自治体向け予算編成・経営管理システム「BnS」を活用して内閣官房「行政事業レビュー見える化サイト」を構築・公開
2024/10/2
GovTechベンチャー「WiseVine」開発、全省庁約5千件の事業を横断検索可能
■本事業の実施背景
(*)EBPM(エビデンスに基づく政策立案)とは、政策目的、政策手段、その目的達成のための効果的な政策手段とデータ等のエビデンスに基づいて、政策の実効性や効率性を高めていく手法である。
従来、レビューシートは表計算ソフトで作成され、各府省庁のホームページでシートごとに公開されていた。そのため、手作業による入力のために法人名や金額等に表記の揺らぎや記入ミスが発生する、関係者の確認がメールベースであり、確認やファイル管理等に手間がかかる、各府省庁のHPで年度ごとにシート単位で公開されているために関心ある事業を探しにくい、などの課題があった。
■本事業での改善点
また、レビュー見える化サイトは、全府省庁横断での事業の検索機能や、集計、グラフ化などの機能を提供し、どなたでもひとつの入り口から直感的にレビューシートの情報へアクセスし分析できる仕組みとして整備した。本システムの運用開始により、レビューシート作成業務の効率化・高度化・国民からのアクセス性向上が期待される。
■特徴
(2)2021年度以降のレビューシートデータを横断検索・経年分析が可能
(3)法人番号との連携など、高度な入力支援機能
(4)ガバメントクラウド上で稼働
■画面のイメージ
■ベースとなったBnSとは何か
人口オーナスで歳入が減っていく日本国の自治体においては、
①個々の事業の効果を高める
②全体を眺めたうえで予算の集中と選択
が不可避である。
一方で、①については、自治体は長年、予算・執行・評価という一連であるはずの事業サイクルを別々の部署が管理していることで、情報の統合・連携が難しく、PDCAを効果的に回すことが困難だった。また②については、上位政策のKPIを意識しながら、傘下の施策、またその下の事業を立案・廃止するという事は各行政官が意識しながらも、それを実現する仕組みは十分ではなく、結果的に、ゴールと効果からの検証が十分でないまま、事業のBuildは出来るが、Scrapは出来ない状況に追いやられていた。
解決策として、WiseVineは、この原因を、予算は予算、執行は執行、評価は評価として独立で処理する業務フロー、そして「タスク指向型デザイン」の基幹業務システムにあることを特定した。改めて、予算、執行、評価を「オブジェクト指向デザイン」でとらえ直し、「事業オブジェクト」の傘下に予算・執行・評価という業務があり、いつでもその3つの業務を行き来するようにシステムをデザインし直したことで、”予算の管理”から”事業の管理”という経営全体の管理システムに昇華することに成功した。②については、KPIマネジメントという、上位KPIからバックキャストして、末端事業の存続を決める仕組みを導入することで、一層のBuild & Scrapの実現を目指している。