昨今のキャッシュレス取引の拡大により、少額のお買い物のタッチ決済や交通機関への乗車、サブスクリプションサービスの定期払いなど、キャッシュレスデータも急速に増加している。三井住友カードは、これらのデータを有効に活用することで、お客様一人一人のより正確なニーズを理解し、きめ細やかなコミュニケーション(=パーソナライゼーション)の実現に努めてきた。一方で、生成AIに代表されるデータ関連テクノロジーの進展は驚異的なスピードであり、キャッシュレスデータの特徴にフィットする最新技術のキャッチアップとビジネスへの適用が必要不可欠な状況になってきた。
そのような背景の中ユニバースは、クレジットカード会社であるHCC社が、生成AIに使用されている高度な理論を応用した独自のデータサイエンス技術を用いて、自社のマーケティングの高度化のために開発した革新的なパーソナライゼーションAIプラットフォームである。ユニバースの特徴の一つとして、消費行動データを「タグ」と呼ばれる形に変換し、データに意味づけを行うことで、行動や特性、状態をより高い精度で予測できることがあげられる。
三井住友カードでは、本件契約にあたり、およそ半年の間「ユニバース」を活用した実証実験を行った。その結果、上記に記載の特徴と活用メリットのパフォーマンスが十分に発揮できることを確認し、今般本格導入を決定した。なお、導入に際しては、日本市場での先行独占利用契約を締結している。
本プラットフォームの活用により、三井住友カードは、お客様一人一人の興味・関心、行動、状態にあった適切な顧客価値の提供を実施する。また、マーケティング領域での活用に加え、与信業務の高度化、アウトバウンドコールの最適化、不正検知モデルのレベルアップ等全社で「ユニバース」を最大限活用し、AIドリブンの業務改革を推し進める。将来的には、本プラットフォームを最大活用したマーケティングサービスを加盟店様や提携先企業様への提供していくことも検討している。
HCCは、クレジットカード基盤業務だけでなく、モバイルを通じた新たなユーザー体験、データ利活用による提携先の売上拡大を通じ、韓国のクレジットカード市場のリーディングカンパニーの地位を確立させた。同社の特徴として、過去10年間で数百億円をデジタル・AI分野に投資することで独自AIプラットフォーム「ユニバース」を開発し、高度なパーソナライズド・マーケティングを実現していることにある。HCCは、今後も技術投資を進める予定で、従来の金融の枠を越えた、データ・サイエンス・カンパニーとして、韓国のクレジットカード業界での更なる飛躍が期待される。