IoTの導入事例集!活用場面を知ってIoTを身近に感じよう!

生活の中に普及してきた「IoT」。メディアなどで目にする機会も多いですが、IoTの意味や具体的にどのような活用方法やメリットがあるのか、説明することが難しい方も多いのではないでしょうか。今回は、IoTの概要や最新事例をご紹介します。

まずはIoTについて知っておこう

IoTは「アイオーティー」と読み、"Internet of Things"の略称です。日本語では一般的に「モノのインターネット」と訳されます。
モノのインターネットとはどういうことなのか具体的にみていきましょう。

身近なモノがインターネットに接続すること

IoTは、これまでインターネットに接続していなかった冷蔵庫やエアコンなど、様々なモノがインターネットに接続することで、遠隔でも制御できる仕組みです。例えば、冷蔵庫とスマートフォンのGPS機能を連携させることで、自宅から離れると外出したと検知され「節電モード」に移行させることができます。また、職場から帰宅時間にあわせてエアコンを作動させることで、適温に保たれた部屋へ帰宅することを可能にします。

インターネットを介して情報伝達が可能

センサーやカメラ、無線通信が搭載されたモノは、温度や大きななどの状態や動きなどを感知し、データの取得をします。入手した情報は、インターネットを介して人やモノに伝送することがIoTの基本的な仕組みです。

IoTが持つ4つの機能とは?

IoTには4つの機能があると言われています。IoTの機能についてさらに詳しく見ていきましょう。

モノを操作する

IoTではモノに通信機能が搭載されることになります。そのため、遠隔地からデバイスを使って、電源をON/OFFしたり、操作を行うことが可能になります。たとえば、外出先からスマホで自宅にあるエアコンを起動させ、帰宅前に部屋を温めたり、照明の操作を行ったり、あるいはフードサーバーを使ってペットに餌をあげるようなことも可能になります。そのほか、アイディア次第でさまざまな製品が開発されることになります。

モノの動作を検知する

IoTに搭載したセンサーは、モノや人の動きを検知することにも役立ちます。建設現場で作業員の動きを把握し、危険が迫っていれば、警告を発することも可能になります。労働災害の減少への期待がされています。また、公共交通機関ではバスや電車の運行状況をリアルタイムで表示したり、バス停に並ぶ乗客の数を集計し、混雑情報としてアナウンスすることも可能になります。そのほか、温度や、湿度、田畑の水位といった農作物の栽培環境を検知し、最適な環境に調整するといった農業分野への応用も研究が進んでいます。

モノの状態を把握する

IoTでは、通信機能に加え、センサーが搭載されます。人感センサーや加速度センサー、圧力センサー、温湿度センサーなど、用途に応じて、さまざまなセンサーを取り付け、モノの状態を把握できるようになります。その情報をインターネット経由で取得することができ、離れた場所にいても、モノや人の状態を把握できるようになるわけです。たとえば、ペットの運動量や食事の量を計測し、健康状態を可視化したり、外出先から照明の消し忘れがないか、確認することもできます。

モノ同士で通信する

センサーが検知した情報をインターネット経由で取得することもできますが、通信機能を使って、モノとモノが情報のやりとりをすることも想定されています。とくに自動運転では、車両がカメラやセンサーを使って、周囲の環境情報をリアルタイムで取得し、AIが最適な運転を実行します。このとき信号機から近隣の車両にデータを送信したり、道路に埋め込んだセンサーから路面に関する情報を取得するなど、モノ同士が通信することで、人間を介することなく安全な運行を実現することも可能になります。

自動車業界でのIoT活用事例

自動運転をはじめとしてIoT化によって、さまざまな進化を遂げています。
IoTを自動車に活用したサービスを展開する中、代表的な活用事例をピックアップして紹介します。

NTTグループ「hitoe」とSAP

SAP SE社(以下、SAP)と日本電信電話株式会社(以下、NTT)グループの第一弾の取り組みとして、公共交通機関や運輸業に対して、安心・安全かつ、先進的な運行管理を実現するためのソリューションを提供。
SAPが持つ自動車の挙動収集分析アプリケーション「CTS(シーティーエス:Connected Transportation Safety)」と、NTTが東レ株式会社と共同開発した、着用するだけで心拍数などの生体情報を取得できる機能素材「hitoe®(ヒトエ)」を組み合わせたソリューションを開発した。

運転者が身に着けた「hitoe」から、心拍数などの生体情報をリアルタイムに取得し、NTTグループの分析基盤の上で疲労度などについての分析。そして、これらの運転手のデータと、ドライブレコーダーやデジタルタコグラフなどの運転挙動のデータを、SAP HANA® Cloud Platform上の「CTS」にて総合的に分析し、事故を未然に防ぐための対応や、効率的な運行をサポートする。

日立の「リモートパーキングシステム」

クラリオン株式会社と共同開発をしたリモートパーキングシステムは、スマートフォンを用いた遠隔操作で車外から並列・縦列駐車や、車庫入れ、出庫を自動で行うことが可能。

スマートフォンの画面に車両周辺の映像と、車両の進行経路をリアルタイムに表示することで、ドライバーは常に車両周囲の状況を把握しながら、安全に車両を操作することができる。
また、スマートフォンのアプリケーションはわかりやすいインターフェースを採用しており、ドライバーが簡単に縦列・並列駐車などさまざまな駐車スタイルを選択することができる。
また、無人で車両を駐車・出庫させることが可能なことから、特に車庫などの省スペースでの駐車に有効だ。

安全面においては、自動駐車・出庫中にドライバーが危険を察知した場合、画面操作で瞬時に車両を止めることができるほか、車両側に設置されているセンサーが周辺に歩行者や障害物などを検知すると、車両が自動で停止する機能も備えている。

京都市交通局のリアルタイム運行状況配信

京都市交通局が提供する「ポケケロ(ポケット・バスロケ)」は、無線方式バスロケーションシステムで、スマートフォン・タブレット・携帯電話(フィーチャーフォン)・パソコンなどのデバイスで市バス停留所のバス接近情報をリアルタイムに近い周期で確認できるサービス。あらかじめメール通知設定をすれば、指定の停留所にバスが接近した情報を通知してくれる。

健康管理や医療におけるIoT活用事例

着用型ウェアラブルデバイスの活用により患者の生体データ(脈拍、心拍、血圧など)を計測し、遠隔からもモニタリングを可能にすることができています。

近年問題視されている医師の労働環境改善や地方の医療格差是正への効果も期待できるだけに、注目が集まる事例をご紹介します。

ソフトバンクの「メディカルケアステーション」

ソフトバンク株式会社(旧ソフトバンクテレコム株式会社)・株式会社日本エンブレース・JRCエンジニアリング株式会社の3社共同で提供を開始した、非公開型 医療介護連携ソーシャルネットワーキングサービス。病院、クリニック、薬局、介護施設などで働く医療介護者の多職種連携や患者・家族とのコミュニケーションツールとして、全国200以上の医師会をはじめ全国の医療介護の現場で利用されている。

Googleの「血糖値を管理できるコンタクトレンズ」

Googleの親会社Alphabet傘下のVerily Life Sciencesが開発を進めていた糖尿病患者の涙液で血糖値を測定するコンタクトレンズだ。正確な血糖値を測定するのは難しいという結論に達し開発は断念されたが、並行して開発を進めてきた白内障や老眼のためのスマートレンズの開発はAlconと共に継続していくという。

Medissimoの「imedipac」

Medissimo社が提供する、薬やサプリの服用をユーザーにリマインドするスマートピルボックス。アラームや服用する錠剤の収納スペースが光ることで正しい服用を管理できる。服用状況をWeb上で管理できるほか、服用時に家族や医師に知らせるよう設定することもできるため遠隔での服用状況の管理が可能となる。

スマートホームでのIoT活用事例

スマートホームというと、スマートスピーカーと連携させ声で家電を操作したり、暗証番号やICカードで施錠したりをイメージする方が多いかもしれません。スマートホームとはどういう機能があるのか、家庭でどのように活かせるのか、具体的な事例をみていきましょう。

アドトロンテクノロジー株式会社の「foop」

アドトロンテクノロジー株式会社が提供する、日本発のスマートフォン連動型のIoT水耕栽培機。日々の野菜栽培の状況について複数のセンサーが検出する環境データを専用アプリで確認することが可能で、野菜毎の育成機能により、エアーポンプ、LED照明、ファンの強弱の調整機能のほか、クラウド技術を通じてユーザーの野菜栽培をサポート、栽培を成功に導くさまざまな機能を備えた「インテリア野菜コンピュータ」。

Zilliansの「Catfi」

Zillians社が提供する猫用の自動給餌機。餌用のカートリッジと水のカートリッジ2つを備え、満杯にしておけば猫1匹の約1週間分の食事量になる。猫がCatfi本体に乗ると、餌や水が適量で自動的に補給される。また、本体をインターネットにつなぐことで、猫の顔認識や健康管理も可能にする。多頭飼いの際にどの猫が食事しているのか把握することを助けるほか、設定すれば餌の分量も少なく指定できるため、太った猫のダイエットを促すことが可能。

オムロンの「家族目線」

オムロン株式会社が提供する表情や性別、年齢、視線、ジェスチャーなどの人の状態を認識し、その結果を無線でスマートフォンやタブレットへ送信してアプリで簡単に操作できる、手のひらサイズのネットワークカメラセンサ。スマートフォンやタブレットを用いて、家で寝ている赤ちゃんや帰宅した子ども、離れて暮らす家族、留守番中のペットの様子を簡単に確認することが可能。搭載されたセンシング機能により、状態や動きを検出してプッシュ通知機能で知らせてくれるため、赤ちゃんがぐずりそうな時や子どもの帰宅といった必要なタイミングで様子を確認することができる。

農業や製造業におけるIoT活用事例

農業や製造業は、高齢化・後継者不足に伴う労働力不足をはじめ多くの課題をもつ業界です。今、IoTの先端技術を活用し、超省力化や生産物の品質向上を可能にする新しい取り組みが進んでいます。そのいくつかの事例をご紹介します。

FUJITSUの「COLMINA 工場最適化ダッシュボード」

富士通株式会社が提供する、ものづくりにおけるあらゆるデータを重ね合わせて見えるようにすることで、今のものづくりの状態を正確に把握できるようにした工場のデータ閲覧システム「工場最適化ダッシュボード(旧名称:Intelligent Dashboard)」。
デジタルに不慣れな現場のユーザーでも活用しやすいよう、バーチャルな3D空間に"もう1つの工場"を再現し、取得したデータを配置するアプリケーション。多様な情報を共通の"場"を軸に関係づけることにより、一目でデータを俯瞰してみることができ、生産性向上や経営改善を促す。

ベジタリア株式会社の「アグリノート」

ベジタリア株式会社が提供する「agri-note(アグリノート)」は、圃場や農作業の管理から比較・分析まで目的に合わせて活用できる、農業日誌・圃場管理のためのクラウドサービス。農作業を記録、瞬時に情報共有して「勘と経験」を強力にサポート。
マップ上に登録した圃場、圃場ごとの作業内容や作物の生育状況、収穫・出荷した内容などはすべてクラウド上で管理できるほか、スマート農機、リモートセンシングなど先端を行く他社サービスと連携し、アグリノートに情報を集約して閲覧・管理ができる。

ヤンマーの「スマートアシスト」

ヤンマーホールディングス株式会社が提供する「スマートアシスト」は、GPSアンテナ及び通信端末を搭載した農業機械から発信される稼働情報などをもとに、農業機械の見守りや、農作業の効率化を図るサービス。位置情報やデータ解析によって、農業の見える化の手助けをする。また、農業機械の稼働状況や圃場の作付状況・特性などが把握できる。

生活用品でのIoT活用事例

日常生活の中で不便であったり手間がかかったりすることは、今後ますますテクノロジーの力で解決していくでしょう。
私たちがこれからの日常の中で、IoTとどのように関わっていくのかがイメージできるような事例をご紹介します。

株式会社Stroboの「mikazuki」

IoTテクノロジーでホームオートメーションを進め、生活の中の様々なタスクを自動化し、「人は楽しいことだけに集中する」を実現するIoTスタートアップの株式会社Stroboが提供する2つのIoT製品を紹介。

1つ目は、「mikazuki(ミカヅキ)」というスマートフォンと連動するベッド。
眠りの見える化と分析により最適な睡眠習慣を提案し、他IoT製品と連携することで照明やエアコンを制御して快適な目覚めを実現できる。

株式会社Stroboの「cuxino」

2つ目は、「cuxino(クッシーノ)」というスマートフォンと連動し、デスクワークを快適にするスマートクッション。
slackと連携可能で、cyxinoの上に座ると自動で出勤を知らせたり、着席・離席の状況からパソコンのオートロック・ロック解除を行ったりすることも可能。リアルタイムで働く姿勢評価、悪い姿勢の際はスマートフォンに通知で知らせ改善を促すサポートをしてくれる。

日本システムウエア株式会社の「BigBellySolar」

日本システムウエア株式会社が提供する日本初の自治体や教育機関などの公共エリアや大型商業施設向けのごみ収集に適したスマートゴミ箱「BigBelly Solar(ビッグベリー・ソーラー)」。
ごみの蓄積状況について携帯電話網を介して発信するごみ箱と、ごみ箱個々の情報を随時集計して最適な収集ルートを算出する管理コンソールで構成された、スマートごみ箱ソリューションだ。ごみが溜まったごみ箱のみを選択して収集計画を立てることができるほか、収集ルートの最適化による作業時間の短縮や燃料代の削減、ごみ収集従事者の人員配置やごみ箱設置場所の最適化などが行える。個々のごみ箱の状況はスマートフォンやタブレット端末などで確認できるため、担当者が外出先から確認することも可能。

スマートシティにおけるIoT事例

スマートシティとはさまざまなデジタルテクノロジーを都市計画に導入することで、快適で効率的な住環境や移動のスムーズさを実現した街のことを指します。そんなスマートシティにおけるIoTの事例をご紹介します。

明電舎の「管きょリアルタイム監視サービス」

明電舎では、マンホールに取り付ける特殊なアンテナを用いて、大雨や台風など災害時に下水道管きょ内の水位など、防災にかかわる情報をリアルタイムで取得・監視することができるサービスです。センサーによって情報を集め、それを通信機能でシステムに送信し、防災に役立てる下水道管きょ用IoTデバイスになります。

電縁の「トイレIoTシステム」

電縁の「トイレIoTシステム」は、通信機能のあるセンサーで個室トイレのドアの開閉状況を判断することで、個室の空き情報を把握することができるシステムです。新たに電源の確保が不要なほか、配線工事やサーバの設置、インターネット接続も必要ありません。デジタルサイネージと連動させることで、ショッピングモールなど大勢が利用する施設内で、トイレの空き状況を来場者に知らせることができるようになります。

IoT技術を支える3つの技術

さまざまなメリットがあり、私たちの生活を便利に変えることができると期待されるIoTですが、以下の3つの技術によって支えられています。

5G

4Gの次の移動通信方式である5Gは、「高速大容量」「多数同時接続」「低遅延」が特徴です。すでに商用サービスがはじまり、全国で利用できるエリアが徐々に広がっていますが、IoTは5Gによって支えられています。とくにIoTでは日常にあるさまざまなモノにセンサーや通信機能を搭載します。したがって、同時接続できる端末が少ない通信技術では、そのポテンシャルを発揮することができなくなります。膨大なデータを集め、それをサーバーに送信し、AIなどを使って解析する。そのためには5Gの「高速大容量」「多数同時接続」「低遅延」という技術が欠かせません。

LPWA

LPWAは「Low Power Wide Area」の略で、「省電力」「広範囲」「低コスト」という特徴を持った通信技術のことです。5Gと比べると通信速度は低速ですが、数年から数十年にわたって運用できるほどの省電力性を持っています。IoTでは非常に多くのモノを活用させるため、電池がすぐになくなってしまうと、交換することが手間になります。通信しても何年も電力を保持してくれるなら、その間、ずっと稼働させておくことができます。また、数km~数十kmの通信が可能な点もIoTの可能性を広げます。農業や漁業の分野にもIoTを適用するためには、基地局から離れた場所でも通信できる能力が欠かせません。さらに、接続コストが安く、低価格で運用できる点も、LPWAの魅力です。

AI

IoTは広く普及し、対応するデバイスが増えれば増えるほど、収集できるデータも増え、より効率的な運用ができるようになっていきます。ただ、膨大なデータが集まれば、人間が解析し、分析することは不可能になっていきます。このときAIによってビッグデータから傾向やパターンを分析し、可視化することが必要になります。より精度の高い運用ができるよう、AIの進化もIoTには欠かせません。

IoTの導入事例から豊かな生活を期待しよう

様々な分野で活用が進むIoTの事例を紹介してきましたが、未だ人の操作や指示を出す領域が大きい分、進化できる可能性の幅は大きいということを示しています。

IoTの発展で人が全く介在しないシステムが構築された場合、今後我々をどのような方向へと導くのか、誰にも分かっていません。だからこそ現状の導入事例を知り、正しい方向にこの発展途上の技術を導いていく必要があるのです。今後も面白い事例がたくさん出てくると予想されるので、将来の生活がどのように変わるのか期待しましょう。

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