eスポーツ業界初上場。「ウェルプレイド・ライゼスト株式会社」とは 〜IPOから読み解く、デジタルシフト #3〜
2023/2/14
多くの企業が目標の一つとして掲げ、憧れ、夢を見る言葉、「上場」。これを達成した企業は資金調達の規模が大きくなり、さらなる挑戦ができるとともに、社会的に認められたという箔が付く。何百万社とある日本企業のなかで、上場企業は約3,800社。非常に狭き門を突破した、選ばれし企業たちだ。
本記事では、デジタルシフトを実現しながら新規上場を果たした企業に焦点を当てていく。今回は、eスポーツ事業を手がける「ウェルプレイド・ライゼスト株式会社(ウェルライ)」を取り上げる。同社は、2022年11月30日に東証グロース市場に上場した。初値は6,200円で公開価格の1,170円を上回った。
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eスポーツ専業企業として初の上場。eスポーツ総合商社「ウェルライ」
同社によると、国内のeスポーツ市場は、2020年に約67億円だった市場規模が2024年に約184億円に成長し、試合観戦者・動画視聴者からなる「eスポーツファン」は2020年の約686万人から2024年には約1,461万人に成長すると予測されているという。また、世界のeスポーツ市場規模は2024年に約1,957億円に達する見込みとのことだ。このように拡大するeスポーツ市場のなかで、同社は、eスポーツにまつわる事業を一手に担えることを強みとしている。
同社の上場は、日本において「eスポーツを専業にする企業として初めての上場」と報じられるなど注目された。上場した際の初値は公開価格の約430%となり、2022年に上場した企業のなかで「初値上昇率」が1位の銘柄となった。
eスポーツへの熱い想い。競合する2社の合併と、ゲーム偏愛社員の存在
また、同社は、自社の競争優位性として「ゲーム偏愛社員」の存在をあげている。本当にゲームが好きな社員が運営するからこそ、他社には真似できないアプローチが可能で、それが競争優位性にまでつながっているという。実際に、「フォートナイト 勝利数日本9位」や、「ストリートファイターV プロ選手ライセンス保持」などの実績を持つ社員がいるとのことだ。「eスポーツの力を信じ、価値を創造し、世界を変えていく。」をミッションに掲げ、eスポーツに並々ならぬ情熱を傾ける人たちによって、「eスポーツ業界初の上場」は成し遂げられたのだ。