「お小遣い」にもキャッシュレス時代到来!? メリット・デメリットをスマートバンク堀井氏と徹底討論

2023年4月に「給与デジタル払い」が解禁されるなど、キャッシュレス化が加速する昨今、日常生活において現金をほとんど使わなくなったという方も多いのではないでしょうか。そんな状況下において、子どもの「お小遣い」については、キャッシュレスにしてよいのか否かと頭を悩ませる子育て世代は少なくないはずです。

今回はそんな悩みを解消すべく、キャッシュレス決済で支出履歴をデータ管理できる家計簿プリカ「B/43(ビーヨンサン)」および親子の家計管理をキャッシュレス化できる「B/43ジュニアカード」を提供する、株式会社スマートバンクCEOの堀井 翔太氏、B/43ジュニアカードプロダクトマネジャーの國分 佑太氏と、デジタルシフトタイムズ編集部から中学校2年生と小学校4年生の子どもを持つ宮﨑、小学校3年生と1年生の子どもを持つ久井の編集部員二人との対談が実現。子どものお小遣いをキャッシュレス化するメリットや親目線の懸念点、今後のキャッシュレス市場の変化についてお話を伺いました。

ざっくりまとめ

- 交通系ICカード、QRコード決済、現金。お小遣いのあり方は多様化している。

- 向こう5~10年で、子どもの決済手段は確実にキャッシュレスへと変化していく。

- 多くの子どもが、キャッシュレス決済のメリットを「時間がかからないこと」と回答。

- キャッシュレス決済のメリットは、支出の情報がデータとして溜まっていくことで、金銭管理の手間が少なくなること。

- 公共交通機関でのクレジットカードのタッチ決済乗車が普及することで、キャッシュレス化は一気に加速していくと予想。

- スマートバンクは「B/43ジュニアカード」によって、キャッシュレスを学ぶことができるソリューションをつくっていく。

交通系ICカードは使いづらい。親目線のデメリットとは

宮﨑:中学校2年生と小学校4年生の子どもがいます。小学生の次男には現金でお小遣いを渡していますが、上の子のお小遣いの管理方法を模索している最中です。中学入学以来、クラブチームに所属していて移動も多いため、交通系ICカードを渡していますが、チャージさせるための現金の準備が思っていたよりも手間になっています。私はすでにキャッシュレス生活になってしまっているので、現金をあまり持ち歩いていないのです。当日の朝に「チャージが足りない」と言われて困ってしまうことも多いです。ですから、交通系ICカードにチャージするためのお金は現金で渡し、その他のお金はPayPayなどのQRコード決済で渡すという形に落ち着いています。

堀井:日本で一番ポピュラーなキャッシュレス決済の手段が交通系ICです。でも、交通系ICカードは、どれだけチャージが残っているかをすぐに確認できない。子ども自身が電車やバスを降りたときに金額を覚えておくしかないわけです。Suicaの残高を確認できるカードリーダーアプリもありますが、物理カードをかざして逐一確認するのは面倒ですよね。また決済の履歴は一応見られるのですが、「物販」としか記載されておらず、どこで何に使ったのかが分かりません。

宮﨑:親側で残高を確認できないのが、交通系ICカードで感じている一番のデメリットです。また交通費以外で使うお金を主にPayPayで送金しているのですが、お金の使い方を学んでもらう上で、この形でいいのか?という疑問があります。御社は、家計簿プリカのB/43シリーズのなかで、親子で使うジュニアカードをリリースされましたよね。ジュニアカードとはどういうものなのか、そしてリリースをした背景についてお教えください。

堀井:B/43ジュニアカードは、18歳以下のお子さまも持つことができるチャージ式のVisaカードと、残高がひと目で分かるアプリがセットになったサービスです。入金した分だけ決済が可能で、カードで決済すると親子どちらのスマホにも通知が届きます。店舗やオンライン決済にも使用でき、交通系ICカードへの入金も可能です。チャージした範囲内での支払いに限定されているため、使いすぎの心配がないことも親にとっては安心できるポイントです。

日本では18歳以下の人がクレジットカードをつくることができません。そのため、18歳以下がキャッシュレス決済の手段を持つことが難しい一方で、親世代はどんどんキャッシュレス化が進んでいます。この状況下で向こう5年10年先を見たときに、確実に子どもの決済手段は大きく変化すると考えたことが、ジュニアカードリリースの背景です。

國分:ジュニアカードを使い始めたご家庭の親御さんは、「現金を用意しなくていい」ことの利便性を強調されることが多いですね。現金だと、対面で渡すことが必要ですが、ジュニアカードはアプリで送金できるため、メリットを感じている方が多いです。

久井:息子は現在小学校3年生で、まさに交通系ICカードを1枚持たせている状況です。今は一人で行動することがほぼないので、このあとどうしていこうかと迷っているところです。御社のジュニアカードのターゲットは何歳くらいからなのでしょうか?

國分:メインターゲットは中高生に設定しています。塾通いやクラブ活動などで親と別行動することが多い年代ですね。ただ、今は中学受験のために早くから塾通いをしている子どもも多いですし、小学生でも十分に利用価値を実感してもらうことができると思います。スマホを持っていなくても、カードを持っていれば決済できるので、まだ子どもにスマホを持たせていないという家庭でも利便性が高いです。
B/43ジュニアカード アプリ画面

B/43ジュニアカード アプリ画面

子ども側のキャッシュレス決済のメリットは「時間がかからない」こと

國分:「何か変なことに使っていないか」は、どこの親御さんも気になるようです。ジュニアカードは、決済した金額や店舗の履歴が見られるので、いつ・どこで・何に使っているかがお子さんに確認せずとも分かります。

宮﨑:「見られるのが嫌」というお子さんはいらっしゃらないですか?

國分:我々もそういう意見があると思ったのですが、何名か中高生のユーザーにインタビューしたところ、嫌ではないという意見が多かったです。逆に「何を買ったか、いちいち親から聞かれなくなっていい」というコメントもありました。

そのほかにも、子ども側が嬉しいポイントとして「時間がかからなくていい」という声がありました。財布を開き、小銭を探し、支払い、お釣りをもらうという行為は結構時間がかかります。キャッシュレス決済は「後ろの人を待たせなくて済むからいい」と、インタビューに応じてくれたお子さんほぼ全員が言っていましたね。

宮﨑:そのほかに心配なのが、紛失の危険性です。

國分:その心配は当然あります。ただ、紛失に気付いたその瞬間に、親子双方のアプリから支払い停止の操作がすぐできます。カードとスマホを、親子共にいっぺんに無くすことがなければ、すぐに対応可能です。

また、キャッシュレス決済は現金と違い、支出の情報がデータとして蓄積されていくので、金銭管理の手間が少なくなります。毎回レシートなどをもらって、マメにお小遣い帳に記録していかないと正確なデータが取れないことは、それ自体が金銭管理の障壁になると考えています。記録を頑張る必要がなく、自分の消費行動について分析することに労力を使えるのは大きなメリットです。ジュニアカードの目指す理想は、これまで管理・分析ができていなかった層が金銭の管理を容易にできるようになる、ことです。

宮﨑:たしかに、我が子はお小遣い帳をつけるというマメな作業をやりたがらない一方で、お金などの数字を見るのは好きです。そういう層が、お金の流れの管理を学ぶという観点ではとてもよさそうです。日本では現状、18歳以上になって急にクレジットカードを持つようになり、使い方で失敗する例も多いように思います。その前の年齢から、「使い方を学べる」こともメリットかもしれませんね。

堀井:クレジットカードを持つ前に「キャッシュレス決済を学ぶ」という観点で、ジュニアカードを活用されているユーザーさんもいらっしゃいますね。我々としては、決済の即時反映やチャージ式という特徴を持つジュニアカードを利用し、「見える化」されたキャッシュレス決済に慣れておくことで、実際にクレジットカードを手にしたときの不安要素を払拭できるのではと考えています。

ジュニアカードで子どもの金融教育が可能に!?

宮﨑:お小遣いを渡しているだけでは、子どもに関わる全体的な支出に対して、子ども自身の意識を高めづらいというのも、親としては悩ましい部分です。

國分:実際、お小遣いは子どもに関わる費用のほんの一部でしかなく、他にも塾代、洋服代などがかかっていますよね。教育や生活に必要な金額について、どう教えていこうかと悩んでいる親御さんは多いです。また貯蓄に関してもなかなか伝えづらいところがあります。数千円のお小遣いのなかで貯蓄をしても、子どもが欲しいものを買える金額になるまで何年もかかります。一方で、将来に向けて貯蓄の習慣も身につけてもらいたいという声もあります。

久井:我が家も、子ども用の銀行口座はつくっていますが、子どもがそこから直接お小遣いを引き出してやりくりするわけではないので、どうしても子どもに対しての金融教育は限定的になってしまっています。

宮﨑:ほとんど金融教育もなく、これまで自分に関わるほとんどの費用を親が管理して貯蓄してくれていたのに、成人したり就職したりしたタイミングで突然すべてを自分で管理しなければいけないことは、親にとっても子ども本人にとっても不安が大きい気がします。

堀井:子どもに関わる大きな出費があるタイミングに、ジュニアカードで子ども本人に決済させてみるという方法を取ってもよいかもしれません。ジュニアカードは入金した以上の金額は使えない仕組みですが、1日に10万円までは決済が可能なので、大きな決済の前にまとまった金額をジュニアカードに送金して一緒に決済してみることができます。大きな決済を子ども自身が確認できたり、貯蓄したりという包括的な管理も見据えて、今後は1日の決済上限金額を任意に設定ができる機能追加も考えています。

久井:自分に関わる費用がどのくらいで、そのうち自分が使えるお小遣いはこのくらい、という全体感が一箇所で見られるのはすごくいいですね。その追加アップデートがあれば、子どもの金融教育にも利用できそうです。

公共交通機関でのクレジットカードのタッチ決済乗車の普及で、キャッシュレス化は加速する

久井:今後キャッシュレス化が進んでいくことで、子ども世代は現金に接する機会がどんどん減っていきそうですね。

堀井:そうですね。すでにJR九州ではスタートしているのですが、公共交通機関でのクレジットカードのタッチ決済乗車が普及することでキャッシュレス化が一気に加速していくと考えています。例えばイギリスはキャッシュレス浸透度が非常に高いのですが、浸透度が爆発的に上昇したのは、ロンドンオリンピックがきっかけです。このとき政府が何をしたかというと、キャッシュレス決済が可能な店舗を増やしたことと、公共交通機関でクレジットカードのタッチ決済を可能にしたことです。またインバウンドのことを考えると、交通系ICカードの利用は減少していくのではないかと考えています。他国にやや遅れを取りつつも、日本のキャッシュレス化は加速していくでしょうね。

久井:日本のキャッシュレス決済が加速していくと考えられるなか、御社自身のプロダクトはどう変化していくのでしょうか?

國分:現在、ジュニアカードの機能はカード決済と履歴確認のみですが、今後は何にどれだけの出費があったのかをグラフなどで可視化するという機能の追加を考えています。また、現在のジュニアカードは「お金を貯める」ということが難しい仕様になっているため、ポケット機能などを追加して、仮想の貯金箱のような使い方ができるようにしたいですね。将来的には、お金を使うペースや貯めるペースなどを、子どもが自分でマネジメントできるような仕様を考えています。

堀井:日本は現在、給与のアップサイドが難しくなっている一方で、これまで雇用が保障された方々も多い社会だったため資産形成に対する意識が薄く、親世代が金融教育を受けてきていません。ゆえに家庭内でお金に関する教育ができないことがほとんどです。我々としては、親が子どもに対してキャッシュレスに関する教育ができなくとも、ジュニアカードを通して子ども自身がキャッシュレスを学ぶことができる、というソリューションをつくっていきたいと思っています。
堀井 翔太
株式会社スマートバンク 代表取締役

VOYAGE GROUP社(東証一部)へ新卒入社し、最年少で子会社社長に就任。
日本初のフリマアプリ「FRIL」を運営していたFablic社の創業者。2016年に同社を数十億円で楽天株式会社に売却。2018年の退任まで代表取締役CEOを経験。2019年にスマートバンク社を設立。
國分 佑太
株式会社スマートバンク B/43ジュニアカードプロダクトマネジャー

外資系ITコンサルに新卒入社。レアジョブでエンジニアになり、ビズリーチで海外事業責任者・営業・PMを経験。メルカリのCRE PM Headを務め、2022年6月にスマートバンクへ入社。

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