Indeedが「AIの業務利用に関する実態・意識調査【販売職(小売・アパレル)編】」を実施。販売職業務でのAI利用、約4人に1人(24.4%)が経験ありと、AI利用は進みつつある。
2024/8/26
接客業務よりも「在庫管理」「売上集計」などの定型業務での利用率が高い。業務でAI利用したい人は半数以上(56.3%)に上り、AI利用は今後広がる可能性あり。
■ 調査結果 主要ポイント
• 【AI業務利用意向】販売職従事者の半数以上(56.3%)がAIを業務に利用したいと回答
• 【AIへの期待と不安】AI技術全般に対し、期待している販売職従事者は約半数(49.6%)に上る一方、不安を感じる人も同程度(44.9%)いる。「AIに期待している」と「AIに不安を感じる」の両方が該当する約3人に1人(31.1%)はAIに対する期待と不安が共存している状況
• 【AIを利用している業務内容】利用率が高い1位は「在庫管理」(58.3%)、2位は「売上集計」(55.4%)と、定型業務でのAI利用が多い一方、利用率が低い1位は「顧客対応」(27.1%)、2位は「顧客との雑談」(31.5%)と、コミュニケーション業務(接客業務)でのAI利用が少ない状況
• 【AIの利用希望】「こんなことにAIを利用できたらいいなと思うこと」を自由回答で尋ねると、『お客様の状況から、お客様のクレームに対する怒りを静める最適なアンサーを導き出せる』『機会損失による売上減少を防ぐ指示が出たら良い。屋内に居ると気付きにくい降雨が開始したら、即座に雨天関連商品を店頭に出す指示が出てくる等』など、様々な希望の声が集まる
調査実施の背景
特に、日本においては少子高齢化が進み、今後ますます人材不足が進むことが予想される。現在、労働市場は全体的に売り手市場の状態にあり、企業にとっては今後ますます採用が困難になると考えられる。不足する労働力をAIなどのテクノロジーで補完していくことも重要になってくるだろう。一方、労働者においても働き方改革が進み、多様な価値観や働き方を実現したいと考える人が増えており、AIの活用による業務効率化が進むことを歓迎したり、逆に、将来の仕事のあり方に対する不安を感じる人もいると思われる。
そこでIndeedでは、現在の日本のビジネスシーンにおいて、AIが様々な業務でどのように利用されているのか、労働者はAIの業務活用をどのように捉えているのか等を明らかにするため、「AIの業務利用(※1)に関する実態・意識調査」を実施した。AI利用は職種によって実態が異なると考えられることから、本調査は、様々な職種を対象に定期的に行っていく。
第1弾の今回は、産業別の就業者数(※2)が国内で最も多く、またコロナ前の2019年と2023年の比較で就業者数の減少幅が最も大きい(約23万人減少、「宿泊業、飲食サービス業」と同規模)(※3)「卸売業、小売業」に着目した。その中でも、人手に頼る要素の大きい労働集約型の職種であり、人手不足が特に深刻化する中でAI等を活用した業務効率化が期待される代表的な職種として、「販売職(小売・アパレル)」の正社員を対象に調査をおこなった。
※1:本調査における「AI」は、「生成AI」と「生成AI以外のAI」の両方を含み、それぞれ以下の定義で聴取している(「AIの利用率」等は、回答者本人がAIであると認識して利用している割合を示している)。
・生成AI:文字などの入力(プロンプト)に対してテキスト、画像、動画、音声などを生成するAIを指す。
・生成AI以外のAI:機械学習など大量のデータを用いて結果の予測を行ったり、事前に決められた行動を自動化したりするAIを指す。
※2: 総務省統計局「労働力調査(基本集計)」2024年6月分より
※3: 総務省統計局「労働力調査(基本集計)」2023年平均結果の要約より
「AIの業務利用に関する実態・意識調査【販売職(小売・アパレル)編】」概要
• 調査対象:「販売職(小売・アパレル)」の業務に従事する18歳~59歳の正社員の男女計1,000名
• 割付方法:年代4セル(18-29歳/30-39歳/40-49歳/50-59歳)にて均等割付
• 補正:令和2年国勢調査より、正社員の販売職従事者の年代構成比にあわせて補正
• 調査方法:インターネット調査
• 調査期間:2024年6月25日~6月28日
• 補足:本調査の一部設問の設計・作成(販売職の具体業務の一覧化)にあたっては、OpenAI API(ChatGPT)を利用している。