RPA先進企業の自動化770業務の内訳を公開 RPA化に向いている業務が明らかに

総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社(以下「パーソルP&T」)と人材派遣・アウトソーシング事業を手掛けるパーソルテンプスタッフ株式会社は、RPAサービスをワンストップで提供するサービスブランド「パーソルのRPA」を2019年5月より展開している。「パーソルのRPA」にてサービス提供する「RPAアソシエイツ」が開発に携わった770業務を、活用が進む業務・部署別業務・開発日数毎に集計し取り纏めた。

■集計背景

労働人口不足が加速し、企業の生産性向上や長時間労働対策として業務の自動化・RPA導入が加速している。しかし、RPAを導入しても業務選定の段階で自動化に向いている業務の判断がつかないケースや、ロボット開発に時間がかかり途中で計画が頓挫してしまったケースが多く見られるという。RPAの開発に課題を持つ企業に対して、RPA専門人材の育成・派遣を行う「RPAアソシエイツ」では、今回の調査で自動化の対象業務の傾向とそのロボットの開発にかかる日数を集計し、RPA導入・活用の際に参考となるRPA先進企業の傾向を纏めた。

■集計概要

対象期間: 2018年8月~2019年12月
集計業務数: 770業務
対象業務: 「RPAアソシエイツ」で開発に携わった自動化業務
主な集計部署: 人事、業務、経理、情報IT、企画、業務推進グループなど

■調査結果

1. 自動化の対象業務の傾向について
―自動化の対象となりやすいのは、分析・改善・管理といった業務の「準備作業」


集計した人事、業務、経理といったさまざまな部門にて、自動化の対象が多い傾向にあるのは、「データ抽出」や「システム入出力」といった業務であることがわかった。RPAの活用が進むバックオフィス部門では、現状を正しく把握し改善するために、データ抽出などの準備作業を自動化し分析・企画業務に時間を割こうとする企業担当者の実情が読み取れる。また、自動化の対象になる業務は“一連の業務をロボットが担う”のではなく、RPAと人が一連の業務を分担して行うことで効率化させていることがわかった。

2. 人事部門、経理部門の対象業務の傾向について
―部門ごとにみると、業務に合わせた自動化活用が進む傾向に


バックオフィス部門のなかでRPAの活用が進む「人事部門」や「経理部門」に絞って、対象業務に傾向があるかを纏めた。

・人事部門
労働時間のマネジメント業務にて自動化する動きが最も多く、定期的に発生する人事情報の出力や、異動配置のためのシステム入力を代行する部分で、自動化が進んでいる。また関係者に定期的にメールを配信する業務なども自動化している。

・経理部門
定型的なデータ抽出処理が最も多いが、経理処理(振込業務や費用計上など)や決算のための集計処理などで自動化が進んでいる。また、データの照合作業などミスなくチェックする業務も自動化されている。

3. 1ロボットの平均開発日数について
―1ロボットの平均開発日数は5~15日


通常業務の中でRPAの開発を進め、業務改革を推進していくには1つのロボットを開発するのにかかる平均日数は5日から15日が多くみられた。ただし、業務自体が複雑なものになると1カ月以上かかる場合がある。この工数は、RPAアソシエイツにて研修を受けたプロの開発者が要した時間。人員に余裕のないバックオフィス部門では、通常業務+ロボット開発のスキル習得、開発を行うには時間がいくらあっても足りず、自動化業務の選定が行われても開発・運用に数カ月かかってしまい、RPAの推進が始まらないケースが多く見られる。

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