生成AIの本格的な業務活用に向け、「業務特化型LLM構築・運用サービス」を提供開始
2024/8/30
生成AIの本番業務への適用を支援する「生成AI業務適用サービス」も合わせて提供
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「業務特化型LLM構築・運用サービス」では、日立が、お客さまの業務や生成AI適用の目標のアセスメントを基に、企業が持つ固有のデータ(手順書や対応記録など)の選定や抽出を行い、業務知識として汎用LLM*3に学習させることで、その業務に適した規模・精度のLLM構築と、継続的な改善を行う。また、構築したLLMと生成AIアプリを組み込んだ実行環境を、「生成AI業務適用サービス」により、ニーズに応じた場所で構築・運用する。特に、高い機密性が求められる場合には、お客さまのオンプレミス環境で運用することにより、安心して生成AIを業務に活用できる。
この一連のプロセスには、お客さまとともに業務への理解を深めながら、試行錯誤を繰り返すアプローチと、データエンジニアリング、AIのモデル学習、生成AIの環境構築など高い技術力が必要であり、日立がLumadaで培ってきたDXノウハウや、データサイエンティスト、LLMエンジニア、GPUエンジニア*4といったプロフェッショナル人材など日立の強みを生かして対応する。
今回、第一弾として、専門性の高い金融分野の業務や、コンタクトセンターの複雑な問い合わせ対応など、汎用LLMとRAG*5だけでは専門知識の活用が難しい業務向けに提供を開始する。今後、製造業や交通インフラなど日立が深いドメインナレッジを有するOT(制御・運用技術)領域へも拡大し、現場の障害対応や生産工程の高度化などフロントラインワーカーの業務へも順次適用していく予定である。
日立は、お客さまの生成AI適用の戦略策定から本番運用まで伴走し、DX実現による生産性向上・競争力強化や持続的な成長を支援するとともに、労働人口の減少といった社会課題の解決を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献する。
■課題・背景
■新サービスの特長
1.業務特化型LLM構築・運用サービス:専門的な業務に適した回答精度のLLMを整備
2.生成AI業務適用サービス:適切な実行環境の提供により、お客さまの投資を抑制
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/07/0722.html
*2: LLM:Large Language Models(大規模言語モデル)
*3:汎用LLM:公開データを中心に学習された言語モデルのこと。
*4:GPUエンジニア:GPUインフラの特性を理解し生成AI基盤の構築・運用のノウハウをもつ専門技術者のこと。
*5:RAG : Retrieval-Augmented Generationの略。LLMに、外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術のこと。
*6:ニュースリリース(2023年5月15日発表)新組織「Generative AIセンター」により、生成AIの社内外での利活用を推進し、Lumada事業での価値創出の加速と生産性向上を実現https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/05/0515.html
*7:ニュースリリース(2024年7月29日発表) 「日立ヴァンタラが、企業のAI対応を支援する「Hitachi iQ」を販売開始」https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/07/0729.html
■社内実証例
対象 | 評価内容 |
コンタクトセンターの問い合わせ対応 | ミッションクリティカルシステムを支えるサポートサービス「日立サポート360」のコンタクトセンターでの問い合わせ対応の社内実証において、汎用LLMとRAGのプロンプトエンジニアリング技術の活用により、高い効果が確認できたため、10月より問い合わせ対応の一次受けの本番業務に適用予定。今後、業務特化型LLMを、より複雑な問い合わせ対応などの業務にも適用を見込む。 |
自社製品のコンサルタント | 日立のIT運用管理ソフトウェア 「JP1」のナレッジ・対応策のドキュメントを活用し、汎用LLMにJP1コンサルタントが持つべきノウハウを学習させ、合格率24%*8というJP1の最難関資格である「JP1コンサルタント資格」の認定試験へ挑戦。学習したLLMとRAGの組み合わせにより、合格点を上回った。 構築した業務特化型LLMは、将来的に、JP1コンサルタント業務の前提知識を補完するアシスタントとして活用を見込む。 |
有識者によるレビュー (システム開発) | ミッションクリティカルなシステムの開発における設計書のレビューを対象に、日立が蓄積してきた設計書レビューの観点や過去のチェック事例をLLMに学習させる社内実証を推進中。これにより、設計書の誤りや不備を特化型LLMが自動検出できるようにし、対面レビューでの指摘漏れなどのヒューマンエラーを抑え、効率よく、高い品質を確保することをめざす。並行して、プログラム開発時の設計書だけでなく、設計工程やテスト工程、QA工程での生成AI適用に向けて取り組み中。 有識者によるレビューで培ったLLM構築ノウハウを活用し、今後、金融などの専門性の高い業務へ適用することを見込む。 |
■「生成AI活用プロフェッショナルサービスpowered by Lumada」に追加した新サービス
サービス名称 | 価格(税別) | 提供開始時期 |
業務特化型LLM構築・運用サービス | 個別見積 | 10月1日 |
生成AI業務適用サービス | 個別見積 | 10月1日 |