日本一人口の少ない村が挑む「未来の灯油配送」プロジェクト始動

野迫川村とゼロスペック、IoT技術で灯油配送の効率化と地域見守りを実現

奈良県野迫川村とゼロスペック株式会社は、2024年9月に「ライフラインとしての灯油供給の安定化による見守りプラス事業」の契約を締結した。地域の高齢化や人口減少が進む中、最新のIoT技術を活用し、効率的な灯油配送と地域見守りを実現する取り組みを進めている。
左:ゼロスペック代表 多田 右:野迫川村長 吉井 善嗣

左:ゼロスペック代表 多田 右:野迫川村長 吉井 善嗣

出典元:プレスリリース
野迫川村は人口350人の「日本一人口の少ない村※1」で、高齢化や人口減少が進んでおり、高齢化率は50%に達している。過疎地において、インフラ維持は大きな課題となっており、灯油や燃料供給の確保もその一つである。野迫川村は、村唯一のガソリンスタンドの廃業の意向を受け、村が中心となって事業継承の形を検討し、一般社団法人にて運営を行っている。
※1離島を除く
今回のプロジェクトでは、スマートオイルセンサーを全世帯の灯油タンクに設置し、自動発注配送管理システム「GoNOW」により遠隔管理する仕組みを導入する。

■自動発注配送管理システム「GoNOW」とは

ゼロスペックの「GoNOW」は、配送にかかるコストを低減し、効率的な配送を実現するシステムだ。このシステムは、センサーを用いて灯油残量を遠隔監視し、データをシステム上で可視化する。最適な配送時期やルートを提案し、配送回数を削減することで労働人口の減少やCO2削減といった社会的課題の解決にも貢献する。
自動発注配送管理システム「GoNOW」の仕組み

自動発注配送管理システム「GoNOW」の仕組み

出典元:プレスリリース
新しい仕組みの導入は効率的な配送業務の実現だけでなく、地域住民の生活状況を把握する「見守り機能」としても役立てられるシステムだ。
センサーを通じて各家庭の灯油使用状況を遠隔で確認することで、住民が灯油切れを起こすことなく、安心して生活できる環境を整備する。プライバシーを守りながら、地域住民を見守るこの仕組みは、過疎地における新たな共生モデルの一例であり、過疎地の人口減少の課題解決と、住民の安心を支える新しい灯油供給の形が実現される。
野迫川村とゼロスペックはプロジェクトの成功に向け、配送オペレーションの一部を北海道からサポートし、この取り組みを通じて、未来を共創する新たなモデルケースを築くとともに、過疎地におけるインフラ維持と見守りの実現に貢献する。

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