アクセンチュアとAWS、責任あるAIの本格導入を支援 企業向けに確実かつ安全なAIの評価、テスト、構築、管理サービスを共同開発
2024/9/6
アクセンチュアは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)との戦略的協業体制を強化したことを発表した。 Accenture Responsible Artificial Intelligence (AI) Platform powered by AWS (AWSを活用したアクセンチュアの責任あるAIプラットフォーム)を迅速かつ安全に導入し、企業全体への展開を支援する。
アクセンチュアの執行役員で、AIセンター長である保科学世は次のように述べている。「今、生成AIをはじめとする各種AIを業務で本格的に活用し、抜本的な全社変革を実現すべき段階に来ている。一方で、ハルシネーションやデータが内包するバイアスなど、AIの活用には一定のリスクが伴う。AIの持つリスクを正確に理解し、AIが持つ潜在的リスクに対処することで初めて、中・長期的な成功につながるAI活用が可能になる。包括的なAI戦略を立て、全社レベルでのAIガバナンスの仕組みを構築することが求められている」
アクセンチュアのチーフ レスポンシブルAI オフィサーであるアルナブ・チャクラボルティ(Arnab Chakraborty)は次のように述べている。「AWSとの協業では、顧客企業が責任あるAIを組織全体に埋め込み、理想を実現することを目指している。アクセンチュアは初めて、AIガバナンスのセットアップ、AIリスク評価、生成AIのテスト、継続的なコンプライアンスサポート、規制管理、AWSワークロードのセキュリティなど、責任あるAIに関する包括的で一貫したサービスを提供する」
AWSを活用したアクセンチュアの責任あるAIプラットフォームは、責任あるAIの主要な要素を統合することで、モニタリング、テスト、修正という継続的な仕組みを作り、顧客企業が組織全体でコンプライアンスを遵守できるよう支援する。このプラットフォームはAWSワークロードに最適化され、責任あるAIのアセット、オープンソースツール、業界標準を統一して表示するため、企業は業務工程に責任あるAIをシームレスに組み込むことができる。また、同プラットフォームは直感的に順序立てて操作できるよう設計されており、経営層は自社におけるAI活用の準備状況(レディネス)や成熟度レベルを評価できるほか、複数の業界のベンチマークデータを参照してリスクスクリーニングを実施できる。
本プラットフォームを活用することで、顧客企業はAIリスクを特定、検知し、適切なリスク軽減アプローチを開発できるため、急速に変化する規制への対応が可能になる。生成AIの試験導入や技術の進歩が加速し続ける中、このような柔軟性は特に重要である。
AWSの生成AI担当副社長であるヴァシ・フィロミン氏(Vasi Philomin)は次のように述べている。「アクセンチュアとの協業体制を強化し、AWS上でのアクセンチュアの責任あるAIプラットフォームを実現したことで、顧客企業は迅速かつ安心してAIを業務に取り入れ、企業全体で活用できる。また顧客企業は、我々の責任あるAIソリューションのポートフォリオを利用しやすくなり、急速に変化する規制環境下でのコンプライアンス対応に必要となる包括的な評価や継続的な監視・テストを実行できる。私たちはアクセンチュアとともに、より多くの顧客企業に対して安全に生成AIを使って革新を生み出す機会を提供していく」
AWSを活用したアクセンチュアの責任あるAIプラットフォームは、1,000件以上におよぶ生成AIに関する顧客企業案件、120カ国約75万人のアクセンチュア社員を対象とした責任あるAIプログラム、AWSとの責任あるAIに関する協業から得た知見を集約している。これは、アクセンチュアの実証済みのベストプラクティスや独自の責任あるAIフレームワーク、Amazon BedrockやAmazon SageMakerを始めとするAWSの先進的なAIサービスのポートフォリオ、さらにAWS Control Tower、Amazon DataZone、AWSの可観測性ツールなどのソリューションを組み合わせている。
AWSを活用したアクセンチュアの責任あるAIプラットフォームは、最も包括的な、業界初の責任あるAIフレームワークのひとつであり、顧客企業がポリシー、原則、基準を確立し、実践する際に有用な5つのオファリングから構成されている。
AIのガバナンスと原則
AIのリスク評価
責任あるAIの体系的なテストとリスク軽減
モニタリングとコンプライアンスのサポート
人材、サステナビリティ、プライバシーとセキュリティを含む企業への影響
今回の発表は、アクセンチュア AWSビジネスグループ(リンク: https://www.accenture.com/jp-ja/services/cloud/aws-business-group)を通じて、AI分野におけるAWSとの取り組みをさらに推進するものだ。すでに両社はAnthropicと協力して、AIを責任ある形で展開することに取り組んでいる。また、2023年11月にはAmazon Qを活用して、ソフトウェア開発やアプリケーション環境のモダナイゼーションのさらなる迅速化を支援する計画を発表した。さらに、両社は2023年6月、AWS上で大規模言語モデルや生成AIを活用してビジネス変革の迅速化を目指す戦略的協業を発表した。これには、責任あるAIのブループリントも含まれる。