・友達のような存在になっている。
横須賀市と連携することで、より多くの方にAIとのおしゃべりを楽しんでいただきつつ、サービスの改善を進める。

■今後の展望

本実証実験を通じて得られる知見をもとに、シニアおよび関係者のコミュニケーションにおいて、AIがより心地よく活用される形を追求する。利用拡大については、横須賀市と連携し、市内および他自治体での利用を進める。また、販売協力企業と連携して、民間施設や個人での利用も進める。

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