マンションの将来の担保価値をAIが予測する検索サービスがベータ版を提供開始

株式会社ワンダラスは2020年6月12日より、マンションの将来の担保価値(最低資産価値)をAIが予測して、現在から将来に至る住宅ローンのオーバーローンリスクチェックをサポートする検索サービス『OlivviA(オリビア)』のベータ版提供を開始すると発表した。

■OlivviA検索とは

オリビアは、誰でも無料で簡単に、マンション物件の10年後の将来までの推定担保価値(推定最低資産価値)の推移をオンライン上で知ることができる検索サービス。 『すべての住まい・ローン選びにもっと“安心”を』というサービスビジョンのもと、居住目的や投資目的でこれからマンションを購入しようと検討中のエンドユーザーに向けて、物件選びやローンの返済プラン検討の際の不安解消に役立つ今までにない新たなインサイトをweb上で提供するという。
出典元:プレスリリース
ユーザーは、不動産ポータルサイト上などで現在売出し掲載中の物件情報をオリビアに入力することで、n年後の当該物件の推定担保価値を瞬時に把握することができる。これによりユーザーは、価格やスペックが類似する複数の検討中物件のうちどの物件が将来的により資産価値が残りやすいか?(住宅ローンのオーバーローンのリスクがより少ないか?)という比較視点で物件を選んだり、AIが予測した将来の推定担保価値を参考にそこから逆算してローンの頭金を余裕を持って設定したり、といったことが可能となる。また、オリビアは、n年前の売出し物件情報の入力にも対応しているため、n年前にマンションを購入済みでこれから売却やローン借り換えを検討しようとしているエンドユーザーに向けても価値あるインサイトを提供できる仕組みとなっている。
出典元:プレスリリース
今回リリースするベータ版は、PC・タブレット・スマートフォンいずれからのアクセスにも対応したレスポンシブ仕様となっており、1都3県のマンション物件約10万件(1981年築以降で土地権利が所有権の物件に限定)の検索に対応している。

■検索エンジンの仕組み

本サービスに実装している検索エンジン内のAIアルゴリズムには、出力結果が説明可能(Explainable)であることを重視する観点から、ホワイトボックス型AIの代表格である『ランダムフォレスト』を採用している。モデリングにあたっては、過学習を防ぎつつデータセットの持つポテンシャルを最大限に引き出せる形でのハイパーパラメータ最適化を実現しているという。精度検証にあたっては、説明変数ごとに入力バリデーションを厳密に設定した上でホールドアウト法を採用し、予測モデルの汎用性と高性能性を裏付ける各種の検証結果データを取得済みとのことだ。
出典元:プレスリリース
また、当該機械学習用データセットには以下のデータを教師データとして採用している点に、主な特徴を有している。

①不動産競売落札結果データ
本サービスでは、『不動産競売落札結果データ=不良債権処理結果データ=住宅の将来の担保価値を予測するに必要な肝データ』という前提のもと、『競売マンションドットコム』の運営を通じて同社独自に蓄積した約6年分の落札結果データの中から有意なサンプルのみを抽出&クレンジングし、これに各種大量の不動産データを数理ロジックを用いて機械的に掛け合わせることで、当該物件のn年後の競売市場での売却価額(落札結果)を高精度で予測するAIのモデリング&実装を実現している。

②日経平均株価指数データ
本サービスでは、日経平均株価指数を説明変数として採用することで予測結果に景気動向を反映させている。これは、東京都心の中古マンションの成約単価と日経平均株価の間には考慮するに足る相関性が存在するという公表調査結果に基づくもので、同社独自の検証作業においても予測精度の向上に貢献することが実証されているという。

③地価データ&統計データ
本サービスでは、各種地価データや有意性の高さが検証済みの各種統計データを説明変数として採用することで、物件が所在する各エリアの特徴をAIが考慮して精度向上に繋がるようデータセットが組まれている。

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