日本リスキリングコンソーシアム、生成AI時代の人材育成モデル「AI人材育成サイクル」を発表 AI学習実態を基に提言をまとめた「AI人材育成白書」を発行

具体的かつ再現性のあるAI人材育成方法論を提示

誰もが活躍できる社会を目指し、あらゆる人のスキルをアップデートするリスキリング※1に取り組むため、国や地方自治体、企業など250以上の参画団体から構成する「日本リスキリングコンソーシアム」(主幹事:グーグル合同会社)は、AI人材育成における現状課題と、その解決策となる具体的かつ再現性のあるAI人材育成方法論を提示した「AI人材育成白書」を発行した。
※1 リスキリング:新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する / させること。(出典: 経産省/リクルートワークス研究所)
「AI人材育成白書」URL:https://bit.ly/AIRWP

■「AI人材育成白書」発行の背景

近年のAI技術の飛躍的な進歩を受け、急激にニーズが高まっているのがAI活用・推進スキルを持つAI人材である。「強靭で持続性ある『稼げる日本』の再構築のためには、教育やリスキリングなどの人的資源への最大限の投資が不可欠」と明言された2024年10月の首相の所信表明演説では、「AIの研究開発・実装がしやすい環境を更に充実し、政府のAI政策の司令塔機能を強化」するとも言及された。
世界の生成AI市場は、2022年の約90億ドル規模から、2027年には1,200億ドルに達すると見込まれている※2。この市場規模の拡大は、生成AIが多岐にわたる産業に浸透し、経済成長の新たな原動力となることを示唆している。しかしながら、今後の経済成長に欠かせない生成AIの日本企業の導入及び活用実態は、遅れを取っていると言わざるを得ない。世界18か国を対象にした生成AIの企業における導入率は、日本は16位に位置し、18か国の平均が40%であるのに対して、24%と低い数値にとどまっている※2。
このようにAI人材育成の重要性がますます高まっていることから、特にAIスキルの習得や、AI人材として成果を発揮するために企業・組織に求めることなどを可視化して、AI人材育成のために企業・組織が取り組むべきことを把握することを目的に本書を発行した。
※2 出典:ボストン コンサルティング グループ 「The CEO’s Roadmap on Generative AI(2023年3月)」

■「AI人材育成白書」概要

「AI人材育成白書」では、技術者や開発スキルを有するスペシャリストではなく、生成AIを活用し業務において具体的な成果を上げることができる人材を「AI人材」と定義し、リスキリングに関心が高い、全国のコンソーシアム会員 約6,000名を対象にAI学習に関する調査を実施した。本書では、実際にAI学習に取り組む会員が企業・組織に求めることなどを明らかにするとともに、AI人材育成に不可欠な3要素を基に構成される「AI人材育成サイクル」など、企業・組織がAI人材育成を実現するために必要な取り組みについて具体的に紹介している。
<白書目次>
・「AI人材育成白書」発行に寄せて
・日本企業を取り巻くAI利活用の環境
- AI需要の高まりと社会へのインパクト
- 日本企業のAI導入・活用の実態と課題
- ますます重要になるAI人材育成
・日本リスキリングコンソーシアム会員調査レポート
- 調査概要
AI利活用状況
AI学習について
日本リスキリングコンソーシアムの利活用と成果
- AI人材育成に取り組み、成果を上げられている企業の事例
- [日本リスキリングコンソーシアムからの提言] 調査結果に見るAI人材育成の課題と、
取り組むべき「AI人材育成サイクル」の構築
- 日本リスキリングコンソーシアムパートナーの皆様が考える「AI人材育成」
公益社団法人 経済同友会 新浪 剛史
一般社団法人日本ディープラーニング協会 岡田 隆太朗
リンクトイン・ジャパン株式会社 田中 若菜
栃木県 小林 圭介
三重県 横山 正吾

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