株式会社Bocekが、全65社のRAG導入事例をまとめたカオスマップを公開

株式会社Bocekが、公開情報をもとに調査した、RAGの全12業種・65社・79ユースケースをまとめた「RAG導入事例・ユースケースカオスマップ」を公開した。
※今回の調査は"公開情報のみ"をもとに実施している。

RAGとは、LLMによるテキスト生成と信頼できる外部情報からの検索を掛け合わせることで、ハルシネーション(生成AIが嘘をつくこと)のリスクを低減するフレームワークのことを指す。

■本カオスマップについて

本カオスマップは、各社Webサイトやプレスリリース等の公開情報を元に、Bocekが独自に調査を行い、RAG導入を行っている企業を以下のカテゴリに分けて掲載している。
<業種>
金融、商社・小売、IT・通信、広告・マスコミ、人材・教育、インフラ・交通・物流、不動産・建築、旅行・観光、医療・福祉、コンサル・シンクタンク、製造メーカー、化学メーカー

<RAGに活用しているデータ種類>
公開情報、Q&A、製品・サービス情報、過去事例、社内汎用データ(マニュアル・規程・社内チャット履歴)、社内業務特化データ(技術文書・ノウハウ・顧客情報)、不明

※株式会社Bocek独自調査による掲載のため、網羅性・正確性を保証するものではない。
カオスマップの表記に問題がある場合は下記までご連絡を。
mail:info@bocek.co.jp

◾️カオスマップ公開の背景

生成AIの導入が進む中で、最近ではRAG(Retrieval-Augmented Generation)を併せて導入する企業が増えている。これは、生成AIが一般的な情報をもとに回答を生成するため、企業ごとの業務に適した情報を得るには、自社データベースとの連携が必要になるからだ。Bocekのクライアントからも、RAGを活用した具体的なユースケースに関する問い合わせが増えており、これに応えるために今回「RAG導入事例・ユースケースカオスマップ」を作成した。同様のニーズを持つ企業には、ぜひ活用いただき、自社の業務にどのように役立てられるかを検討してほしい。

◾️調査結果

Point①:RAG導入企業数は、1位「IT・通信」26社(40%)、2位「金融」15.38%、3位「商社・小売」7.69%。(公開情報のみをもとに計測)
出典元:プレスリリース
 - 開発力のあるIT・通信業界が最もRAG導入が進んでおり、比較的ハードルの高い一般公開を行っている企業も多い (一般公開27企業のうち、18企業 / 66.7%がIT・通信業界)
 - 金融業界には、取引履歴や顧客情報、金融商品情報など、RAGとの相性が良いデータが豊富にあり、業界の性質上、これらのデータがしっかりと集約されていることが多い。また、これらのデータは行員の業務や顧客対応において頻繁に活用する必要があるため、RAGの導入が進んでいると考えられる。
Point②:RAGは「社内向け公開」→「一般公開」が定石となっている。
出典元:プレスリリース
・RAGの導入企業のうち、社内公開38企業(58.46%)、一般公開企業(41.54%)となっている。
・RAGは新興技術であるため、まずは、試験的に行うことができる・リスクを低減できる社内利用から開始している企業が多くなっていると考えられる。
Point③:RAGに活用されるデータの種類別ユースケース数は、1位「社内汎用データ」24.05%、
2位「社内業務特化データ」 13.92%、3位「公開情報」 11.39%。
出典元:プレスリリース
Point③-1:社内汎用データ→社内業務特化データが定石
・社内汎用データ(社内のマニュアル・規程類・社内チャット履歴)を読み込ませての活用は最も取り掛かるハードルが低く、RAG導入企業の多くがはじめの一歩として取り組んでいる。
・社内汎用データで検証を行い、よりインパクトのある社内業務特化データ(技術文書・ノウハウ・顧客情報)に取り組むという流れが多い

Point③-2:問い合わせ対応は、公開情報→Q&A、製品・サービス情報が定石
・公開情報、Q&A、製品・サービス情報についてはいずれも対顧客でのRAG導入が想定されるが、まずは公開情報で検証を行い、そのあとにQ&Aと製品・サービス情報を追加するというケースが多い。

Point③-3:過去事例の活用はハードルが高く、まだ取り組み企業は少ない
・過去事例を活用したRAGの取り組み企業は、公開情報から確認できる範囲では1社のみと、少なくなっている。

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