プラットフォーマー研究

なぜ後発なのに急成長?ディズニープラスが日本市場で人気の三つの理由と今後の成長戦略

ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル ジオグラフィックなどの名作が見放題で楽しめる「ディズニープラス」。日本でのサービス開始は2020年の6月という後発ながら、その成長はめざましく、トップを走るNetflixの牙城を脅かす存在になっています。群雄割拠の動画配信サービスにおいて、なぜディズニープラスは他社を圧倒しているのか? ウォルト・ディズニー・カンパニーでAPACにおけるディズニープラスのビジネスを統括するジェイ・トリニダッド氏にお話を伺いました。

ざっくりまとめ

- ディズニープラスの急速な成長の要因は、ディズニーやマーベルなどの人気映画やシリーズと、アニメ「東京リベンジャーズ」聖夜決戦編や、オリジナルドラマ『ガンニバル』などの日本発のコンテンツの存在が大きい。

- 日本は世界と比べてとりわけアニメ作品の人気が高い。良質なアニメ作品を提供するために広範な企業とのパートナーシップを結んでいる。

- スマホの普及によりコンテンツの消費のされ方が変わり、需要が増加、競争も激化している。動画配信コンテンツのニーズが今以上に高まることで、新たな課題も生まれる一方、逆にチャンスとして捉える側面もある。

- ディズニープラスの成長戦略とは、良質なコンテンツを生み出し、世界の消費者に届けること。ディズニー作品と日本発のオリジナルドラマ『ガンニバル』がサービス上で並んでいても、根底にあるディズニーのストーリーテリングの共通性を視聴者が感じ、違和感なく受け入れてもらえるような状況を目指していく。

優れたコンテンツと日本企業とのパートナーシップが鍵

──2020年の6月に日本でスタートしたディズニープラスですが、登録者数の伸びが堅調です。その理由はどこにあるとお考えですか?

日本の登録者数について具体的な数字を公開することはできませんが、2021年の10月に「スター(※1)」というコンテンツブランドを立ち上げて以来、SVOD(※2)としては最も急速に成長しているサービスの一つ(※3)となっています。

※1 スター:ディズニー・テレビジョン・スタジオや20世紀スタジオなど、ディズニーのトップスタジオが制作した作品や日本発のオリジナル作品をお届けするゼネラル(幅広い年齢や国籍の)・エンターテイメント・コンテンツブランド。
※2 SVOD:「Subscription Video on Demand」の略。いわゆるサブスク型の動画配信サービス。
※3 動画配信(VOD)市場5年間予測(2022-2026年)レポート(GEM Standard)調べ


この成長には三つの要因があると考えています。まず一つ目がディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズなどディズニーが誇るブランドがお届けするコンテンツの存在です。サービス開始時から強力なラインナップでスタートできたので、他のSVODが数年をかけてたどり着いた場所に我々は最短で追いつくことができました。二つ目は各市場で制作された充実したコンテンツです。例えば、日本からはアニメ「東京リベンジャーズ」聖夜決戦編も人気を博しています。また、韓流コンテンツの人気は日本でも高く、BTSのメンバーも出演している『IN THE SOOP フレンドケーション』も大ヒットしました。

三つ目の要因は広範な企業とのパートナーシップです。ディズニーは日本の市場で、60年以上という長期間にわたって愛されてきました。日本でサービスを展開して10年未満の競合が多いなか、我々が築き上げてきた長期的な関係のもとで、多くのパートナーにも恵まれました。例えばNTTドコモさま、J:COMさまなどとご一緒して日本の市場でサービスを展開してきたことが、急速な成長にもつながっていると考えています。
ディズニープラスのコンテンツブランド

ディズニープラスのコンテンツブランド

「ファミリー・エンターテイメント」にとどまらない、ディズニーのアイデンティティ

──要因の二つ目として各市場で制作されたコンテンツを挙げられましたが、昨年12月に配信を開始した『ガンニバル』について伺います。この作品は田舎の集落を舞台にしたサスペンスホラーで、多くの日本人が持つ「ディズニーのイメージ」とは真逆の作品に思えます。その点についてのお考えを聞かせてください。

日本におけるディズニーのイメージは、その多くがテーマパークによるものです。しかし、我々ディズニーがお届けするエンターテイメントはそれだけにとどまりません。マーベル作品やスター・ウォーズに加え、21世紀フォックスを買収したことでお届けするコンテンツの幅が広がり、世界でも強力なコンテンツメーカーになることができました。

ディズニーのアイデンティティは「ファミリー・エンターテイメント」だけではありません。ディズニーは今年創立100周年を迎えますが、この100年間にわたり素晴らしい物語を生み出してきました。我々はディズニープラスを通して、数多くの世界最高の物語を、世界中に紹介していきたいと考えています。子どもにも大人にも最高のストーリーを提供できる組織であり続けたいのです。

日本でも韓国でもアメリカでも最高の物語を見つけ、皆さまにお届けするのがディズニープラスです。『ガンニバル』という作品に驚かれた方も多いかと思いますが、その根本にはストーリーテリングがあり、日本が生み出す最高の物語を世界にお届けすることができ、とても嬉しく思います。

──ディズニーが考えるよい物語とは、どのような物語でしょうか?

ディズニーの中心には、常にストーリーテリングがあります。我々が新しいコンテンツに取り組む際に重視するのは、その物語が人々をつなげることができるのか、人々を感動させることができるのか、文化を表現することができるのか、といった点です。世界中に最高の物語を届けるために、これらの高い基準を設けています。
昨年12月に配信を開始した『ガンニバル』

昨年12月に配信を開始した『ガンニバル』

世界の中でも抜きん出てアニメが強い国。それが日本

──日本のユーザーは他の国と比べてどういった特徴や傾向があるのか教えてください。

類似点と異なる点の両面があります。世界中の視聴者に共通するのは、思いきり笑いたい、恋をしたい、現実から離れて新しい世界を旅したい、などの願望です。異なる点としては、やはり日本の市場は他国と比べてもアニメ作品の人気が非常に高い特徴があります。しかも最新作だけではなく、90年代の作品なども高い人気を誇っています。

アニメはもちろん海外でも人気ですが、日本ほど熱狂するレベルにまでは至っていません。映画ランキングを見ても、他国と違い日本だけアニメ作品がトップになっている状況はよく見られます。日本のお客さまがアニメ作品に対して持つプレファレンス(好意度)は非常に高いです。そのニーズに応えていくためにも、講談社さまを始めとする、広範囲で強力なパートナーシップを組んでいくことも重要です。

──たしかに映画のランキングを見ると、毎回アニメ作品が上位にランキングされている印象があります。

日本市場の特徴はもう一つあります。それは、スマートフォンや高速なインターネットが普及しており、GDPも依然として高いということです。動画配信をはじめとするDXへのシフトが起こりやすい環境であるため、我々としてもその流れに乗り遅れないよう準備を進めていきます。

視聴スタイルの変化により、動画配信コンテンツの需要はますます高まる

──ディズニープラスのサービスですが、現状の課題があれば教えてください。

課題は二つあります。一般的に日本市場においては8割以上が日本のコンテンツを見ているといわれています。各市場のニーズにあったコンテンツ、特に日本ではアニメ作品が求められています。これは課題でもあり勝機にもなりうると捉えています。もう一つは、映像コンテンツへの需要の高まりに伴う諸々の問題です。これは世界的に共通する課題ですが、多くの良質なコンテンツをお届けしたいと思っていても、年間で提供できる数にはどうしても限りがあります。

優れたコンテンツを生み出すには才能あるクリエイターが必要です。例えば、手書きのアニメーション作品となると制作期間は何年にもおよびます。優秀な人材を確保するには大きなコストがかかります。コンテンツの数が多くなれば、より多くの人材が必要となり、競合サービスとの競争も激化していくでしょう。

なぜ、これほどまでに新しいコンテンツへの需要が高まっているのかというと、コンテンツの消費のされ方が変化してきているからです。以前のように自宅で視聴するというスタイルから、何かの待ち時間や移動中にスマートフォンで手軽に視聴するスタイルに変化してきています。この変化は動画配信コンテンツの需要の高まりを引き起こしており、我々はこの状況をチャンスと捉えています。

──需要が高まることは、一見よいことのように感じますが、その裏には課題もあるということですね。

日本の優れたクリエイターにとっては大きなメリットがあると思います。動画配信市場が大きくなることで利益を得るのは、消費者だけでなくクリエイターも含まれます。CGアーティスト、脚本家、ライターなど、優秀な制作者は大きな恩恵を得られ、さらに素晴らしい物語を生むことができ、その物語が国内外で共有されていくようになるはずです。

目指すのは、ディズニー作品の横に幅広いジャンルのコンテンツが並ぶことに違和感がなくなる状況

──では、ディズニープラスの今後の成長戦略について教えてください。

我々の成長戦略は率直にいえばコンテンツそのものです。本当にお客さまが見たい作品を提供できているのかという視点を常に忘れず、最高の物語を日本の皆さんに楽しんでいただきたいと思います。もちろん、クリエイティブの水準も高みを目指して引き上げていきます。

現状では、『ガンニバル』がディズニープラスで配信されていることを不思議に思われる方もいるかもしれません。しかし、お話したとおり、私たちはストーリーテリングを大切にし、素晴らしい物語を世界中にお届けしています。1~2年後には根底にあるストーリーテリングの共通性を感じて、『アラジン』のようなディズニー作品と『ガンニバル』のようなローカルの作品も並んでいるのがディズニープラスであると、多くの方に思っていただけるような状況を目指します。

私個人の願いを最後にお話しさせてください。私には会社員や幼い子どもを持つ主婦など、多くの友人が日本にいます。日本の皆さんにはディズニープラスを通して幸せや喜びを感じたり、時には涙したりするような体験をしてほしいと思っています。ディズニー作品でもスター・ウォーズでも、作品を鑑賞した後には何か特別な想いや感情を抱くでしょう。日々の生活のなかで一人でも多くの方に、ディズニープラスでそういった特別な想いを感じていただければ幸いです。
ジェイ・トリニダッド
ウォルト・ディズニー・カンパニー / ダイレクト・トゥー・コンシューマ APAC ゼネラルマネージャー

2020年8月入社。APACにおけるディズニープラスのビジネスを統括する役割を担う。日本でのディズニープラスの立ち上げ、ディズニープラスの戦略、オペレーション、ビジネスパフォーマンスの継続的な最大化に取り組む。

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