2024年は「WEB3ゲーム」のターニングポイントに!? gumi × double jump.tokyo WEB3ゲーム勉強会レポート
2024/3/5
近年、NFTやWEB3サービスの裾野が広がるなか、ブロックチェーン技術を活用したゲームも次々と開発されています。これらのゲームは「WEB3ゲーム」と呼ばれ、ゲームユーザーはもちろん、市場からも、その成長性が注目されています。「暗号資産」や「仮想通貨」と聞くと身構えてしまう人でも、ゲームから始めることで、WEB3の世界へのハードルが低く感じられるのではないでしょうか。そのようなWEB3ゲームの現状や将来性を解説すべく、2024年2月15日、株式会社gumiとdouble jump.tokyo株式会社による、WEB3ゲームに関する勉強会が開催されました。今回は、本勉強会のセッション「WEB3ゲーム2024年どうなる(gumi & double jump.tokyo)」をレポートします。
意識せずとも、ブロックチェーンを利用する時代が来る
WEB3ゲームの市場規模は、日本も含め世界的に成長可能性が高いと期待されています。矢野経済研究所によると、日本のブロックチェーン活用サービスの市場規模は、数年後には7,000億円を超えるとのことです。寺村氏は、今後のWEB3ゲームの成長について「例えば、スマホゲームなどの過去のトレンドを見ても、初期段階はユーザーがものすごく少ないけれど、そこから爆発的に伸びる局面が来る」と指摘します。その上で、「その急成長するタイミングが、もう間もなく来るのではないかと市場は予想している」と語ります。このような背景を踏まえ、gumiやdouble jump.tokyoは、まさに今、WEB3ゲーム開発に注力しているとのことです。坂本氏は、市場規模の成長はもちろんのこと、「今のスマホゲーム市場にプラスされるというよりも、ユーザーや事業者が、スマホゲームからブロックチェーンゲームにだんだん置き換わっていくのではないか」と、市場自体の変化にも触れました。また、寺村氏は「ブロックチェーンを意識しなくなるフェーズになるのが一番良い」と言います。インターネットも、当初はユーザーが「今、インターネットを使っている」と意識しており、情報を抜かれる可能性があると怖がられることもありました。しかし今では、「今、インターネットを使っている」と意識しながらサービスを使うことは少ないのではないでしょうか。そのように、ブロックチェーンも、「今、利用している」という意識が薄くなり、気づいたら裏ではブロックチェーン技術が使われているという世界になるのではないかと考えているとのことです。
2024年はWEB3ゲームのターニングポイントに
議論は、セッションのタイトルでもある「2024年のWEB3ゲーム」に移ります。坂本氏は、相当な開発費をかけた複数のゲームが2024年・2025年に公開されるため、「海外勢を含め、2024年がターニングポイントになり得る」と言い、「そのようなゲームが本当にユーザーに広がるか注目している」と明かしました。一方、寺村氏は、WEB3ゲームを取り巻く環境の整備が進んでいることに着目します。税制関係や、プラットフォーマーによる規約の明確化が進んでいるため、2024年は、ブラウザゲームだけでなく、アプリゲームとして、WEB3ゲームが提供され始める年になるかもしれないとのことです。これを踏まえて、「私たちコンテンツ開発側はもちろんのこと、マーケティング要素にも広がりが出て、ユーザーへリーチする手段が拡大するのではないかと感じている」(寺村氏)と語りました。また、2024年にはgumiが新しいWEB3ゲームを発表することもあり、寺村氏は「ゲームとして面白いと感じられるようなキラーコンテンツになることを狙いたい」と言い、「そういうコンテンツがあると、ユーザーは色々なハードルを自然と超えてくる。そうなれば、非常に大きな成長を見込める市場になる」と述べました。坂本氏は、キラーコンテンツの登場について、そのマイナス面を無くす必要があると指摘します。キラーコンテンツが出ても、ユーザーがリスクを背負う必要があり、その結果、コンテンツが炎上し、ゲームの事業者が萎縮することが一番良くない状況だと言います。坂本氏は「この両面をクリアすることで成長できる」と強調しました。
最後に2人から、WEB3ゲームが成長するためのポイントが語られました。寺村氏は、「まさに私たちが進めている『OSHI3構想』になります」と言い、今後のgumiの展開への抱負を語りました。坂本氏は、「仮想通貨には、一部の人が損をして一部の人だけが得をするという側面がある上、とても知識があり、詐欺にも騙されないなどさまざまな条件が揃っている人だけが得をするような見え方になっている」と話します。その上で、「これをよりわかりやすくするようなゲーム性や説明の仕方が今後重要になる」と指摘しました。坂本氏は、「私たちとしては、今までWEB3ゲームに触れてこなかった人に、リスクを取ってプレイしてくださいと言うのではなく、門戸を開いたゲームを制作することが、これからのポイントになる」と締めくくりました。
寺村 康
株式会社gumi Head of Blockchain Business
日本政策投資銀行にて国内外の大手法人向け融資業務や債権管理(事業再生)業務のほか、人事部門にて主に採用業務などに従事。2018年4月にgumiへ入社し、企業広報や渉外業務を管掌しているほか、現在はメタバース事業(ブロックチェーン領域及びXR領域)の推進も担当。
坂本 康朗
double jump.tokyo株式会社 執行役員/ブロックチェーンゲーム開発統括
ECサイト運営会社でエンジニアとして様々なサービスの開発や運用を経験した後、2015年にゲームプラットフォーム運営等を手掛ける会社に入社。2021年12月double jump.tokyoに入社し、2022年7月に当社執行役員に就任。