CES2020、来場者の注目を浴びたブースをテーマ別にご紹介! ③
2020/2/4
2020年1月初旬に、米ラスベガスで開催されたCES2020の技術やガジェットを総括。家電のみならず、ビジネストレンドをも占う世界最大級のテクノロジーショーで来場者の注目を浴びていたブースをテーマ別に、写真・映像とともにお届けする。今回は、ベンチャー企業の展示会場「EUREKA PARK(エウレカパーク)」で、話題を集めた日本のスタートアップを紹介する。
Contents
CES2020では、ソニーの自動運転車や、トヨタのスマートシティー構想「Woven City」が注目され、日本企業の存在感を高めたが、この「J-Startup」も活況を呈していた。
■ラストワンマイルの覇権争いに、「安全性」で挑む
特に欧州では、電動スクーター市場が活況を呈していて、街中では、スマホで手続きをすることで、自由に乗り降りが可能な電動スクーターが散見され、多くの利用者がいる状況だ。
そんな市場に対して、glafitが提案するのが、安全性の高い電動スクーターだ。
実は、一般的な電動スクーターには構造的な欠陥があるという。それは、両足を前後に置いて乗ることで、バランスをとることが難しく、転倒時に受け身の体勢をとりづらいということだ。
一方で、glafitのスクーターは、両足を左右に開いて乗せることができ、常に安定した姿勢を保つことができる。何かしらの衝撃で車体が揺らいでも、とっさに飛び降りるといった動作もしやすいという。
また、他のメーカーでは標準装備しているところがあまりない、ウィンカーライトも装備し、安全面に配慮した電動スクーターとして、注目を集めていた。
米国では、2月からクラウドファンディングを行う予定で、日本国内でもクラウドファンディングを予定しているという。
【glafit】X-SCOOTER LOM
■空の移動を快適に、技術ベースで考えるエア・モビリティの新コンセプト
操縦者不要の自動航行で、機体の揺れが最小限に抑えられ、乗降しやすく、複数の人が時間と空間を共有しながら移動できるようイメージされている。
ただ、エアロネクストはVTOLのメーカーではなく、そのための重心制御技術に特化した企業だ。「空飛ぶゴンドラ」にも、独自開発したドローンの重心制御技術「4D GRAVITY®」と、VTOLの重心制御技術「ティルトボディ®」を搭載し、垂直離着陸時の恐怖心の払拭や、離陸から水平飛行への円滑な移行などを実現。従来のエア・モビリティの課題を解消している。
■ベビーテックでも存在感 赤ちゃんの泣き声を分析
赤ちゃんが泣くと、Hangry(空腹)、Angry(怒っている)、Sleepy(眠い)、Uncomfortable(不快)、Boring(退屈)のいずれかに分類し、スマホに通知を送る。2万人以上のモニターから集めた泣き声データとAIを用いて、このアルゴリズムを開発した。
■アシックス初出展の裏にベンチャー企業
アシックスが発表した、スマートランニングシューズのコア技術を開発した、no new folk studioだ。
アシックススポーツ工学研究所と連携してさまざまな実証実験を行ってきており、アシックスが2019年に開催したスタートアップ企業のアクセラレーター(事業連携推進)プログラムで、最優秀賞を受賞。今回、「スマートランニングシューズ」のプロトタイプを共同で発表した。
ベンチャー企業との連携で、アシックスは新しい価値を世界に向けて発信することができた。日本企業のプレゼンス向上に、今後ともオープンイノベーションが重要な役割を果たしていくことだろう。